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本編こぼれ話 2(3巻書籍化御礼の小話)
【3巻御礼】現パロ4-7: 華代は激怒していた編
※語り手が華代(通常運転)です。
※少し前の時間から始まります。
許さない許さない許さない許さない……!
そう叫んで、華代は術で呼び出した小鬼たちに霊力を当て、倒していった。
小鬼たちは苦し気な声を上げ、倒れる。
それは華代が気晴らしによくする作業で、いつもなら小鬼たちの苦しむ様子を見ていると、すこしは気が晴れるのに、今日の怒りはそんなことでは解消できそうになかった。
華代は激怒していた。
必ず、あの愚鈍極まりないくせに調子に乗っている生意気な姉を誅しなくてはいけないと叫んだ。
華代には、愛とか情とかはなかった。
とりわけ、姉の初音には。
初音のことは、ストレス解消くらいにしか役に立たない愚物としか思っていなかった。
ほんとうに、どうでもいい存在だったのだ。
これまでは。
けれど一週間前、初音は急にかくりよのあやかしの次期統領という、ぶっちぎりのハイスペと婚約という、ありえないことをやらかした。
その次期統領の男は、華代も前からチェック済みで、外見もスペックもありよりのありだと思っていたのだ。
あやかしという点は気になるし、将来かくりよとかいう謎の異世界に移住しなくてはいけないのはマイナスだけど、自分の結婚相手にしてあげてもいいかな、と思っていたのだ。
(それなのに、あの馬鹿姉が……っ)
これまで華代が高雄をおとしていなかったのは、出会いのチャンスがなかったからだ。
せっかく同じ学校に通っているというのに、かくりよのあやかしたちは霊力が強すぎるからと、特別教室から出てこない。
うつしよのパーティなどにも、国の重大行事に顔を出すくらいしか出てこないので、華代が侯爵令嬢という身分をふりかざしても、なかなか接点が持てない、出会いの難易度が高い相手だったからだ。
(わたくしと出会いさえすれば。どんな男だって、わたくしの言いなりになるのに……!)
実際、これまで華代が出会ってきた男たちは、華代を見るとちやほやするか、高嶺の花だと遠巻きにするかという男がほとんどだった。
中には華代のことを、わがままだとかくだらない悪口を言う男もいるみたいなのは、知っている。
でも、あれだって華代の気を引きたいだけだということは、華代にはわかっていた。
だいいち、華代ほど若くてかわいくて霊力もあって身分も高い女の子が、わがままでなにが悪いのだ。
全人類、華代のために奉仕することを喜びとして生きていればいいのだ。
それが、世界の理というものだ。
(なのに、あの高雄とかいう男は……! このわたくしが、お姉様のかわりに結婚してやってもいいと言っているのに断るなんて……! しかも、すぐに自分の愚かさに気づいて撤回するかと思ったら、何度誘ってやっても断ってくるし……!)
父に、初音のかわりに自分が高雄と結婚したい、というと、父も大喜びで賛成してくれた。
あの姉なんかより華代のほうがすべてにおいて優れているのだから、あの男も大喜びで初音を捨て、華代と結婚するだろうと思っていたのだ。
それなのに、高雄は断ってきた。
華代ではなく、初音のほうがいいのだと言って。
(ありえないありえないありえない……!)
さすがあやかし。
化け物のセンスは、人間とは違いすぎる。
初音と華代を比べて、初音を選ぶなんて。
華代は親切で寛容な性格なので、高雄の誤りを許してやることにし、何度も考え直すチャンスを与えてやった。
それなのに、高雄は考えを翻さず、だんだん高圧的になり、次に初音をけなしたら西園寺の家を潰す、と脅してきたのだ。
(ばっかじゃないの……!)
ただ、これまでは華代のかしこさを褒めるばかりだった父が、それを聞いて、高雄と華代の結婚をあきらめた。
あの男はどうにも趣味が悪いようだ、華代にはもっといい男がいるだろうと言って。
華代だって、一時はそれもそうかと思ったのだ。
別に、男は他にもいる。
しょせん化け物は化け物。
ちょっと顔がよくて霊力が強くてかくりよの次期統領だからってなんなのだ、わたくしが結婚してやってもいいと言っているのに断るなんて馬鹿すぎるし、馬鹿と付き合って馬鹿がうつったら困るから、結婚なんてしなくてよかったとも思った。
そう思ったのだけれど。
華代は、SNSは頻繁に更新している。
特にメインに使っているのは、写真中心のアプリだ。
華代は名門うつしよ学院に在学していることも隠していないから、うつしよ学院の情報はよく表示される。
そんな中に、今は寮に入っている姉の姿がちらりと写っていたのだ。
写真の中の初音は幸せそうで、ほんの少し綺麗になっていた。
もともとの造作は、初音と華代は似ているのだ、と華代は改めて認識し、嫌な気持ちになった。
けれどそんなことはどうでもいい。
許せなかったのは、初音が身につけているバッグだ。
どこかに出かけた帰りだろうか、写真の投稿主の後ろに、初音と緑の髪のあやかしの女が写りこんでいた。
その初音が無造作に持っていたバッグが。
(これ……っ! このバッグって、まさか、あの……? まさか。お姉さまが持っているはずないわ。でも、こんな雪解けのヒマラヤ山脈みたいな色のクロコダイルでこの型……、あのバッグとしか思えない。わたくしの憧れのバッグ……! おまけに、ブランドロゴの横のこのマークは、オーダーメイドのもの。あのブランドでオーダーメイドをお願いするのは、簡単なことじゃないはずなのに……!)
