5 / 29
「15歳」-2 リィリィの日記
しおりを挟む
【蛍月6日】
王宮のパーティで、去年のドレスを何回も着ているって笑われた。
貴族としては、ダメだってのはわかるし、仕方ないなぁって思う。
ドレスつくったりして需要を生み出すのも、貴族の仕事だし。
けど、我が家は父の代で男爵という爵位をいただいた成金貴族だ。
今でも商会を経営している平民よりの貴族。
いくら貴族の仕事がドレスや宝石、ぜいたく品を購入することで、平民の仕事を産むのだと言われても、バララーク川が氾濫して家や明日食べるものも失って絶望した人々を助けるために提供した物資のほうが、正しいお金の使い方だって思ってしまう。
ぜいたくは好きだけど、食べるものや寝るところは誰にとっても絶対必要なんだよ。
だから恥じる気はない。
でも、わたしを笑う彼女たちだって、たぶん正しいんだと思う。
寮に戻って、少しだけロゼッタ様とお話できた。
でも、ロゼッタ様にはわたしの気持ちはわからないらしい。
ロゼッタ様の派閥の女の子がわたしを笑ったことは謝罪されたけど、「平民なんて助けなくても」とおっしゃっていたのは、正直ちょっとキツかった。
うすうす気づいていたけど、ロゼッタ様はわたしと同じ転生者だけど、ロゼッタ様の前世は、私と同じ時代の日本とか……いわゆる先進国っていわれる国の人じゃないっぽい。
価値観が、違う。
むしろ今のこの国よりずっと昔の世界に生きていた人のような、封建制の時代の人みたいな気がする。
ロゼッタ様が大切な友達ということに変わりはないけど、ちょっと距離は感じてしまった。
【月待月21日】
今日も王宮のパーティで、ドレスを笑われた。
最近これルーティンになってるなぁ。
気にしないつもりだけど、ちょっとへこむんだよなぁって思いつつ、受け流していたら、クレイン王子が止めに入ってくださった。
「ガストン商会には、王も感謝していらっしゃる。言いたいことがあるのなら、私が聞こう」だって。
王子が止めに入ってくれたおかげで、ごちゃごちゃ言ってた女子たちは即解散してくれた。
その後も王子は、ガストン商会のおかげで国民が助かった、嬉しいっておっしゃってくださった。
新聞の取材に「ガストン商会が動けたのは、王が許可を出してくださったおかげです」って、王の意向をアピールしたのも「ありがたい」っておっしゃってくださった。
救援物資を街へ届けた時、うちの徽章をつけた従業員や紋章入りの馬車を使ったんだよね。
救援物資がすべてガストン商会から出ているって新聞で取り上げられたのは宣伝になってよかったと思う。
でも、貴族社会では問題視されていたから、王の許可を全面に押し出したのはこちらの利でもあるんだけどね。
でも最近、学校でもパーティでも周りの人たちから冷たく当たられていたから、王子の言葉はめちゃくちゃ嬉しかった。
あとなんか、王子って言葉が通じるっていうか……。
平民のことも大切に思ってくださっているとことか、好きだなぁって……。
だめだ、わたし、疲れているのかも。
ゲームではバララーク川の氾濫なんて描かれていなかったし、今日のわたしの行動も、王子の行動も、ぜんぶゲーム外の出来事だ。
だから王子を避けられなかったけど、今度からは近づかないように気を付ける。
王子は、ロゼッタ様のものなんだから。
恋なんて、しない。
【葡萄月3日】
ひさしぶりにロゼッタ様とお話した。
週末、内々で王宮にお招きされているらしい。
クレイン王子との婚約話が進んでいるっぽい。
いいなぁって思ってしまった。
そういう感情をロゼッタ様に気づかれたくなくて、「おめでとうございます!」って全力でお祝いしちゃった。
ロゼッタ様はあまり嬉しそうじゃなかったけど……。
でもクレイン王子は、素敵な人だから。
きっとロゼッタ様も、すぐに好きになると思う。
わたしにとって、二人とも大切な人だから。
二人がご結婚されて、幸せになってほしいって、まだ心から願えている。
パーティでかばってくださったときから、王子は時々声をかけてくれる。
どれだけ王子を避けるつもりでも、ゲームのイベント以外の王子の行動は予測できないし、王子から声をかけてくれているのに無視するなんて、立場的にできない。
だからつい、時々話し込んでしまうけど……。
もう王子とは、二人ではお話しないようにしよう。
ご婚約されたのですからって言えば、角がたたないはずだ。
王宮のパーティで、去年のドレスを何回も着ているって笑われた。
貴族としては、ダメだってのはわかるし、仕方ないなぁって思う。
ドレスつくったりして需要を生み出すのも、貴族の仕事だし。
けど、我が家は父の代で男爵という爵位をいただいた成金貴族だ。
今でも商会を経営している平民よりの貴族。
いくら貴族の仕事がドレスや宝石、ぜいたく品を購入することで、平民の仕事を産むのだと言われても、バララーク川が氾濫して家や明日食べるものも失って絶望した人々を助けるために提供した物資のほうが、正しいお金の使い方だって思ってしまう。
ぜいたくは好きだけど、食べるものや寝るところは誰にとっても絶対必要なんだよ。
だから恥じる気はない。
でも、わたしを笑う彼女たちだって、たぶん正しいんだと思う。
寮に戻って、少しだけロゼッタ様とお話できた。
でも、ロゼッタ様にはわたしの気持ちはわからないらしい。
ロゼッタ様の派閥の女の子がわたしを笑ったことは謝罪されたけど、「平民なんて助けなくても」とおっしゃっていたのは、正直ちょっとキツかった。
うすうす気づいていたけど、ロゼッタ様はわたしと同じ転生者だけど、ロゼッタ様の前世は、私と同じ時代の日本とか……いわゆる先進国っていわれる国の人じゃないっぽい。
価値観が、違う。
むしろ今のこの国よりずっと昔の世界に生きていた人のような、封建制の時代の人みたいな気がする。
ロゼッタ様が大切な友達ということに変わりはないけど、ちょっと距離は感じてしまった。
【月待月21日】
今日も王宮のパーティで、ドレスを笑われた。
