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第112話 確かな変化
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王城の執務室。午後の陽が差し込む中、重厚な扉が静かにノックの音を立てた。
「入れ」
王の声に従い、レオンが一礼して足を踏み入れる。
その瞳は静かに澄み、纏う気配には研ぎ澄まされた鋭さと、どこか深い静寂があった。
室内には、王アルヴァン四世と宰相レオナードのみ。
二人の視線がレオンへと注がれる。
「終わったか、すべて」
王の低く響く声に、レオンは頷いた。
「はい。予定していた訓練を全て終えました」
「……詳しく聞こう。何をしたのだ?」
レオンは静かに、淡々と語り始めた。
「初日は、実力の把握と基礎の確認を。
二日目は、身体の限界と精神の耐性を測り、
一日休養を挟んで三日目には、動機──彼の剣の原動力を問い直しました」
「そしてまた一日挟んで今日が、最終日か」
「はい。威圧による精神の限界試験と、その中での自己の再認識。傲慢、無理解、未熟、そして暴力、それらすべてに向き合わせました。彼が“選ばれた者”としての傲慢を脱ぎ捨て、自らの行動と感情を初めて自省した瞬間でもありました」
「……ふむ」
宰相が眼鏡を持ち上げ、興味深げに目を細める。
「ラグナル殿下に変化は見られましたか?」
「はい。少なくとも、自分が何を知らずにいたかを知ったようです。“強さ”というものが、単なる力や技ではなく、責任と向き合う覚悟であることに、ようやく……触れたのでしょう」
レオンは言葉を継ぐ。
「そしてもう一つ。彼は、騎士たちが最後まで自分を見捨てず、守ろうとしてくれたことに気付きました。特に副官ハロルドの行動には、深い衝撃を受けていた。あの傲慢な王子が、自分のために動く者たちの存在を、“ありがたい”と初めて感じた──その変化は、決して小さくありません」
宰相が静かに頷く。
「忠義に応える心を持つ。それもまた、王の器として必要なものですな」
「確信があるのか?」
王が言葉を挟む。
「断言はできません。ですが、彼の目が変わりました。怒りではなく、問いを宿した目に。彼は、初めて『何のために剣を持つのか』を自分の中で問い始めたように思います。即座に答えを出せるものではありません。ですが、彼は確かに……目を逸らさなくなった」
王は腕を組み、しばし沈黙した。
その瞳の奥にあるのは、王としての厳しさか、それとも父としての迷いか。
やがて、静かに言葉を落とす。
「……ならば、お前は、ラグナルを見捨てることを、やめたということか?」
「今の彼は……まだ、変われます。この国──民の未来を託すに足る、そういう人間になる可能性があります。もちろん、まだ道半ばに過ぎませんが。それでも彼は変わるための努力を続けるでしょう」
宰相が感心したように言葉を紡ぐ。
「その言葉が、どれほどの価値を持つか、我々にはよくわかっております」
だが、レオンはそこでふっと小さく、苦笑めいた息を吐く。
「ですが……勘違いしないでください。俺は王子を見捨てなかったわけではありません。むしろ、その逆です。俺は、彼を“王家の跡継ぎ”だから助けたのではない。ただ、これ以上彼が愚かであれば──結局は民が迷惑を被るだけだと判断した。それだけです」
その瞳は冷え冷えと澄み切っている。
「王家の威信のために動いたつもりは、毛ほどもありません。ましてや、あの王子への情けでもない。ただ──同じ過ちを、これ以上繰り返させたくなかったのです」
ふと、レオンの目が遠くを見た。
過ぎ去った忌まわしい記憶が脳裏をよぎる。
「……かつて、愚かさに気付けず、最期に至るまで誰の声にも耳を貸さず、己の愚かさを認めなかった者がいました……」
低く呟くその声は、どこか苦く、痛みを帯びていた。
「王子は──その点だけは違った。土壇場でようやく、己の無知と未熟を認めるだけの強さを、辛うじて残していた。だから、俺は彼を切り捨てなかった。ただそれだけです」
