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第13話 港にて
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ホビー・フェスティバルの会場を出た後、僕らはゆりかもめに乗って終点の豊洲駅まで来た。
「いやー! 道が広くて気持ちいいなぁ」
タワーマンション、高層オフィスビルの間を悠々と伸びるこの道路を見ることが僕は好きだ。
僕らは駅に隣接するショッピングセンターを見て回った後、海辺に建つこの建物の周りを歩いた。
「クラスの友だちがね。ここに来ると、オーストラリアのシドニーを思い出すって言っていたわ」
海を見ながら日菜が嬉しそうに言う。
「へぇ! そんなことを? そうかなぁ?」
シドニーは行ったことがないけど、ここは海辺のリゾート地をイメージして構想が練られたと聞くから、そんな風に感じてもおかしくはないのかもしれない。
公園のすぐ向こうに海が見えて開放感がある。ホビー・フェスティバルの凄まじい人混みとは別世界だ。
「ねぇ。ドッグランに行かない?」
「いいよ」
ガラス張りのペットショップ前にあるドッグランは天然芝で、犬たちが元気に走り回っている。
僕らはフェンス越しに走り回る犬たちを眺めた。
「かわいいわね」
「うん」
「私ね。コーギーが好きなの。いつか飼いたいなぁ」
「そうだね。でも、家は社宅だからね。犬は飼えないんだ」
「ふみゅー」
日菜が残念そうに呟く。
「うん。いろいろと面倒なんだよ。会社ってのは」
僕らは父さんの会社の社宅に住んでいる。
コーギー、シェルティ、チワワにダックスフント……。犬が駆け回る姿を日菜は飽きることなく見ていた。
「ねぇ。あのコーギーやっぱりかわいいわ」
「そう? 頑固そうだよ」
一匹のコーギーがでんと腰を下ろして動こうとせず、連れて帰りたい飼い主が困り果てている。
その姿を見て日菜が笑った。
「そこがいいのよ! ユーモラスだわ!」
「そうかなぁ?」
飼い主は大変そうだ。
てこでも動こうとしないコーギーを、飼い主が抱き上げた途端、予想外の重さによろめいた。コーギーは飼い主の腕のなかでじたばたともがき、再び地面に下ろされると何事もなかったようにスタスタと歩いてドッグランを退場して行った。
「やんちゃだなぁ」
「好奇心旺盛で活発なのよ。海辺のドッグランが楽しすぎて、帰るのが嫌になっちゃったのよ」
ピンと立った耳、ずんぐりとした体と短い手足。こんがりとした焼けたトーストのような胴に、ふわふわとした食パンのようなお尻。愛嬌のあるしぐさに、少しだけ凛々しい鼻。
確かにかわいい。
「何か飲んで一息つこう」
海に面してカフェが並び、僕たちはその一つで飲み物を買うと、水上バス乗り場が見えるテラス席に座った。日菜はオレンジジュース。僕はコーヒーだ。
「潮風が気持ちいいわね」
「そうだね」
潮風が僕らの頬をそっとなでて通り過ぎていく。
僕は気がかりだったことを口にする。
「神宮司部長とは親しいの?」
ついさっきの日菜の喜びようを思い出した。
さっきの日菜は、感極まって今にも泣きだしそうな勢いだった。
「ええ。交流会のあと声をかけてくださるようになったの。皆が、わたしのことうらやましいって言っていたわ。お姉さまはみんなの憧れの的だから。でも、レース編みをなさっていたなんて、私、知らなかったわ。共通点があって嬉しい!」
そう言って、日菜は編み針セットを愛おしそうに握りしめた。
「うーん?」
「どうかしたの?」
日菜が目をくるりとさせて、不思議そうに僕を見た。
“共通点”と言えるのだろうか? その……日菜。お前の腕前と、部長のそれは天と地、月とすっぽん、皇女とメイドほど違うんだぞ?
