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第2部
30.
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2階のバルコニーでワインを飲みながら星を眺めていた。月に負けじと、一等星が主張している。
「もう明日か。」
セスとシノアは、明日旅立つ。
山を越え、バデュバールの南に位置する半島にある港町へ向かう。アーク帝国の先代皇帝が欲し、戦争を起こした目的である港町だ。そこで異国へと出向する船に乗る。
「お別れ会でもする為に呼んだのか?」
セスがそっぽを向きながらため息を吐いた。
2人が異国へ行くことになったのは、この国にいたくないというセスの意向を汲んでの決定だった。その為に彼には2か月間旅費を稼ぐという名目で、精一杯働いてもらった。
「給金を渡そうと思ったんだよ。」
素直に手を出すセスに、くすりと笑った。
前もってブランドンに渡していた巾着を、セスに渡すように言うと、ブランドンがセスの手の上に巾着を置いた。
セスは早速、巾着の紐を解き、「おぉ、こんなに。」と小さく感嘆した。
もちろん少し多めに包んであった。シノアがなるべくお金に苦労することのないように。
「あとの荷物は、明日、馬と一緒に渡すよ。」
「…犯罪者の逃亡劇に、手厚いことで。」
堂々と嫌味を吐くセスに、ブランドンが鼻息を荒くした。
「シノアの体調は?」
「頗る良いぜ。早くここを出たいってよ。」
「…そうか。」
セスは2か月前に被雇用者としての契約を結んでから、拘束を外し、使用人としての部屋を与え、シノアの部屋にも出入り自由とした。
シノアの容体は、私は会いたくないと言われていた為に、人づてにしか知ることができなかった。だが少し前から、体力をつける為に敷地内を歩いたり、簡単な運動を始めたらしい。
シノアへの想いも次第に整理が付き始め、生きていてくれるのならそれでいいと、そう思うようにした。今まで苦しんだ分、これからの人生ではたくさん笑っていられるよう祈っていた。
「真っ当に生きるんだよ。」
用が済んでさっさと部屋へ戻ろうとするセスの背に投げかけた。
セスは立ち止まって振り返った。
「何か商売を始めるなり、その腕で護衛の任に就くなり何をやっても良いけれど、陽の下を歩ける仕事をするんだ。後ろ指を差されない生き方を。」
大切な人がいる者こそ、そうするべきだと付け加えると、セスは鼻で笑った。
「俺に説教なんて無駄だぞ。シノアから聞いてねぇのか?俺は3人の中でも1番バカなんだ。」
「君はバカじゃないよ。」
真っ直ぐ向けてくる疑いの眼差しを、私も真っ直ぐに見返した。
「君はシノアの為に自分の感情を押し殺して、2か月間我慢して仕事をこなした。賢い選択をしたと思うよ。」
もう1度念を押すと、「バカはあんただな。」と言い捨てられ、セスはそのまま踵を返して去って行った。
ブランドンの鼻息が益々荒れる。
「トレシュ様、なぜあんな無礼をお許しになるのですか!」
ブランドンは切られた遺恨がある為か、セスの前でなかなか冷静にいられないようだった。
気持ちは分からなくもないが、私にはセスと敵対する気が無い為、もう少し抑えて欲しいところだ。
「あれくらい気骨のある方が、安心して見送れるよ。」
この先のシノアの安全は、彼に掛かっているのだから。
星が煌めく夜空を見上げ、明日も天気が良さそうなことに安堵しながら、手に持ったワインを飲み干し、追加を注いだ。
珍しくも寝室に戻る頃にはすっかり酔ってしまい、ブランドンの力を借りてベッドに身を沈めると、あっという間に意識が飛んでしまった。
翌日、迷いに迷ったが意を決し、シノアとセスの見送りに行くことにした。
”会いたくありません。”
胸に重くのしかかったその言葉を、そのままにしておくことは耐え難かったのだ。
「シノア。」
出立の準備を行うセスと使用人たちの傍らで、静かに馬を撫でる彼女に声を掛けると、彼女はぴたりと手を止め、下ろし、振り返った。
揺れる金髪が陽を浴びて輝き、2か月前よりも光を伴う瞳に目を奪われた。「トレシュ様。」と呟いた声が酷く耳に心地良い。呆れることに、つい引き留めてしまいそうで、そんな自分にうんざりした。
近くに寄れば手を伸ばしてしまいそうだと躊躇い、一定の距離を置いておく。
「痛みはどう?」