華代もお気に入りのそのブランドのバッグは、そもそもバッグを買えるようになるまで、一般人なら何度も店に通って別の製品をいくつも買い、ようやく手に入れられる、そういうものだった。
華代は侯爵令嬢なので、もちろん既製品のバッグくらいは、簡単に手に入る。
けれどもオーダーメイドとなると難しく、まだ二回しかお願いできていない。
それなのに、その中でも最上級に手に入れるのが難しいといわれるカラーのクロコダイルを、初音が持っている。
あの、みすぼらしく、ものの価値もわからない、あのバッグに釣り合うはずもない初音が……!
こんなおかしなことが、あっていいはずがない。
あれを手に入れるのは、華代のような価値のある女の子じゃなくちゃだめだ。
おまけに、初音の耳や胸元、指にはパヴェダイヤで繊細な蝶をかたどったジュエリーが輝いているし、服は、どこのものかまではわからなかったが、ハイブランドのオーダーメイドだろうことがひとめでわかる上品なワンピースだった。
丁寧にセットされた髪やメイクのせいもあって、あの初音が品のいいそれなりに見られる姿になっている。
(これを、わたくしが身に着ければ……! 誰もが感嘆せずにはいられない、完璧な感じになるのに……!)
こんなものを見てしまっては、華代はこのまま初音を放っておくわけにはいかなかった。
だから。
実行力にも定評がある、できる女な一面もあわせもつ華代は、すばやく配下の者を呼び、初音をぼこぼこに殴りつけて、婚約者である高雄を華代に譲らせることにしたのだ。
それはまちがった現状を正す、必要な仕事だった。
だから華代はその日の朝、初音が人目のない階段に来た時に用具入れに閉じ込め、華代に婚約者を譲ると誓わせる予定だったのに。
なにもかもが、狂ってしまった。
あの、高雄とかいう、化け物のせいで。
※少し前の時間から始まります。
許さない許さない許さない許さない……!
そう叫んで、華代は術で呼び出した小鬼たちに霊力を当て、倒していった。
小鬼たちは苦し気な声を上げ、倒れる。
それは華代が気晴らしによくする作業で、いつもなら小鬼たちの苦しむ様子を見ていると、すこしは気が晴れるのに、今日の怒りはそんなことでは解消できそうになかった。
華代は激怒していた。
必ず、あの愚鈍極まりないくせに調子に乗っている生意気な姉を誅しなくてはいけないと叫んだ。
華代には、愛とか情とかはなかった。
とりわけ、姉の初音には。
初音のことは、ストレス解消くらいにしか役に立たない愚物としか思っていなかった。
ほんとうに、どうでもいい存在だったのだ。
これまでは。
けれど一週間前、初音は急にかくりよのあやかしの次期統領という、ぶっちぎりのハイスペと婚約という、ありえないことをやらかした。
その次期統領の男は、華代も前からチェック済みで、外見もスペックもありよりのありだと思っていたのだ。
あやかしという点は気になるし、将来かくりよとかいう謎の異世界に移住しなくてはいけないのはマイナスだけど、自分の結婚相手にしてあげてもいいかな、と思っていたのだ。
(それなのに、あの馬鹿姉が……っ)
これまで華代が高雄をおとしていなかったのは、出会いのチャンスがなかったからだ。
せっかく同じ学校に通っているというのに、かくりよのあやかしたちは霊力が強すぎるからと、特別教室から出てこない。
うつしよのパーティなどにも、国の重大行事に顔を出すくらいしか出てこないので、華代が侯爵令嬢という身分をふりかざしても、なかなか接点が持てない、出会いの難易度が高い相手だったからだ。
(わたくしと出会いさえすれば。どんな男だって、わたくしの言いなりになるのに……!)
実際、これまで華代が出会ってきた男たちは、華代を見るとちやほやするか、高嶺の花だと遠巻きにするかという男がほとんどだった。
中には華代のことを、わがままだとかくだらない悪口を言う男もいるみたいなのは、知っている。
でも、あれだって華代の気を引きたいだけだということは、華代にはわかっていた。
だいいち、華代ほど若くてかわいくて霊力もあって身分も高い女の子が、わがままでなにが悪いのだ。
全人類、華代のために奉仕することを喜びとして生きていればいいのだ。
それが、世界の理というものだ。
(なのに、あの高雄とかいう男は……! このわたくしが、お姉様のかわりに結婚してやってもいいと言っているのに断るなんて……! しかも、すぐに自分の愚かさに気づいて撤回するかと思ったら、何度誘ってやっても断ってくるし……!)