でも、それは言わないでおこう。あまりにも日菜が不憫だ。
「でも、よかったわ。お兄ちゃんとお姉さまが親しくて。私お姉さまと縁が切れてしまったと思ってとても悲しかったの」
「どんな話をしていたの?」
「うふふ。内緒!」
日菜がくすくすと笑う。
女の子同士の内緒話か……。
日菜にとっては、なんでも相談できる“お姉さま”ができたわけだ。
「これからもお姉さまと仲良くしてくれるのよね?」
日菜にじっと見つめられると、“一年だけ”その言葉が言いづらい。
あの人との付き合いはそれで終わりにしたいのに。
「お姉様、たくさんの人たちに囲まれていたわね。それに、外国人の客様のお相手もなさっていたわ」
あの後、海外のビジネスマンがブースを訪れ、部長は彼らの母国語で商品の説明をしていた。ホビー・フェスティバルは、単なる夢の国ではない。大切な商談の場でもあるのだ。そして、部長はそこで重責を果たしていたわけだ。僕が観客でしかなかったというのに。
「まぁ、あそこの王女さまみたいなものだからね」
「あら。わたしたちもよ」
日菜が丸い目を見開き、大真面目に言った。
「はは。そうだね。日菜は“お姫様”ってところだな。それに、跡を継がないという点は僕と同じかな?」
「そうなの?」
「うん。部長には二人お兄さんがいるんだ。だから、跡は継がないって言っていたよ。でも、何かの役には立ちたいって。それで、僕と同じ学校に進学したんだよ」
「そうなのね」
「うん」
しばらく日菜は考え込んだあと、
「お姉さまが会社を継がない理由はわかったわ。でも、お兄ちゃんもなの? パパの会社なのに?」
僕をじっと見つめる丸い瞳。
「違うよ。伯父さんの会社だ。父さんは、なんていうかなぁ、中継ぎみたいなもんだよ。伯父さんの子どもが成長したら、その子が継ぐんだ。今はアメリカに留学しているけど、将来に備えてのことだと思うよ」
海外在住歴のある僕に、対抗するためだとも囁かれている。
「そうなんだぁ」
「うん。僕と彼とでは、デキが違うんだよ。勉強も運動も性格も……。僕じゃ役不足だから丁度いいんだ。気楽でいいと思っているよ」
「ふみゅー」
日菜が悲しそうに俯いた。
「日菜?」
僕がのぞき込むと、
「お兄ちゃんはそれでいいの?」
日菜のくるりとした瞳が、哀しみに揺れる。
しまった!
日菜を悲しませてしまった。
僕はあまりにもこのテンプレの公式コメントに慣れ過ぎていて、当たり前のように、いつも口にしていた。
身内にしてみれば、自分を卑下したような言葉は耳にしたくないだろう。
「日菜! そ、そうだなぁ。でもね、僕は自分で何かをしたいと思っているんだ」
僕は失言を取り消そうとするかのように、取り繕うかのように言葉を繋げる。
「本当だよ。父さんを見ていると、何か自分で事業を立ち上げるのも悪くないなぁって……気楽っていうのは、それが自由にできるってことなんだよ!」
僕は必死だ。そしてその努力は報われたようで、
「本当!? お兄ちゃん!」
日菜が顔を上げて嬉しそうに言った。
「うん。だから今はいろいろな経験をして、やりたいことを探したいと思っているんだ」
「そうなのね! よかったぁ!」
日菜の頬が上気し、口元がほころぶ。
「うん」
「じゃあ、お兄ちゃんがレース編みをやめて、お母さんの手芸教室で図案を売っているのはそのせい?」
レース編みをやめた理由。それは僕にもわからない。ただ、漫然と続けてはいけない。そう思っただけなんだ。
「ま、まぁ、そんなところかな? ほら、できることから……って言うだろ?」
僕は必死で語り掛ける。まるで自分に言い聞かせるように。
「そうね! できることからね!」
日菜の口調がいっそう軽く、明るくなった。
「よかったぁ~。でも、レース編みは続けて欲しいなぁ。わたし、お兄ちゃんのクロッシェ大好きなの」
「そうだなぁ。時間ができたら日菜になんか編んであげるよ」
「本当? うれしい」
日菜が小躍りしそうな勢いで喜んでいる。
「時間ができたらだよ。編むからにはきちんとやりたいんだ」
「ありがとう! 待っているわね」
アナウンスが、今日、最後の就航を終えた水上ボートの帰港を告げた。
