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第37話 情報
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陽光が射し込む中、王アルヴァン四世と宰相レオナード、そしてレオンが向かい合っていた。
王は背もたれに寄りかかりながら、静かに口を開く。
「……第一王子ラグナルが決闘を挑み、王妃カミラがその後、脅迫まがいの言葉を口にしたそうだな」
レオンはわずかに表情を引き締めたが、すぐに静かな声で応じる。
「はい。ですが、私には想定の範囲内でした。特に問題にはしていません」
その返答に、王の表情がわずかに緩む。だがすぐに、軽い溜息をついて言葉を続けた。
「だとしても……あれは王族として、いや、一人の人間として恥ずべき振る舞いだった。謝罪しよう、レオン。あのような無礼を受けさせたことを、王として、父として、心から詫びる」
(ここでレオンの機嫌を損ねるようなことはしたくない。繋ぎとめておかねばならない)
レオンの目が、僅かに見開かれる。王の顔には誠実な憂いが宿っている──ように見えた。
──だが。
(詫び、ね……)
レオンは、そんな王の言葉を受けながらも、どこか冷めた思考を抱いていた。
第一王子の、年齢に似合わぬ子供じみた愚かな言動。
王妃の“盤上の駒”発言に滲む歪んだ支配欲。
だが──それらを、これまで放置し、増長させてきたのは誰か。
目の前の、この王自身だ。
確かに、この王はまだ“まし”な部類に入るのだろう。少なくとも、こうして謝罪の言葉を口にできるだけの計算高さはある。
……だが、それでも。
当初、この王でさえ、レオンを“囲い込もう”としていた。地位や名誉を与え、王家の駒として使おうとする、そんな発想を隠そうとはしなかった。いや、それは今も変わらないだろう。
本来なら見向きもしないであろう、スキルなし──“持たざる者”の存在。
だが、その存在が予想外の力を得たことで、掌を返し、使い道を見出す。
言い換えれば、力なき者は必要ない、ということ。それがこの世界の現実。
目の前に座る王も、宰相も──本質的には、貴族や王族という枠から逃れ得ぬ者たち。
“利用するか、されるか”の世界に生きる人間たちだ。
(まし、ではあるが……心から信用する気にはなれない)
それでも、レオンは表情一つ変えず、丁寧に頭を下げた。
「……謝罪など、私には過ぎた言葉です。陛下がそこまでなさる必要はありません。それに、私の方こそ王妃殿下に対し、少々やり過ぎてしまいましたから」
思わず反応してしまったとはいえ、テーブルや宝飾品どころか、部屋そのものを歪ませ、使い物にならなくしてしまったのだ。弁償など到底不可能である。責められて当然だろう。
──もっとも、敵だの駒だのと好き勝手に言われた手前、反省はしても後悔はしていない。
王は静かに目を細めた。
「謝罪の必要はあるさ。第一王子は、剣の腕も学も足りぬうちから“王であること”ばかりを口にする。……あの母親に育てられた結果だ。レオン、お前のような者と出会うまで、我が息子がいかに浅はかな人間であるか、余も気付いていなかった」
王は重く眉間に手をやり、静かに呟く。
「……王妃も同じだ。己の立場を振りかざし、お前のような若者を従わせようとする。まるで、この王国を自分の私物のように考えている」
宰相が、目を伏せて苦笑を漏らす。
「陛下、これ以上申されると、侍女たちの噂の種が尽きませぬぞ」
だが、王は小さく肩をすくめた。
「構わん。どうせ王宮など、常に誰かが聞いているものだ」
そう言って、王は再びレオンに向き直る。
「……お前が断ってくれて、正直、内心では安堵した。あの二人の手に落ちたら、国がどこに向かうか分からぬからな」
