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私は出会う。
しおりを挟む皆様おはよう、こんにちは、こんばんは、光です。
本当に死んだかと思いました。というか死んでしまったからこんな変なところに来てしまったのでは?
まぁ、縁起でもない話は置いておいて。あのあとなにがあったのか簡単に説明すると…
ウサギに気を取られすぎて前を見ていなかった私は見事に落ちました。そう落ちたんです、谷底に。死んだかと思ったらそこは川でそのまま流されて川岸に流れ着いて今に至ります。よく生きていたな私、えらいぞ。ああ、それからこの前のことは秘密で頼む。焦りすぎて猫が家出していたみたいなんだ。私は決して口が悪いわけではないんだ。私は優等生だからな。
「さて、これからどうしたものか。またここがどこだというところから把握していかなければ。」
さっきみたいに何か目印になるものがあるわけでもない。今回は完全に森の中。しかも、先のウサギを見る限り私の普通はここでは通用しないだろう。サバイバルはしたことないがどうにか生き延びてやる。とりあえずは火を起こそう。念願の水浴びもできたことだしな。このままだと低体温症になって死んでしまう。
薪はすぐに集まりそうだが、問題は“火”だな。ライターなんて便利なものがあるわけでもなさそうだし、どうしたものか。
「ひっひっひ~、火よ起これ~。ひよひよひよこ~。火よ起これ~」
サバイバル初心者に火起こしはきつい。何かコツとかないのか。こんな経験をするとライターやマッチの恩恵をどれだけ受けていたのか痛感するな。いや、これだけに限らずそれ以外のものの恩恵も凄すぎて私たち人間は本能というものを失っているのでは?さながら動物園で飼い慣らされた動物のように。といっても今でも狩猟とかをしている国々はあるだろうが。便利になりすぎるのも考えものだな。いざというときに使い物にならない。帰ったらサバイバル訓練について調べてみよう。それにしても火も起こらなければ私が死ぬ。どうして火が起こらないんだ?湿ってる木は避けて日当たりのいいところから取ってきたし濡れているものなんて一切ないはずなんだが…
………私か。
私が濡れて湿気を放っているのか。私のせいなのか。こんな変なところに来てからいいことが一切ないな。運は悪い方ではないんだが、さてどうしたものか。とりあえず火を起こさないことにはどうにもできないな。現代人の底力見せてやろうじゃないか。
「ひっひっひ~、火よ起これ~。ひよひよひよこ~。火よ起これ~」
ボッ!
「おお?」
なぜかわからんが火がでた。魔法か?魔法なのか?いやいや、生まれてこの方文明の恩恵をうけていた人間である私が魔法なんぞ使えるわけもないだろう。まあ、使えると少し嬉しいかもしれない。空を飛んでみるのが夢なんだ。小さい時に空を飛びたすぎてジャングルジムから飛んだことがある。大怪我したけど楽しかった。
さて、最も欲しかった火がついたからとりあえず服が乾くまで待つとするか。ここがどこだか把握もしたいがなんせ森の中、下手に動くと命取りになりかねない。一晩くらいここで過ごしてから次に進むとしよう。というか、一晩と言ったがこんなところで寝ることも危ないのではないだろうか。道の森に加えて何もわからない状態。進むのも危険だが止まるのも危険か?SOSでも送ったら誰か来てくれたりしないのか?どうするのが1番いいのか?
ぐううぅぅ~
「お腹減った。」
ここに来てから何も食べていない。水はまあ綺麗かはわからない川の水を少し飲んだが、食糧のことはどうするべきか。さっきみたいな口裂けウサギが出てきても困るのだ。木の実とか食べられるものがあれば1番いいんだが流石に都合よくは見つからないだろうな。キノコは毒の有無がわからんから真っ先に却下。死因;毒キノコは嫌だ。
「はあ、早くうちに帰りたい。」
こんなところもう嫌だ。最初の草原のところに行けばどうにかなるのか?それとも何か条件を達成しなければ抜け出せない迷宮みたいなものなのか。どうして私がこんな目に合わなければいけないの。どうしたらいいんだ。この状況を打破するには一体どうすれば…
ガサッガサガサッ
「ッ!!」
何かいる。さっきの口裂けウサギがここまで追ってきたのか?いや、そん音を立てて気づかれるようなことあのウサギがするか?狩りは静かに行うことが基本じゃないのか。とすると音を立てても気にしない別のナニカだ。こっちに気づく前にここから逃げないと…
ガサガサッ
思っていたより近い!どうすればっ
「アレ?女の子?」
拝啓 文明の利器である皆様へ
普段からどれだけ助けられているのかこんな状況になって思い知りました。もし、そちらに帰ることができたなら私から心ばかりの恩返しをさせていただきます。なので無事この状況を無事乗り切れるように祈っていてください。
敬具
追伸
普段使わない筋肉を使ったおかげで筋肉痛です。
助けて…
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