「あ~ん。水上ボート乗りたかったなぁ~」
「おい。おい。僕はもうくたくただよ。日菜は元気だな」
僕は、今日一日のことを思い出していた。早朝の起床。電車を乗り継いでの移動。人ごみの中、日菜の手を引いてブースの間を走り回ったこと。そして、部長と鉢合わせたこと。
「そうだ。せっかく海の近くまで来たし、まだ明るいし。月島まで歩こうか?」
「賛成!」
日菜は勢いよく席を立つと、あっという間に通りに飛び出していった。
「ちょっと待ってくれよ!」
僕は、ぴょんぴょんと跳ね歩く日菜の後ろに続いた。
水上ボートから、順序よく乗客たちが降りてくる。春の一日が終わろうとしていた。
僕らは海沿いの道に沿って、月島へ向かった。
「いやー! 道が広くて気持ちいいなぁ」
タワーマンション、高層オフィスビルの間を悠々と伸びるこの道路を見ることが僕は好きだ。
僕らは駅に隣接するショッピングセンターを見て回った後、海辺に建つこの建物の周りを歩いた。
「クラスの友だちがね。ここに来ると、オーストラリアのシドニーを思い出すって言っていたわ」
海を見ながら日菜が嬉しそうに言う。
「へぇ! そんなことを? そうかなぁ?」
シドニーは行ったことがないけど、ここは海辺のリゾート地をイメージして構想が練られたと聞くから、そんな風に感じてもおかしくはないのかもしれない。
公園のすぐ向こうに海が見えて開放感がある。ホビー・フェスティバルの凄まじい人混みとは別世界だ。
「ねぇ。ドッグランに行かない?」
「いいよ」
ガラス張りのペットショップ前にあるドッグランは天然芝で、犬たちが元気に走り回っている。
僕らはフェンス越しに走り回る犬たちを眺めた。
「かわいいわね」
「うん」
「私ね。コーギーが好きなの。いつか飼いたいなぁ」
「そうだね。でも、家は社宅だからね。犬は飼えないんだ」
「ふみゅー」
日菜が残念そうに呟く。
「うん。いろいろと面倒なんだよ。会社ってのは」
僕らは父さんの会社の社宅に住んでいる。
コーギー、シェルティ、チワワにダックスフント……。犬が駆け回る姿を日菜は飽きることなく見ていた。
「ねぇ。あのコーギーやっぱりかわいいわ」
「そう? 頑固そうだよ」
一匹のコーギーがでんと腰を下ろして動こうとせず、連れて帰りたい飼い主が困り果てている。
その姿を見て日菜が笑った。
「そこがいいのよ! ユーモラスだわ!」
「そうかなぁ?」
飼い主は大変そうだ。
てこでも動こうとしないコーギーを、飼い主が抱き上げた途端、予想外の重さによろめいた。コーギーは飼い主の腕のなかでじたばたともがき、再び地面に下ろされると何事もなかったようにスタスタと歩いてドッグランを退場して行った。
「やんちゃだなぁ」
「好奇心旺盛で活発なのよ。海辺のドッグランが楽しすぎて、帰るのが嫌になっちゃったのよ」
ピンと立った耳、ずんぐりとした体と短い手足。こんがりとした焼けたトーストのような胴に、ふわふわとした食パンのようなお尻。愛嬌のあるしぐさに、少しだけ凛々しい鼻。
確かにかわいい。
「何か飲んで一息つこう」
海に面してカフェが並び、僕たちはその一つで飲み物を買うと、水上バス乗り場が見えるテラス席に座った。日菜はオレンジジュース。僕はコーヒーだ。
「潮風が気持ちいいわね」
「そうだね」
潮風が僕らの頬をそっとなでて通り過ぎていく。
僕は気がかりだったことを口にする。
「神宮司部長とは親しいの?」
ついさっきの日菜の喜びようを思い出した。
さっきの日菜は、感極まって今にも泣きだしそうな勢いだった。
「ええ。交流会のあと声をかけてくださるようになったの。皆が、わたしのことうらやましいって言っていたわ。お姉さまはみんなの憧れの的だから。でも、レース編みをなさっていたなんて、私、知らなかったわ。共通点があって嬉しい!」
そう言って、日菜は編み針セットを愛おしそうに握りしめた。
「うーん?」
「どうかしたの?」
日菜が目をくるりとさせて、不思議そうに僕を見た。
“共通点”と言えるのだろうか? その……日菜。お前の腕前と、部長のそれは天と地、月とすっぽん、皇女とメイドほど違うんだぞ?