「…お陰様で、だいぶ良くなりました。」
「薬、たくさん包ませたから、ちゃんと飲むんだよ。」
「はい。」
「無茶なことはしないでね。」
「はい。」
「…元気で。」
「トレシュ様も。」
話したいことはたくさんあるが、必要最低限に抑えた。簡潔な返事からも、私の言葉を必要としていないと分かる。
しかし、これだけはどうしても伝えておきたい。
「何か本当に困ったことがあったら、私のところへ来るんだよ。…力になるから。」
はい、とは返って来なかった。
俯くシノアから、私も視線を外し、軟風が2人の間を通り抜けた。
その場を後にしようと静かに背を向けた時、不意に後ろへ引かれた。首を横に90度回しただけで、俯きながらもトガを掴むシノアの姿が視界の端に入った。
大きく胸が高鳴り、それ以上振り返ることができない。
「トレシュ様、ありがとうございました。」
何に対しての礼か分からず、今度は私が押し黙る。
「お世話になったことも、セスの事も、…ナイジェルの葬儀のことも…。」
何と返すべきだろうか。どういたしまして、などとはあまりにも傲慢だ。
「お礼を…言えてなかった、ので…。」
「礼なんていいよ。」
何もかも上手く行かず、守ることができなかった。シノアのことも。シノアの大切な人のことも。
恩を返したいなどと言いながら、私は何の役にも立たなかったのだ。
事を起こす前に、私に相談してくれていたらと何度も考えたが、それは、そこまでの信頼関係を築くことができなかった私に落ち度があるとも捉えられる。
思い返すと悔やむことばかりがいくつも重なり、声が喉に痞えた。
肩が軽くなり、シノアが手を離したことが分かる。
私はそのままシノアの顔を見ずに、杖を持つ手に力を込め、その場を後にした。
セスが荷物を乗せた馬を引き、その隣を歩くシノアの姿を、バルコニーから見送った。
だんだん小さくなる2人の影は、時折じゃれ合い、愉快そうに揺れている。
どんな会話をしているのかは、見当もつかない。
そうして2人の姿が見えなくなるまで、シノアは1度も振り返ることなく去っていった。
離れていくほど想いが募るのはなぜだろう。行き場を失った心に蓋をするように、「さて。」と口を開いた。
「これでひと段落だ。」
ブランドンが大きく頷いた。
「これで帝都へ帰れるのですね。」
「少しゆっくりしてからね。テンティウス殿の宴会にも参加すると言ってあるし。」
「陛下が待ちわびていらっしゃるのでは?」
その通りだった。帝国の要人が殺される事件に関して嘘の報告を送ると、解決したのならすぐに帰ってくるようにと返書が届いていた。
ブランドンの怪我を言い訳に長く留まっていたのだが、あまり引き延ばし過ぎると陛下の不信を買いかねない。また、当の本人が怪我をものともせず、動き回っていることも問題だ。説得力に欠ける。
「ブランドン、帝都に着いたら、君にはしばらく休んでもらうから、そのつもりでね。」
「えっ?!なぜですか?!多少の痛みはありますが、見てください、ほら、このように剣も振れます!」
そう言って剣を振り回すブランドンの名を低い声で呼び諌め、やめさせた。
「君の左腕の傷は、骨まで見えていたと聞いたよ。普通の人ならまだ動くのも辛いはずだ。早く治したいのなら、しっかり養生しなさい。」
俯き、萎れた返事をするブランドンに、励ますように続けた。
「首にするわけじゃないよ。しっかり治して帰って来て欲しいんだ。」
「はい。」
「帝都に帰ったら結婚もするんだろう?ちょうどいいからお嫁さんとゆっくりお過ごし。」
「…顔も知らない娘ですよ。」
ブランドンは騎士階級の家門の出。ご両親が同じ階級の結婚相手を探し、ほとんど強制的に決められたのだ。
とはいえ私は賛成だった。ご両親から説得を頼まれたということもあるが、彼はほとんど私に付きっきりで、異性との交流も皆無。外野が無理にでも決めないと、家門の後継ぎが途切れることになるだろう。
「きっと君を支え、人生を豊かにしてくれるよ。大切にするべきだ。」
ブランドンは口を尖らせたが、それ以上文句は溢さなかった。その様子に頬が綻ぶ。
「ところでガザリは?」
「先ほど出かけると聞きましたが、どこに行ったかまでは聞いていません。」
「そうか。」
別に予定があったわけではないから良いのだが、今の話をガザリにも聞かせたかった。
ブランドンが休暇に入れば、負担が増えるのはガザリだ。