(その通りだろうな)
だがレオンは、王の言葉に反応することはなく、ただ黙って頭を下げる。
「……ありがとうございます。ですが、私はただ、自分の道を貫いただけです」
王はふっと微笑み、静かに頷く。
「──愚息も、王妃も、いずれ自らの未熟さを思い知る日が来るだろう。その時に備えて、今は“本物”を傍に置いておきたいと考えている」
その言葉に、レオンの感情が冷える。
それは、信頼という名の重み──しかし、同時に別の鎖にもなりかねないものだった。
結局「傍に置きたい」というその意志は、裏を返せば“繋ぎ留めたい”ということだ。
それは、甘く響く期待でありながら、いつか無意識に“拘束”へと変わる。
──そんなことは、レオンには最初から分かり切っていた。
(……俺は、誰の鎖にも繋がれない)
心の奥底で、冷たく断じる。
王も、宰相も、今はまだ穏やかに接してくるだろう。
だが──いざとなれば、この国もまた自分を縛ろうとする。
善意であれ、悪意であれ、それは変わらない。
(ある程度の協力はしてやってもいい。だが、それ以上は──踏み込まない。踏み込ませもしない)
どこまでも冷静に、自らの線引きを心に刻む。
それが、レオンの選んだ“道”だ。
だからこそ、レオンは微笑を浮かべる。
穏やかで礼節を忘れぬ、けれど決して深入りしない距離感を滲ませながら、淡々と告げた。
「……陛下のご期待は、ありがたく承りました。ですが、私はあくまで私の道を貫く者。必要とあれば協力は惜しみませんが、それ以上のことはお引き受けできません」
穏やかな声音だった。だが、はっきりとした拒絶の意志が滲んでいた。
王はその言葉に、ふっと目を細めた。まるで何かを企むかのように、微かに笑みを浮かべる。
「……そうか。ならば、無理強いはすまい。だが、これだけは覚えておいてくれ。我が国はお前のような者を必要としているのだ。未来のためにな」
レオンは静かに一礼した。
「心得ております」
──だが、その胸の奥には冷えた炎が揺れていた。
(王家の──お前たちのため、の間違いだろう?)
宰相が空気を和ませるように口を開く。
「では、レオン殿。例の情報について話を進めましょうかな」
◆
そこは、王城の地下深く、限られた者しか入ることのできない秘蔵の書庫── “翠の間”と呼ばれる、王家と歴代宰相のみが使用を許された知の墓所だった。高い天井と石造りの壁には、古代の文様が刻まれ、光源は精霊灯だけ。冷気と静寂が支配する空間に、三つの影が静かに集っていた。
王アルヴァン四世、宰相レオナード、そしてレオン。
「……さて、レオン。あの日申していた“情報”とやらを、今ここで明かしてもらおうか」
王が口を開くと、書庫に反響が返る。
レオンは深く一礼し、真っ直ぐに王と宰相を見た。
「ありがとうございます、陛下。私が知りたいのは──“この王国が把握している、エルフたちの隠れ里”についてです」
王が椅子の肘掛けに手を置いたまま、短く問う。
「何の目的で?」
レオンは簡潔に答えた。
「接触し、可能であれば協力を得たい。それだけです」
王は一瞬の沈黙ののち、小さく頷く。
「確かに、王国はエルフたちの隠れ里の“おおよその位置”を把握している。だが、彼らは度重なる迫害を嫌い、他種族──人間に対し、完全に沈黙を貫いてきた。協力が得られるかどうかはわからんぞ? それに我らが一方的に踏み込めば、それは宣戦布告と取られかねん」
「ええ、それは理解しております」
「だが、お前が“個人”として動くのであれば、話は別だ。よかろう。この地より北東、〈霧の森〉の奥深く──“霧結界”と呼ばれる自然の迷域の向こうに、伝承上の〈緑影の里〉がある。そこに至るには、特定の精霊花と、ある旋律が必要とされている。……情報は後ほど書にて渡そう」