宰相は静かに頷きつつ、穏やかな笑みを浮かべた。
「……しかし、それこそが“剣”の役目というものでしょう。レオン殿はまさしく、王家の“剣”。振るわれるべき時に振るわれ、守るべきものを切り開く。その冷徹さ、非情さこそ、王に仕える“剣”として必要不可欠な資質。──今後も、レオン殿には王家の剣として、大いにその力を振るってもらわねばなりませんな」
その言葉に、レオンは何も答えなかった。ただ、冷めた瞳をわずかに伏せ、心の中で静かに吐き捨てる。
(……勝手に勘違いしていろ)
彼の沈黙を、宰相は「忠誠の証」と都合よく解釈したまま、微笑みを深める。
「お疲れだったな、レオン」
王も感謝を込めて言った。王として、父親として。
「……よくぞ、やってくれた。私にはできぬことだった」
「……恐縮です」
「だが、これで終わりではない。ラグナルの変化を確かめるのは、これからだ」
「心得ております。次は、彼が自らの意志で歩く番です。俺はこれ以上、何かをすることはありません」
そう言って、レオンは静かに一礼し、無言のまま執務室を後にする。
(そう、これ以上こいつらに何かしてやることはない。もう、十分すぎるほど協力した。後は自分たちで何とかしてみせろ。そのくらいのことができないのならば、いっそ滅べばいい)
その背に、国王と宰相の視線が残る。
王がふと呟くように言った。
「さて、レオナード」
宰相は微笑したまま答える。
「人の上に立つとは、かくあるべき、そう思わせる存在ですな。あのレオンという少年、ただの“剣”ではありません。“刃”としての役目を果たした後は、“楯”にも、“旗”にもなるでしょう。これからも、王家のためにその力を惜しみなく振るってくれるはず──いえ、振るわせてみせましょう」
「……ふむ」
王は深く頷きながらも、心の奥に微かな不安を覚えた。
だが、二人はまだ知らなかった。
レオンが、この報告を終えた直後に──王国を離れ、新たな旅へと出発することを。
彼は、少なくとも、王国の“剣”でも、“旗”でも、“楯”でもない。
ただ、己の信じた道を行くために、既に歩み出していたのだった。
「入れ」
王の声に従い、レオンが一礼して足を踏み入れる。
その瞳は静かに澄み、纏う気配には研ぎ澄まされた鋭さと、どこか深い静寂があった。
室内には、王アルヴァン四世と宰相レオナードのみ。
二人の視線がレオンへと注がれる。
「終わったか、すべて」
王の低く響く声に、レオンは頷いた。
「はい。予定していた訓練を全て終えました」
「……詳しく聞こう。何をしたのだ?」
レオンは静かに、淡々と語り始めた。
「初日は、実力の把握と基礎の確認を。
二日目は、身体の限界と精神の耐性を測り、
一日休養を挟んで三日目には、動機──彼の剣の原動力を問い直しました」
「そしてまた一日挟んで今日が、最終日か」
「はい。威圧による精神の限界試験と、その中での自己の再認識。傲慢、無理解、未熟、そして暴力、それらすべてに向き合わせました。彼が“選ばれた者”としての傲慢を脱ぎ捨て、自らの行動と感情を初めて自省した瞬間でもありました」
「……ふむ」
宰相が眼鏡を持ち上げ、興味深げに目を細める。
「ラグナル殿下に変化は見られましたか?」
「はい。少なくとも、自分が何を知らずにいたかを知ったようです。“強さ”というものが、単なる力や技ではなく、責任と向き合う覚悟であることに、ようやく……触れたのでしょう」
レオンは言葉を継ぐ。
「そしてもう一つ。彼は、騎士たちが最後まで自分を見捨てず、守ろうとしてくれたことに気付きました。特に副官ハロルドの行動には、深い衝撃を受けていた。あの傲慢な王子が、自分のために動く者たちの存在を、“ありがたい”と初めて感じた──その変化は、決して小さくありません」
宰相が静かに頷く。
「忠義に応える心を持つ。それもまた、王の器として必要なものですな」
「確信があるのか?」
王が言葉を挟む。