「まぁ、ガザリには改めて話すか。」
帝都に帰ってからの話だ。急ぐわけでもない。
私はシノア達が行った道の先を眺め、少しばかり余韻に浸り、そして室内に入った。
「もう明日か。」
セスとシノアは、明日旅立つ。
山を越え、バデュバールの南に位置する半島にある港町へ向かう。アーク帝国の先代皇帝が欲し、戦争を起こした目的である港町だ。そこで異国へと出向する船に乗る。
「お別れ会でもする為に呼んだのか?」
セスがそっぽを向きながらため息を吐いた。
2人が異国へ行くことになったのは、この国にいたくないというセスの意向を汲んでの決定だった。その為に彼には2か月間旅費を稼ぐという名目で、精一杯働いてもらった。
「給金を渡そうと思ったんだよ。」
素直に手を出すセスに、くすりと笑った。
前もってブランドンに渡していた巾着を、セスに渡すように言うと、ブランドンがセスの手の上に巾着を置いた。
セスは早速、巾着の紐を解き、「おぉ、こんなに。」と小さく感嘆した。
もちろん少し多めに包んであった。シノアがなるべくお金に苦労することのないように。
「あとの荷物は、明日、馬と一緒に渡すよ。」
「…犯罪者の逃亡劇に、手厚いことで。」
堂々と嫌味を吐くセスに、ブランドンが鼻息を荒くした。
「シノアの体調は?」
「頗る良いぜ。早くここを出たいってよ。」
「…そうか。」
セスは2か月前に被雇用者としての契約を結んでから、拘束を外し、使用人としての部屋を与え、シノアの部屋にも出入り自由とした。
シノアの容体は、私は会いたくないと言われていた為に、人づてにしか知ることができなかった。だが少し前から、体力をつける為に敷地内を歩いたり、簡単な運動を始めたらしい。
シノアへの想いも次第に整理が付き始め、生きていてくれるのならそれでいいと、そう思うようにした。今まで苦しんだ分、これからの人生ではたくさん笑っていられるよう祈っていた。
「真っ当に生きるんだよ。」
用が済んでさっさと部屋へ戻ろうとするセスの背に投げかけた。
セスは立ち止まって振り返った。
「何か商売を始めるなり、その腕で護衛の任に就くなり何をやっても良いけれど、陽の下を歩ける仕事をするんだ。後ろ指を差されない生き方を。」
大切な人がいる者こそ、そうするべきだと付け加えると、セスは鼻で笑った。
「俺に説教なんて無駄だぞ。シノアから聞いてねぇのか?俺は3人の中でも1番バカなんだ。」
「君はバカじゃないよ。」
真っ直ぐ向けてくる疑いの眼差しを、私も真っ直ぐに見返した。
「君はシノアの為に自分の感情を押し殺して、2か月間我慢して仕事をこなした。賢い選択をしたと思うよ。」
もう1度念を押すと、「バカはあんただな。」と言い捨てられ、セスはそのまま踵を返して去って行った。
ブランドンの鼻息が益々荒れる。
「トレシュ様、なぜあんな無礼をお許しになるのですか!」
ブランドンは切られた遺恨がある為か、セスの前でなかなか冷静にいられないようだった。
気持ちは分からなくもないが、私にはセスと敵対する気が無い為、もう少し抑えて欲しいところだ。
「あれくらい気骨のある方が、安心して見送れるよ。」
この先のシノアの安全は、彼に掛かっているのだから。
星が煌めく夜空を見上げ、明日も天気が良さそうなことに安堵しながら、手に持ったワインを飲み干し、追加を注いだ。
珍しくも寝室に戻る頃にはすっかり酔ってしまい、ブランドンの力を借りてベッドに身を沈めると、あっという間に意識が飛んでしまった。
翌日、迷いに迷ったが意を決し、シノアとセスの見送りに行くことにした。
”会いたくありません。”
胸に重くのしかかったその言葉を、そのままにしておくことは耐え難かったのだ。
「シノア。」
出立の準備を行うセスと使用人たちの傍らで、静かに馬を撫でる彼女に声を掛けると、彼女はぴたりと手を止め、下ろし、振り返った。
揺れる金髪が陽を浴びて輝き、2か月前よりも光を伴う瞳に目を奪われた。「トレシュ様。」と呟いた声が酷く耳に心地良い。呆れることに、つい引き留めてしまいそうで、そんな自分にうんざりした。
近くに寄れば手を伸ばしてしまいそうだと躊躇い、一定の距離を置いておく。
「痛みはどう?」
「…お陰様で、だいぶ良くなりました。」
「薬、たくさん包ませたから、ちゃんと飲むんだよ。」
「はい。」
「無茶なことはしないでね。」
「はい。」
「…元気で。」
「トレシュ様も。」