レオンは深く頭を下げた。
「……感謝いたします」
「レオナード」
「はっ」
宰相はゆるやかに椅子から立ち上がり、書棚の奥に隠された引き出しから、薄く装丁された古い手稿を取り出した。それは緑の革で綴じられた、小さな冊子だった。
「この中に、“道標”が記されている。……だが、その前に口頭で概要を伝えておこう」
彼はレオンの前に立ち、低く、確かな声で語り始めた。
「〈霧の森〉の奥に広がる“結界領域”は、視界を奪い、方向感覚を狂わせる魔霧に満ちている。その中を突破するには、エルフ族が“鍵”として仕込んだ二つの要素が必要だ」
「まず一つは──“ミリュアの花”と呼ばれる精霊花だ。薄い銀青色の花弁を持ち、夜明け前の数時間にしか咲かぬ。この花を携えている者に限り、霧の中で精霊たちが道を示す。王国では〈北方巡礼者の丘〉の断崖で稀に咲くことが知られており、ごく少量を採取して保管してある」
「そしてもう一つ──“古代旋律〈風語りの詩〉”。これは、神代文字で記された旋律譜に基づいて、特定の笛で吹く必要がある。その音が霧の魔力を鎮め、エルフたちの結界をくぐるための“合図”となる。笛の音色は、外来の者が敵意なき証として用いるためのもので、旋律を誤れば──結界に拒まれ、二度と戻れぬ」
宰相は手稿をレオンに差し出した。
「この中に、花の正確な描写と、旋律譜の写しがある。奏でるための“風笛”も、王室の宝物庫に一つだけ保管されている。 ……貸し出しの許可は、陛下?」
王が頷いた。
「正式な許可ではない。……お前個人が動くという、そういう建前にしておく。だが、この件は王家の名誉にも関わる。……くれぐれも慎重に、な」
レオンはその手稿を丁重に受け取った。
「ありがとうございます。必ず、無駄にはしません」
──霧に隠された古き民の里。
禁じられた知と、忘れられた盟約の残響が、今再び、現世に姿を現そうとしていた。
王は背もたれに寄りかかりながら、静かに口を開く。
「……第一王子ラグナルが決闘を挑み、王妃カミラがその後、脅迫まがいの言葉を口にしたそうだな」
レオンはわずかに表情を引き締めたが、すぐに静かな声で応じる。
「はい。ですが、私には想定の範囲内でした。特に問題にはしていません」
その返答に、王の表情がわずかに緩む。だがすぐに、軽い溜息をついて言葉を続けた。
「だとしても……あれは王族として、いや、一人の人間として恥ずべき振る舞いだった。謝罪しよう、レオン。あのような無礼を受けさせたことを、王として、父として、心から詫びる」
(ここでレオンの機嫌を損ねるようなことはしたくない。繋ぎとめておかねばならない)
レオンの目が、僅かに見開かれる。王の顔には誠実な憂いが宿っている──ように見えた。
──だが。
(詫び、ね……)
レオンは、そんな王の言葉を受けながらも、どこか冷めた思考を抱いていた。
第一王子の、年齢に似合わぬ子供じみた愚かな言動。
王妃の“盤上の駒”発言に滲む歪んだ支配欲。
だが──それらを、これまで放置し、増長させてきたのは誰か。
目の前の、この王自身だ。
確かに、この王はまだ“まし”な部類に入るのだろう。少なくとも、こうして謝罪の言葉を口にできるだけの計算高さはある。
……だが、それでも。
当初、この王でさえ、レオンを“囲い込もう”としていた。地位や名誉を与え、王家の駒として使おうとする、そんな発想を隠そうとはしなかった。いや、それは今も変わらないだろう。
本来なら見向きもしないであろう、スキルなし──“持たざる者”の存在。
だが、その存在が予想外の力を得たことで、掌を返し、使い道を見出す。
言い換えれば、力なき者は必要ない、ということ。それがこの世界の現実。
