電車で眠っただけなのに

加藤羊大

文字の大きさ
27 / 52

第25話 気持ち

しおりを挟む
 丁度二日後ドライフルーツが完成した。明日はサージェとお茶をする日である。間に合ってよかった。
薄くカットされていたため、よく乾燥し触れるとカサカサとした。紅茶と混ぜればきっと美味しいに違いない。ジャマールと協力し、同じ種類が偏らないように分けていく。ドライフルーツの小山がいくつも出来上がった。茶葉に混ぜ合わせていくと、日本でよく見るフルーツティーと見た目は同じだ。
「試飲してみよう」
テスト用としてアブダッドも呼び全員で試飲をする。
程よくフルーツの香りが移り、華やかな紅茶に仕上がっているようだ。
「美味い、これなら商品になる!」
アブダッドがにやりと笑い、一袋私に手渡す。
「ありがとうございます」
1ペイを払い、袋を手に微笑む。ただの麻袋では味気ないため、可愛らしくリボンを結ぶ。
この為に昨日の朝、パルマが働く工房でリボンを購入したのだ。彼の瞳と同じ紫色のリボン。
そこまで考え顔がほんのり熱くなっている事に気づく。これではまるで恋をしているようではないか。
違う、これは恩人に奢って貰ったお礼なのだ。キリッとした表情を無理やり作る。
一人で百人相しているのをアブダッドに見られ恥ずかしくなる。
「店長、他の商品用にも、リボン使いますか?」
だいぶ余ったので尋ねてみる。残りの袋に結ぶくらいの長さは残っているように見えた。
「いや、俺の考えている色は深緑色でな…」
「なるほど、パルマさんの、もがっ!」
パルマの瞳の色ですね、と言おうとしたら凄みのある笑顔で口を押えられた。
そんなコントのような様子を見ていたジャマールは何を思ったのか私の手から優しくリボンを取り上げる。
「いい事思いついたんだよね、最近女の子の間で流行っているみたいだから」
ちょっと失礼と一言断り、私の背後に回ったジャマールは低い位置で一つ結びにした髪の根元にリボンを結んだ。
「孫が付けていたんだよね」
ニコニコ嬉しそうに笑うジャマールには悪いが、似合っているのだろうか。
そして彼の言葉に瞬きをする。
「お孫さんが、いらっしゃるんですか?」
はじめて聞くジャマールの情報。そういえば私は一緒に働く仲間の事をよく知らない。
三人とも知っているのは名前と年齢くらいだろう。
「可愛い子でね、絵を持ち歩いているんだ」
見せてくれた絵には5歳くらいの女の子が描かれていた。
「可愛らしいですね」
「そうでしょう?目に入れても痛くないとはよく言ったもんだよね」
微笑むその顔は幸せなお爺ちゃんの顔であった。とても和む。
「さて、開店準備始めるぞ!」
アブダッドが切り替えるように手を叩き、全員が一気に動きだした。
また一日頑張ろう、パチンと両頬を軽く叩き歩き出した。

 本日はサージェは来ないようである。残念な気持ちと寂しさを感じる。いや待て佐藤律、あなたはそんな事を思っていないのだ。シャヌの言葉に惑わされるな。
昨日も会っているのにそう毎日顔を合わせなくても問題ない間柄ではないか。
勘違いしかけた自分の頭を切り替え、仕事をこなす。
今日も大盛況である。
在庫が心配になるほどアイスクリームがどんどん売れていく。
暑さは和らぐことを知らず、太陽は毎日じりじりと地面を焼いている。一応他国では四季が存在するものの、アグダンは暑い時期が四分の三ほどで、過ごしやすいのは冬だけらしい。
西に位置するグラヴェニア国も似たような気候かと思いきや違うらしい。グラヴェニア国では魔法により、国全体の気温を調整できるという。魔力を持つ人間が遠くから見ると国全体をベールが覆っている様に見えるそうだ。中からは青空は見えないのだろうかと、しょうもない事を考えた。
客に呼ばれ注文を取りに行く。若い女性の三人グループである。
「アイスクリーム三つお願いね。そういえばいつも窓際にいる綺麗な男の人、今日はいないのね」
残念そうにため息を吐く若い女性。少し胸の奥が軋んだ気がした。
「三つですね。常連さんは今日は、来ないようですね」
痛みを無視し、にこやかに対応する。
厨房に向かいながら胸を軽く抑える。体調が悪いのだろうか、胸が少し傷んだ。
動悸に効く日本で有名なあの生薬が必要だろうか。
しかし痛みはほどなく収まり、首を傾げた。
気のせいだったのだろう。