話したいことはたくさんあるが、必要最低限に抑えた。簡潔な返事からも、私の言葉を必要としていないと分かる。
しかし、これだけはどうしても伝えておきたい。
「何か本当に困ったことがあったら、私のところへ来るんだよ。…力になるから。」
はい、とは返って来なかった。
俯くシノアから、私も視線を外し、軟風が2人の間を通り抜けた。
その場を後にしようと静かに背を向けた時、不意に後ろへ引かれた。首を横に90度回しただけで、俯きながらもトガを掴むシノアの姿が視界の端に入った。
大きく胸が高鳴り、それ以上振り返ることができない。
「トレシュ様、ありがとうございました。」
何に対しての礼か分からず、今度は私が押し黙る。
「お世話になったことも、セスの事も、…ナイジェルの葬儀のことも…。」
何と返すべきだろうか。どういたしまして、などとはあまりにも傲慢だ。
「お礼を…言えてなかった、ので…。」
「礼なんていいよ。」
何もかも上手く行かず、守ることができなかった。シノアのことも。シノアの大切な人のことも。
恩を返したいなどと言いながら、私は何の役にも立たなかったのだ。
事を起こす前に、私に相談してくれていたらと何度も考えたが、それは、そこまでの信頼関係を築くことができなかった私に落ち度があるとも捉えられる。
思い返すと悔やむことばかりがいくつも重なり、声が喉に痞えた。
肩が軽くなり、シノアが手を離したことが分かる。
私はそのままシノアの顔を見ずに、杖を持つ手に力を込め、その場を後にした。
セスが荷物を乗せた馬を引き、その隣を歩くシノアの姿を、バルコニーから見送った。
だんだん小さくなる2人の影は、時折じゃれ合い、愉快そうに揺れている。
どんな会話をしているのかは、見当もつかない。
そうして2人の姿が見えなくなるまで、シノアは1度も振り返ることなく去っていった。
離れていくほど想いが募るのはなぜだろう。行き場を失った心に蓋をするように、「さて。」と口を開いた。
「これでひと段落だ。」
ブランドンが大きく頷いた。
「これで帝都へ帰れるのですね。」
「少しゆっくりしてからね。テンティウス殿の宴会にも参加すると言ってあるし。」
「陛下が待ちわびていらっしゃるのでは?」
その通りだった。帝国の要人が殺される事件に関して嘘の報告を送ると、解決したのならすぐに帰ってくるようにと返書が届いていた。
ブランドンの怪我を言い訳に長く留まっていたのだが、あまり引き延ばし過ぎると陛下の不信を買いかねない。また、当の本人が怪我をものともせず、動き回っていることも問題だ。説得力に欠ける。
「ブランドン、帝都に着いたら、君にはしばらく休んでもらうから、そのつもりでね。」
「えっ?!なぜですか?!多少の痛みはありますが、見てください、ほら、このように剣も振れます!」
そう言って剣を振り回すブランドンの名を低い声で呼び諌め、やめさせた。
「君の左腕の傷は、骨まで見えていたと聞いたよ。普通の人ならまだ動くのも辛いはずだ。早く治したいのなら、しっかり養生しなさい。」
俯き、萎れた返事をするブランドンに、励ますように続けた。
「首にするわけじゃないよ。しっかり治して帰って来て欲しいんだ。」
「はい。」
「帝都に帰ったら結婚もするんだろう?ちょうどいいからお嫁さんとゆっくりお過ごし。」
「…顔も知らない娘ですよ。」
ブランドンは騎士階級の家門の出。ご両親が同じ階級の結婚相手を探し、ほとんど強制的に決められたのだ。
とはいえ私は賛成だった。ご両親から説得を頼まれたということもあるが、彼はほとんど私に付きっきりで、異性との交流も皆無。外野が無理にでも決めないと、家門の後継ぎが途切れることになるだろう。
「きっと君を支え、人生を豊かにしてくれるよ。大切にするべきだ。」
ブランドンは口を尖らせたが、それ以上文句は溢さなかった。その様子に頬が綻ぶ。
「ところでガザリは?」
「先ほど出かけると聞きましたが、どこに行ったかまでは聞いていません。」
「そうか。」
別に予定があったわけではないから良いのだが、今の話をガザリにも聞かせたかった。
ブランドンが休暇に入れば、負担が増えるのはガザリだ。
「まぁ、ガザリには改めて話すか。」
帝都に帰ってからの話だ。急ぐわけでもない。
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