目の前に座る王も、宰相も──本質的には、貴族や王族という枠から逃れ得ぬ者たち。
“利用するか、されるか”の世界に生きる人間たちだ。
(まし、ではあるが……心から信用する気にはなれない)
それでも、レオンは表情一つ変えず、丁寧に頭を下げた。
「……謝罪など、私には過ぎた言葉です。陛下がそこまでなさる必要はありません。それに、私の方こそ王妃殿下に対し、少々やり過ぎてしまいましたから」
思わず反応してしまったとはいえ、テーブルや宝飾品どころか、部屋そのものを歪ませ、使い物にならなくしてしまったのだ。弁償など到底不可能である。責められて当然だろう。
──もっとも、敵だの駒だのと好き勝手に言われた手前、反省はしても後悔はしていない。
王は静かに目を細めた。
「謝罪の必要はあるさ。第一王子は、剣の腕も学も足りぬうちから“王であること”ばかりを口にする。……あの母親に育てられた結果だ。レオン、お前のような者と出会うまで、我が息子がいかに浅はかな人間であるか、余も気付いていなかった」
王は重く眉間に手をやり、静かに呟く。
「……王妃も同じだ。己の立場を振りかざし、お前のような若者を従わせようとする。まるで、この王国を自分の私物のように考えている」
宰相が、目を伏せて苦笑を漏らす。
「陛下、これ以上申されると、侍女たちの噂の種が尽きませぬぞ」
だが、王は小さく肩をすくめた。
「構わん。どうせ王宮など、常に誰かが聞いているものだ」
そう言って、王は再びレオンに向き直る。
「……お前が断ってくれて、正直、内心では安堵した。あの二人の手に落ちたら、国がどこに向かうか分からぬからな」
(その通りだろうな)
だがレオンは、王の言葉に反応することはなく、ただ黙って頭を下げる。
「……ありがとうございます。ですが、私はただ、自分の道を貫いただけです」
王はふっと微笑み、静かに頷く。
「──愚息も、王妃も、いずれ自らの未熟さを思い知る日が来るだろう。その時に備えて、今は“本物”を傍に置いておきたいと考えている」
その言葉に、レオンの感情が冷える。
それは、信頼という名の重み──しかし、同時に別の鎖にもなりかねないものだった。
結局「傍に置きたい」というその意志は、裏を返せば“繋ぎ留めたい”ということだ。
それは、甘く響く期待でありながら、いつか無意識に“拘束”へと変わる。
──そんなことは、レオンには最初から分かり切っていた。
(……俺は、誰の鎖にも繋がれない)
心の奥底で、冷たく断じる。
王も、宰相も、今はまだ穏やかに接してくるだろう。
だが──いざとなれば、この国もまた自分を縛ろうとする。
善意であれ、悪意であれ、それは変わらない。
(ある程度の協力はしてやってもいい。だが、それ以上は──踏み込まない。踏み込ませもしない)
どこまでも冷静に、自らの線引きを心に刻む。
それが、レオンの選んだ“道”だ。
だからこそ、レオンは微笑を浮かべる。
穏やかで礼節を忘れぬ、けれど決して深入りしない距離感を滲ませながら、淡々と告げた。
「……陛下のご期待は、ありがたく承りました。ですが、私はあくまで私の道を貫く者。必要とあれば協力は惜しみませんが、それ以上のことはお引き受けできません」
穏やかな声音だった。だが、はっきりとした拒絶の意志が滲んでいた。
王はその言葉に、ふっと目を細めた。まるで何かを企むかのように、微かに笑みを浮かべる。
「……そうか。ならば、無理強いはすまい。だが、これだけは覚えておいてくれ。我が国はお前のような者を必要としているのだ。未来のためにな」
レオンは静かに一礼した。
「心得ております」
──だが、その胸の奥には冷えた炎が揺れていた。
(王家の──お前たちのため、の間違いだろう?)