 夕方近くになり、珍しくイデアが一人でやってきた。
金髪が艶やかに輝き、エメラルドグリーンの瞳は涼やかだ。女性客の視線を一気に集めた。
「いらっしゃいませ、ご利用は初めてですね」
「あの人を迎えにくるばかりで、ここの名物食べた事なかったからな」
「是非食べて行って下さいませ。ご案内いたします」
サージェがいつも利用している窓際が空いていたのでそこへ案内する。
この人にも客寄せパンダになってもらおうと思う。
外を通った若い女性二人組が興味津々でイデアを見ている。座っているだけで客を呼ぶ男その2。
だんだん思考回路がアブダッドのようになっている気がする。
「ご注文が、お決まりになりましたら、お声かけ下さいませ」
丁寧に頭を下げ、立ち去る。
アブダッドがにやにや笑いながら顎を撫でる。
「リツは色男ばっかり引っかけてくるよな」
「人聞きの悪い言い方、しないで下さいよ」
決して引っかけているのではない。
シャヌ、サージェ、イデアとまた再会できたのは全て縁だと思っている。もちろんパルマやアラム、店の人たちも大事な縁だ。凡人が唯一持つ幸運はこの繋がりであったのだ。
こればかりは何があっても手放すまいと心に決めている。
イデアと目が合い、手を小さく挙げたので向かう。
「この肉の包み焼と食後にアイスクリームを」
「かしこまりました」
ふとイデアを見ると、私の肩を通り過ぎ後ろを見ているようだった。
何か気になる物でもあるのかと思い、視線を向ける。ジーンが女性客と会話を楽しんでいる光景が目に飛び込んだ。夕方のせいもあるが、楽しそうな声がすこし普段よりも大きい気もする。イデアに視線を戻すと、未だに険しい視線を彼へ送っている。
「うちの従業員の、態度ですね?後で注意しておきます」
「いや、すまない問題ない」
イデアは目元を緩め微笑む。良いのだろうか。
「お困りの際は何なりと、仰せ付けくださいませ」
「ああ」
頭を下げ厨房へ引き返す。二度目があったらジーンに注意しようと決めた。
ジーンも会話を切り上げたようで厨房の方へ向かっている。
イデアは閉店ギリギリまでいた。よほど気に入ってくれたのだろう。常連客GETに違いない。


 今日も問題なく仕事が終わり帰宅した。
就寝の時間になり、ベッドの上でぐるぐると考える。明日は何色を着て行こうか。
今までは鳥籠にいた時の紅色の被服とパルマに貰った菫色、もう一着は古着屋で購入した青いものを着まわしていた。実はリボンと一緒に新しい被服を2着買ってしまったのだ。これもパルマの工房で作られたもので、家族割引をしてもらい通常よりも安く手に入れられた。工房長の"2着買うなら更に3割引き"という魔法の言葉に乗せられ思わず購入。私は割引きに弱いのである。珍しく淡い色合いがあったという理由もある。ミントグリーン色と淡い空色。それぞれ銀糸で細かな刺繍が施されており美しい出来であった。パルマが両方とも似合うと瞳を輝かせていたのを思い出し口元が緩む。だんだんと瞼が重くなってくる。そのままゆっくりと微睡みに身を任せた。
 翌日、普段よりも早く目が覚めた。そわそわと落ち着かず、顔を洗いに行く。
新しい被服を二着並べて見つめる。
「空色にしようかな」
背中の真ん中まで伸びた髪を丁寧に一つに結び、ジャマールの言葉を思い出し上から紫色のリボンを結ぶ。薄く化粧をし、仕上げに口紅をうっすらと引いたところで、ぴたりと固まった。
自分は何故こんなにも気合を入れているのだろうか。
薄暗い部屋に一人、恥ずかしさに悶えた。
どのくらいの時間が経ったであろう、パルマが起きてきた。
「おはようございます」
「おはよう、早いわね。ふふ、今日は逢瀬ですものね」
パルマが慈愛に満ちた眼差しで頷く。つられて頷きそうになって慌てる。
「違います、恩人なので…きちんとしなければと…」
顔に熱が集まる。
パルマは私の両手を取って微笑む。
「自分の気持ちに正直になりなさいな」
微笑みの中に真剣さが垣間見え背筋を正した。
「自分の気持ちを偽ると、後悔ばかりよ。リツは以前よりも真っすぐに前を向いて歩いているわ。自信を持って信じるままに進めばいいの」
真剣さがふっと消え、茶目っ気のある表情に変わる。
「私は自分の信じるままに駆け落ちして、アラムという宝を授かったわ」
「リツという新しい娘にも出会えた」
いつか消えるかもしれない私がこの世界で進んでも良いのだろうか。
パルマの瞳を見つめる。
「いいの…?」
じわりと視界が歪む。涙で視界が覆われて前が見えない。
パルマに優しく抱きしめられ、体が軽くなったように感じる。
「真っすぐに、どこまでも走り抜けるのよ」
「はい」
気付かぬ内に臆病な私は自分と世界の間に線を引き、足を止めていた。
来た時と同じように、急に消えてしまうかもしれない。
アラムも日本から戻った際に、義父に別れを言えなかったと聞いている。
いいのだろうか、人を好きになっても。好きな気持ちだけなら持っていても良いのだろうか。
いつか居なくなるとしても、自分の気持ちに嘘を付かずに進もうと気持ちが固まってくる。
母親というものは強く優しいものである。実の母よりも若いはずなのにパルマはとても大きく感じた。
この世界での母と思っても良いのですか、そう聞くとパルマはもちろんと満面の笑みを浮かべる。
アラムが起きてくるまで二人で抱きしめ合ったままでいた。
パルマに勧められ腫れた目を冷やし化粧を直す。
鏡を見て頷く。大丈夫だ、進もう。