父に、初音のかわりに自分が高雄と結婚したい、というと、父も大喜びで賛成してくれた。
あの姉なんかより華代のほうがすべてにおいて優れているのだから、あの男も大喜びで初音を捨て、華代と結婚するだろうと思っていたのだ。
それなのに、高雄は断ってきた。
華代ではなく、初音のほうがいいのだと言って。
(ありえないありえないありえない……!)
さすがあやかし。
化け物のセンスは、人間とは違いすぎる。
初音と華代を比べて、初音を選ぶなんて。
華代は親切で寛容な性格なので、高雄の誤りを許してやることにし、何度も考え直すチャンスを与えてやった。
それなのに、高雄は考えを翻さず、だんだん高圧的になり、次に初音をけなしたら西園寺の家を潰す、と脅してきたのだ。
(ばっかじゃないの……!)
ただ、これまでは華代のかしこさを褒めるばかりだった父が、それを聞いて、高雄と華代の結婚をあきらめた。
あの男はどうにも趣味が悪いようだ、華代にはもっといい男がいるだろうと言って。
華代だって、一時はそれもそうかと思ったのだ。
別に、男は他にもいる。
しょせん化け物は化け物。
ちょっと顔がよくて霊力が強くてかくりよの次期統領だからってなんなのだ、わたくしが結婚してやってもいいと言っているのに断るなんて馬鹿すぎるし、馬鹿と付き合って馬鹿がうつったら困るから、結婚なんてしなくてよかったとも思った。
そう思ったのだけれど。
華代は、SNSは頻繁に更新している。
特にメインに使っているのは、写真中心のアプリだ。
華代は名門うつしよ学院に在学していることも隠していないから、うつしよ学院の情報はよく表示される。
そんな中に、今は寮に入っている姉の姿がちらりと写っていたのだ。
写真の中の初音は幸せそうで、ほんの少し綺麗になっていた。
もともとの造作は、初音と華代は似ているのだ、と華代は改めて認識し、嫌な気持ちになった。
けれどそんなことはどうでもいい。
許せなかったのは、初音が身につけているバッグだ。
どこかに出かけた帰りだろうか、写真の投稿主の後ろに、初音と緑の髪のあやかしの女が写りこんでいた。
その初音が無造作に持っていたバッグが。
(これ……っ! このバッグって、まさか、あの……? まさか。お姉さまが持っているはずないわ。でも、こんな雪解けのヒマラヤ山脈みたいな色のクロコダイルでこの型……、あのバッグとしか思えない。わたくしの憧れのバッグ……! おまけに、ブランドロゴの横のこのマークは、オーダーメイドのもの。あのブランドでオーダーメイドをお願いするのは、簡単なことじゃないはずなのに……!)
華代もお気に入りのそのブランドのバッグは、そもそもバッグを買えるようになるまで、一般人なら何度も店に通って別の製品をいくつも買い、ようやく手に入れられる、そういうものだった。
華代は侯爵令嬢なので、もちろん既製品のバッグくらいは、簡単に手に入る。
けれどもオーダーメイドとなると難しく、まだ二回しかお願いできていない。
それなのに、その中でも最上級に手に入れるのが難しいといわれるカラーのクロコダイルを、初音が持っている。
あの、みすぼらしく、ものの価値もわからない、あのバッグに釣り合うはずもない初音が……!
こんなおかしなことが、あっていいはずがない。
あれを手に入れるのは、華代のような価値のある女の子じゃなくちゃだめだ。
おまけに、初音の耳や胸元、指にはパヴェダイヤで繊細な蝶をかたどったジュエリーが輝いているし、服は、どこのものかまではわからなかったが、ハイブランドのオーダーメイドだろうことがひとめでわかる上品なワンピースだった。
丁寧にセットされた髪やメイクのせいもあって、あの初音が品のいいそれなりに見られる姿になっている。
(これを、わたくしが身に着ければ……! 誰もが感嘆せずにはいられない、完璧な感じになるのに……!)
こんなものを見てしまっては、華代はこのまま初音を放っておくわけにはいかなかった。
だから。
実行力にも定評がある、できる女な一面もあわせもつ華代は、すばやく配下の者を呼び、初音をぼこぼこに殴りつけて、婚約者である高雄を華代に譲らせることにしたのだ。
それはまちがった現状を正す、必要な仕事だった。
だから華代はその日の朝、初音が人目のない階段に来た時に用具入れに閉じ込め、華代に婚約者を譲ると誓わせる予定だったのに。
なにもかもが、狂ってしまった。
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完結確約 9話完結です。
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