でも、それは言わないでおこう。あまりにも日菜が不憫だ。
「でも、よかったわ。お兄ちゃんとお姉さまが親しくて。私お姉さまと縁が切れてしまったと思ってとても悲しかったの」
「どんな話をしていたの?」
「うふふ。内緒!」
日菜がくすくすと笑う。
女の子同士の内緒話か……。
日菜にとっては、なんでも相談できる“お姉さま”ができたわけだ。
「これからもお姉さまと仲良くしてくれるのよね?」
日菜にじっと見つめられると、“一年だけ”その言葉が言いづらい。
あの人との付き合いはそれで終わりにしたいのに。
「お姉様、たくさんの人たちに囲まれていたわね。それに、外国人の客様のお相手もなさっていたわ」
あの後、海外のビジネスマンがブースを訪れ、部長は彼らの母国語で商品の説明をしていた。ホビー・フェスティバルは、単なる夢の国ではない。大切な商談の場でもあるのだ。そして、部長はそこで重責を果たしていたわけだ。僕が観客でしかなかったというのに。
「まぁ、あそこの王女さまみたいなものだからね」
「あら。わたしたちもよ」
日菜が丸い目を見開き、大真面目に言った。
「はは。そうだね。日菜は“お姫様”ってところだな。それに、跡を継がないという点は僕と同じかな?」
「そうなの?」
「うん。部長には二人お兄さんがいるんだ。だから、跡は継がないって言っていたよ。でも、何かの役には立ちたいって。それで、僕と同じ学校に進学したんだよ」
「そうなのね」
「うん」
しばらく日菜は考え込んだあと、
「お姉さまが会社を継がない理由はわかったわ。でも、お兄ちゃんもなの? パパの会社なのに?」
僕をじっと見つめる丸い瞳。
「違うよ。伯父さんの会社だ。父さんは、なんていうかなぁ、中継ぎみたいなもんだよ。伯父さんの子どもが成長したら、その子が継ぐんだ。今はアメリカに留学しているけど、将来に備えてのことだと思うよ」
海外在住歴のある僕に、対抗するためだとも囁かれている。
「そうなんだぁ」
「うん。僕と彼とでは、デキが違うんだよ。勉強も運動も性格も……。僕じゃ役不足だから丁度いいんだ。気楽でいいと思っているよ」
「ふみゅー」
日菜が悲しそうに俯いた。
「日菜?」
僕がのぞき込むと、
「お兄ちゃんはそれでいいの?」
日菜のくるりとした瞳が、哀しみに揺れる。
しまった!
日菜を悲しませてしまった。
僕はあまりにもこのテンプレの公式コメントに慣れ過ぎていて、当たり前のように、いつも口にしていた。
身内にしてみれば、自分を卑下したような言葉は耳にしたくないだろう。
「日菜! そ、そうだなぁ。でもね、僕は自分で何かをしたいと思っているんだ」
僕は失言を取り消そうとするかのように、取り繕うかのように言葉を繋げる。
「本当だよ。父さんを見ていると、何か自分で事業を立ち上げるのも悪くないなぁって……気楽っていうのは、それが自由にできるってことなんだよ!」
僕は必死だ。そしてその努力は報われたようで、
「本当!? お兄ちゃん!」
日菜が顔を上げて嬉しそうに言った。
「うん。だから今はいろいろな経験をして、やりたいことを探したいと思っているんだ」
「そうなのね! よかったぁ!」
日菜の頬が上気し、口元がほころぶ。
「うん」
「じゃあ、お兄ちゃんがレース編みをやめて、お母さんの手芸教室で図案を売っているのはそのせい?」
レース編みをやめた理由。それは僕にもわからない。ただ、漫然と続けてはいけない。そう思っただけなんだ。
「ま、まぁ、そんなところかな? ほら、できることから……って言うだろ?」
僕は必死で語り掛ける。まるで自分に言い聞かせるように。
「そうね! できることからね!」
日菜の口調がいっそう軽く、明るくなった。
「よかったぁ~。でも、レース編みは続けて欲しいなぁ。わたし、お兄ちゃんのクロッシェ大好きなの」
「そうだなぁ。時間ができたら日菜になんか編んであげるよ」
「本当? うれしい」
日菜が小躍りしそうな勢いで喜んでいる。
「時間ができたらだよ。編むからにはきちんとやりたいんだ」
「ありがとう! 待っているわね」
アナウンスが、今日、最後の就航を終えた水上ボートの帰港を告げた。
「あ~ん。水上ボート乗りたかったなぁ~」
「おい。おい。僕はもうくたくただよ。日菜は元気だな」
僕は、今日一日のことを思い出していた。早朝の起床。電車を乗り継いでの移動。人ごみの中、日菜の手を引いてブースの間を走り回ったこと。そして、部長と鉢合わせたこと。
「そうだ。せっかく海の近くまで来たし、まだ明るいし。月島まで歩こうか?」
「賛成!」
日菜は勢いよく席を立つと、あっという間に通りに飛び出していった。
「ちょっと待ってくれよ!」
僕は、ぴょんぴょんと跳ね歩く日菜の後ろに続いた。
水上ボートから、順序よく乗客たちが降りてくる。春の一日が終わろうとしていた。
僕らは海沿いの道に沿って、月島へ向かった。
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