 賑やかな広場、大勢の男女が待ち合わせをしている。目の前にある宮殿が太陽の光を浴び白く輝き眩しく感じた。玉ねぎ型のドームの上から一斉に鳥が飛び立つ様子が見える。青空を背景に白い鳥たちが舞う姿は実に美しい。
サージェとの待ち合わせ時間は正午。太陽の位置が分かりやすい為、約束の定番の時間である。心臓がいつもよりも早く脈打っているようだ。紅茶の袋をぎゅっと抱きしめ、彼の姿を探す。
ルフの彫刻の影に彼は立っていた。踝丈の長いワンピースのような紫紺色の被服を纏っており、その上に同じ丈の杜若色の、袖口の広い上着を着ていた。どちらにも繊細な金糸の刺繍が施されてあり、厚みのあるしっかりとした生地は高級な物であろう。腰に巻かれた藤色の布には剣が差してある。
彫刻に寄りかかる姿は女性たちの視線を多く集めている。誰も声を掛けないでいるのは、彼が本を読んでいる為であろう。
一歩ずつ彼の元へ進む。あの女性たちの視線の中に入るのが怖い。
ふとサージェが本を閉じ顔を上げた。その視線は真っすぐに自分の方へ向いている。
口角がゆっくりと上がり優しげに瞳が細められる。
彫刻の影から出た彼は私の方へと歩み寄ってきた。女性の視線が突き刺さる。
明らかに身分の高そうな男と、方や平凡な女。周りの人間の囁き声が聞こえ、内容までは分からないがあまり気分の良いものではない。
サージェはそんな声も気にならない様子で私の前に立った。
待たせてしまった。
「お待たせしてしまって、すみません」
「いや、私も今来たところだ」
広場からゆっくりと歩き出す。
「すまない、もう少しくだけた格好にすれば良かった」
目立ってしまったな、と申し訳なさそうに眉を下げる。
良く街中で見かける膨らんだパンツは、貴族はあまり好んで着ないそうだ。
普段は人に紛れる為に履いていたが、今日はうっかり忘れたらしい。
道行く人がチラチラと私たちを見ているのが分かる。以前一緒に歩いたときよりも視線は多い。
サージェと上手く視線を合わせられず視線を落とす。いつ茶葉を渡そう、そわそわと落ち着かない。
気が付くと、以前一緒に行ったカフワの前に着いていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係

ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる

マチバリ
恋愛
 貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。  数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。 書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで

ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。 だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。 「私は観る側。恋はヒロインのもの」 そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。 筋肉とビンタと回復の日々。 それなのに―― 「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」 野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。 彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。 幼馴染ヴィルの揺れる視線。 家族の温かな歓迎。 辺境伯領と学園という“日常の戦場”。 「……好き」 「これは恋だ。もう、モブではいたくない」 守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、 現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。 これは―― モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。 ※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。 ※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。 ※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

処理中です...