秘密の生徒会室 君とふたりきり

むらさ樹

文字の大きさ
26 / 52

しおりを挟む
「告白しようにも、恋愛を禁止されてるんじゃあそれも出来ない。
だから生徒会長になって、その禁止令を解除しようと思ったんだ」

まっすぐに向けられた桐生珪の眼差し。
目と目が合ったまま、離せない。

「だけど、恋愛禁止令を解除するという事は、オレだけじゃない他の生徒も自由になるという事だ。
そうなると、オレや榊に声をかけてくる奴だって出てくる。
…それって結構面倒くさいよな」

実際、禁止令解除を待ちわびて告白をした女子がいた。
それが面倒で、禁止令をそのままにしたってのはわかった。


「そしたら都合よく、榊も執行部に入ったじゃん?
この誰も入って来れない生徒会室なら、そんな校則あってないようなものだ」

「でも、生徒会はアンタとわたしだけじゃ…」

「カギを持ってるのは、オレと榊だけだよ」

「あ…」

桐生珪の考えてる事が、ようやくわかった。
わたしとここで、秘密の恋愛をしようって事だったんだ…!

わたしの事が、好き…?
異性に告白された事自体は初めてじゃない。だけど全く魅力も感じる事が出来ず、だいたいすぐに断りを入れて、はいおしまい。
だけど、今回は…不思議な気持ちだった。

嫌いなのに、ムカつく奴なのに、すぐに断る言葉が出て来ない。


「榊はどう思ってる?
オレの事」

「…き、嫌いに…決まってるじゃないっ」


今までライバル視してた奴なのに、急にそんな目で見れるわけないじゃないの!


好き…
桐生珪がわたしを好き…
そもそも、そんなの信じられるわけないでしょ!!


「…素直じゃないなぁ。
ここじゃあ本音を言っていいんだって」

「本音を言ってるじゃない!」

胸がドキドキして騒がしい。顔も何だか熱を帯びてきた気がする。
わたし、どうしちゃったのっ

身体もソワソワして落ち着かないの。なんでこんなに動揺しちゃうのよっ
なんでこんなにドキドキしちゃうの!?

目を伏せて桐生珪から視線を反らした。
わたしは恋愛を禁止されてるから断ったわけじゃない。本当に嫌なら、誰かに言いふらして桐生珪を校則違反にする事だって出来る。

でも、そんな事をつもりもない。
その理由も…自分ではわからない。


「いいよ、オレ待つから」

「えっ」

「榊が素直に、オレに本音を言ってくれるまで待つから」

「だから本音って…っ」

「ずっと待ってる」

「………………っ」

変な気持ち。
嫌なんだけど嫌じゃない。
何なんだろう。


「でもさ」

そう言ってイスから立ち上がった桐生珪は、わたしの手も引いて立ち上がらせた。
そして…ギュッとわたしの身体を抱きしめたんだ。

「ちょ…っ」

「せめてこれぐらいは、させてくれよな」

「………………っ」


嫌なのに、嫌じゃない。
密着する身体から桐生珪のぬくもりが伝わり、すごく…心地よかった。


「榊……好きだよ」

(桐生 君…っ)









__家に帰ってからは教師選択システムの具体案を早く文書化しないといけない為、すぐに部屋に閉じこもって始めた。

…教師を選択出来るって事は、人気の教師に生徒が片寄るわけだから…教室に入れる席の数も限りがあるし……

考えながら、あの時あった後の事を頭の中で思い出した。



_『待ってる』

そう言ってわたしを抱きしめた桐生珪。
そのぬくもりが心地よくて、抗う事もせず身を任せていた。

そして抱きしめた腕を解いた桐生珪は、わたしの肩に手を触れ、唇を…

「…………っ」

胸の奥が再びドキドキと高鳴り身体がソワソワとし始めた。

わたしをからかってあんな事をしたんだと思った、最初のキス。
だけど今日は…わたしを好きだなんて言ってのキス。

桐生珪が、わたしを好きだなんて…


でも一体いつから、好きになってくれたんだろ。
わたしは、試験で抜かれた時からようやく桐生珪を知り始めたぐらいなのに…。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

12年目の恋物語

真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。 だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。 すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。 2人が結ばれるまでの物語。 第一部「12年目の恋物語」完結 第二部「13年目のやさしい願い」完結 第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中 ※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。

クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている

夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。 ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。 無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。 クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。

背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)

MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。 しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。 ​母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。  その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。 ​純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。 交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...