「断言はできません。ですが、彼の目が変わりました。怒りではなく、問いを宿した目に。彼は、初めて『何のために剣を持つのか』を自分の中で問い始めたように思います。即座に答えを出せるものではありません。ですが、彼は確かに……目を逸らさなくなった」
王は腕を組み、しばし沈黙した。
その瞳の奥にあるのは、王としての厳しさか、それとも父としての迷いか。
やがて、静かに言葉を落とす。
「……ならば、お前は、ラグナルを見捨てることを、やめたということか?」
「今の彼は……まだ、変われます。この国──民の未来を託すに足る、そういう人間になる可能性があります。もちろん、まだ道半ばに過ぎませんが。それでも彼は変わるための努力を続けるでしょう」
宰相が感心したように言葉を紡ぐ。
「その言葉が、どれほどの価値を持つか、我々にはよくわかっております」
だが、レオンはそこでふっと小さく、苦笑めいた息を吐く。
「ですが……勘違いしないでください。俺は王子を見捨てなかったわけではありません。むしろ、その逆です。俺は、彼を“王家の跡継ぎ”だから助けたのではない。ただ、これ以上彼が愚かであれば──結局は民が迷惑を被るだけだと判断した。それだけです」
その瞳は冷え冷えと澄み切っている。
「王家の威信のために動いたつもりは、毛ほどもありません。ましてや、あの王子への情けでもない。ただ──同じ過ちを、これ以上繰り返させたくなかったのです」
ふと、レオンの目が遠くを見た。
過ぎ去った忌まわしい記憶が脳裏をよぎる。
「……かつて、愚かさに気付けず、最期に至るまで誰の声にも耳を貸さず、己の愚かさを認めなかった者がいました……」
低く呟くその声は、どこか苦く、痛みを帯びていた。
「王子は──その点だけは違った。土壇場でようやく、己の無知と未熟を認めるだけの強さを、辛うじて残していた。だから、俺は彼を切り捨てなかった。ただそれだけです」
宰相は静かに頷きつつ、穏やかな笑みを浮かべた。
「……しかし、それこそが“剣”の役目というものでしょう。レオン殿はまさしく、王家の“剣”。振るわれるべき時に振るわれ、守るべきものを切り開く。その冷徹さ、非情さこそ、王に仕える“剣”として必要不可欠な資質。──今後も、レオン殿には王家の剣として、大いにその力を振るってもらわねばなりませんな」
その言葉に、レオンは何も答えなかった。ただ、冷めた瞳をわずかに伏せ、心の中で静かに吐き捨てる。
(……勝手に勘違いしていろ)
彼の沈黙を、宰相は「忠誠の証」と都合よく解釈したまま、微笑みを深める。
「お疲れだったな、レオン」
王も感謝を込めて言った。王として、父親として。
「……よくぞ、やってくれた。私にはできぬことだった」
「……恐縮です」
「だが、これで終わりではない。ラグナルの変化を確かめるのは、これからだ」
「心得ております。次は、彼が自らの意志で歩く番です。俺はこれ以上、何かをすることはありません」
そう言って、レオンは静かに一礼し、無言のまま執務室を後にする。
(そう、これ以上こいつらに何かしてやることはない。もう、十分すぎるほど協力した。後は自分たちで何とかしてみせろ。そのくらいのことができないのならば、いっそ滅べばいい)
その背に、国王と宰相の視線が残る。
王がふと呟くように言った。
「さて、レオナード」
宰相は微笑したまま答える。
「人の上に立つとは、かくあるべき、そう思わせる存在ですな。あのレオンという少年、ただの“剣”ではありません。“刃”としての役目を果たした後は、“楯”にも、“旗”にもなるでしょう。これからも、王家のためにその力を惜しみなく振るってくれるはず──いえ、振るわせてみせましょう」
「……ふむ」
王は深く頷きながらも、心の奥に微かな不安を覚えた。
だが、二人はまだ知らなかった。
レオンが、この報告を終えた直後に──王国を離れ、新たな旅へと出発することを。
彼は、少なくとも、王国の“剣”でも、“旗”でも、“楯”でもない。
ただ、己の信じた道を行くために、既に歩み出していたのだった。
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