宰相が空気を和ませるように口を開く。
「では、レオン殿。例の情報について話を進めましょうかな」
◆
そこは、王城の地下深く、限られた者しか入ることのできない秘蔵の書庫── “翠の間”と呼ばれる、王家と歴代宰相のみが使用を許された知の墓所だった。高い天井と石造りの壁には、古代の文様が刻まれ、光源は精霊灯だけ。冷気と静寂が支配する空間に、三つの影が静かに集っていた。
王アルヴァン四世、宰相レオナード、そしてレオン。
「……さて、レオン。あの日申していた“情報”とやらを、今ここで明かしてもらおうか」
王が口を開くと、書庫に反響が返る。
レオンは深く一礼し、真っ直ぐに王と宰相を見た。
「ありがとうございます、陛下。私が知りたいのは──“この王国が把握している、エルフたちの隠れ里”についてです」
王が椅子の肘掛けに手を置いたまま、短く問う。
「何の目的で?」
レオンは簡潔に答えた。
「接触し、可能であれば協力を得たい。それだけです」
王は一瞬の沈黙ののち、小さく頷く。
「確かに、王国はエルフたちの隠れ里の“おおよその位置”を把握している。だが、彼らは度重なる迫害を嫌い、他種族──人間に対し、完全に沈黙を貫いてきた。協力が得られるかどうかはわからんぞ? それに我らが一方的に踏み込めば、それは宣戦布告と取られかねん」
「ええ、それは理解しております」
「だが、お前が“個人”として動くのであれば、話は別だ。よかろう。この地より北東、〈霧の森〉の奥深く──“霧結界”と呼ばれる自然の迷域の向こうに、伝承上の〈緑影の里〉がある。そこに至るには、特定の精霊花と、ある旋律が必要とされている。……情報は後ほど書にて渡そう」
レオンは深く頭を下げた。
「……感謝いたします」
「レオナード」
「はっ」
宰相はゆるやかに椅子から立ち上がり、書棚の奥に隠された引き出しから、薄く装丁された古い手稿を取り出した。それは緑の革で綴じられた、小さな冊子だった。
「この中に、“道標”が記されている。……だが、その前に口頭で概要を伝えておこう」
彼はレオンの前に立ち、低く、確かな声で語り始めた。
「〈霧の森〉の奥に広がる“結界領域”は、視界を奪い、方向感覚を狂わせる魔霧に満ちている。その中を突破するには、エルフ族が“鍵”として仕込んだ二つの要素が必要だ」
「まず一つは──“ミリュアの花”と呼ばれる精霊花だ。薄い銀青色の花弁を持ち、夜明け前の数時間にしか咲かぬ。この花を携えている者に限り、霧の中で精霊たちが道を示す。王国では〈北方巡礼者の丘〉の断崖で稀に咲くことが知られており、ごく少量を採取して保管してある」
「そしてもう一つ──“古代旋律〈風語りの詩〉”。これは、神代文字で記された旋律譜に基づいて、特定の笛で吹く必要がある。その音が霧の魔力を鎮め、エルフたちの結界をくぐるための“合図”となる。笛の音色は、外来の者が敵意なき証として用いるためのもので、旋律を誤れば──結界に拒まれ、二度と戻れぬ」
宰相は手稿をレオンに差し出した。
「この中に、花の正確な描写と、旋律譜の写しがある。奏でるための“風笛”も、王室の宝物庫に一つだけ保管されている。 ……貸し出しの許可は、陛下?」
王が頷いた。
「正式な許可ではない。……お前個人が動くという、そういう建前にしておく。だが、この件は王家の名誉にも関わる。……くれぐれも慎重に、な」
レオンはその手稿を丁重に受け取った。
「ありがとうございます。必ず、無駄にはしません」
──霧に隠された古き民の里。
禁じられた知と、忘れられた盟約の残響が、今再び、現世に姿を現そうとしていた。
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