最近これルーティンになってるなぁ。
気にしないつもりだけど、ちょっとへこむんだよなぁって思いつつ、受け流していたら、クレイン王子が止めに入ってくださった。
「ガストン商会には、王も感謝していらっしゃる。言いたいことがあるのなら、私が聞こう」だって。
王子が止めに入ってくれたおかげで、ごちゃごちゃ言ってた女子たちは即解散してくれた。
その後も王子は、ガストン商会のおかげで国民が助かった、嬉しいっておっしゃってくださった。
新聞の取材に「ガストン商会が動けたのは、王が許可を出してくださったおかげです」って、王の意向をアピールしたのも「ありがたい」っておっしゃってくださった。
救援物資を街へ届けた時、うちの徽章をつけた従業員や紋章入りの馬車を使ったんだよね。
救援物資がすべてガストン商会から出ているって新聞で取り上げられたのは宣伝になってよかったと思う。
でも、貴族社会では問題視されていたから、王の許可を全面に押し出したのはこちらの利でもあるんだけどね。
でも最近、学校でもパーティでも周りの人たちから冷たく当たられていたから、王子の言葉はめちゃくちゃ嬉しかった。
あとなんか、王子って言葉が通じるっていうか……。
平民のことも大切に思ってくださっているとことか、好きだなぁって……。
だめだ、わたし、疲れているのかも。
ゲームではバララーク川の氾濫なんて描かれていなかったし、今日のわたしの行動も、王子の行動も、ぜんぶゲーム外の出来事だ。
だから王子を避けられなかったけど、今度からは近づかないように気を付ける。
王子は、ロゼッタ様のものなんだから。
恋なんて、しない。
【葡萄月3日】
ひさしぶりにロゼッタ様とお話した。
週末、内々で王宮にお招きされているらしい。
クレイン王子との婚約話が進んでいるっぽい。
いいなぁって思ってしまった。
そういう感情をロゼッタ様に気づかれたくなくて、「おめでとうございます!」って全力でお祝いしちゃった。
ロゼッタ様はあまり嬉しそうじゃなかったけど……。
でもクレイン王子は、素敵な人だから。
きっとロゼッタ様も、すぐに好きになると思う。
わたしにとって、二人とも大切な人だから。
二人がご結婚されて、幸せになってほしいって、まだ心から願えている。
パーティでかばってくださったときから、王子は時々声をかけてくれる。
どれだけ王子を避けるつもりでも、ゲームのイベント以外の王子の行動は予測できないし、王子から声をかけてくれているのに無視するなんて、立場的にできない。
だからつい、時々話し込んでしまうけど……。
もう王子とは、二人ではお話しないようにしよう。
ご婚約されたのですからって言えば、角がたたないはずだ。
1
あなたにおすすめの小説
どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)
水神瑠架
ファンタジー
――悪役令嬢だったようですが私は今、自由に楽しく生きています! ――
乙女ゲームに酷似した世界に転生? けど私、このゲームの本筋よりも寄り道のミニゲームにはまっていたんですけど? 基本的に攻略者達の顔もうろ覚えなんですけど?! けど転生してしまったら仕方無いですよね。攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。という事で私、顔もうろ覚えのキャラの救済よりも好きな事をして生きて行きます! ……極めろ【錬金術師】! 目指せ【錬金術マスター】!
★★
乙女ゲームの本筋の恋愛じゃない所にはまっていた女性の前世が蘇った公爵令嬢が自分がゲームの中での悪役令嬢だという事も知らず大好きな【錬金術】を極めるため邁進します。流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。そんな主人公が生きる世界をとくと御覧あれ!
★★
この話の中での【錬金術】は学問というよりも何かを「創作」する事の出来る手段の意味合いが大きいです。ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。この世界での独自の力が【錬金術】となります。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
何やってんのヒロイン
ネコフク
恋愛
前世の記憶を持っている侯爵令嬢のマユリカは第二王子であるサリエルの婚約者。
自分が知ってる乙女ゲームの世界に転生しているときづいたのは幼少期。悪役令嬢だなーでもまあいっか、とのんきに過ごしつつヒロインを監視。
始めは何事もなかったのに学園に入る半年前から怪しくなってきて・・・
それに婚約者の王子がおかんにジョブチェンジ。めっちゃ甲斐甲斐しくお世話されてるんですけど。どうしてこうなった。
そんな中とうとうヒロインが入学する年に。
・・・え、ヒロイン何してくれてんの?
※本編・番外編完結。小話待ち。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
薔薇の令嬢はやっぱり婚約破棄したい!
蔵崎とら
恋愛
本編完結済み、現在番外編更新中です。
家庭環境の都合で根暗のコミュ障に育ちましたし私に悪役令嬢は無理無理の無理です勘弁してください婚約破棄ならご自由にどうぞ私ちゃんと手に職あるんで大丈夫ですから……!
ふとした瞬間に前世を思い出し、己が悪役令嬢に転生していることに気が付いたクレアだったが、時すでに遅し。
己の性格上悪役令嬢のような立ち回りは不可能なので、悪足掻きはせず捨てられる未来を受け入れることにした。
なぜなら今度こそ好きなことをして穏やかに生きていきたいから。
三度の飯より薔薇の品種改良が大好きな令嬢は、無事穏便な婚約破棄が出来るのか――?
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる