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「ごめんな榊、怖い思いさせて。
もうオレがずっと守ってやるから」
そう言って桐生珪はわたしの身体をギュッと抱きしめてくれた。
全身に、桐生珪のぬくもりが感じる。
そして、
『守ってやる』
その言葉に、また胸がドキンと高鳴った。
桐生珪の言動に、いちいち反応するかのように胸がドキドキしたり切なくなったりする。
わたし…もしかして、桐生珪の事を……
「なぁ榊。
さっき更科先輩には、キスとかされてない?」
抱きしめながら訊いてきた桐生珪に、わたしはフルフルと頭を横に振って応えた。
「そっか…よかった。
榊が他の男にキスなんてされたら、オレ絶対狂うかも」
「…なに言ってんのよ…」
でもそっと顔を上げて見た桐生珪の表情は、怖いくらい真剣だった。
「オレさ、やっぱり榊の事、すげー好きみたい。
もうずっと前から気になってたけど、今は好きすぎて仕方ねぇや」
「ずっと前って…?」
桐生珪はわたしが知るよりも前から、わたしを知っていたんだ。
特別話した事もないのに、どこでわたしを見つけたんだろう。
「榊ってさ、毎朝家出た途端にため息つくだろ」
「えっ」
あまりに意外な事を言ってきたので、わたしも素っ頓狂な声が出た。
家を出た時にため息って。あれは息苦しい家から解放された時の、反射的な反応みたいなものだ。
多分中学ぐらいの時からの癖みたいになっている。
でも何でそんな事を知っているのよっ
「学校じゃあ成績優秀、美人でおしとやかで。
でもあの家を出た瞬間の顔だけは、榊の誰にも見せない本当の姿なんじゃないかって思ってたんだ」
本当の姿。
そう、家からの解放と学校での仮面少女の間の、ほんの一瞬の自分の姿なんだ。
「オレの家、実は榊の家のもう少し先にあるんだ。校区が違うから中学は違ったけどな。
同じ高校に入学して、殆ど毎日榊の姿を後ろから見ながら通学してた」
「…知らなかった」
まぁもともとまわりに関心を持たないわたしだもの。後ろを歩く同じ学校の生徒とか気にしたりしないものね。
でも、それで桐生珪はわたしを知ったんだ。
…そしてわたしの本当の姿に一番に気付いた。
「その榊が、ようやくオレに見せた本当の自分。
オレは、そんな榊が好きだよ。
本当の、榊千歳が」
「桐生君…」
ドキドキが止まらない。
そしてわたしの心がグッと掴まれたような感覚。
わたしを理解してくれる桐生珪。
わたしを知ってくれる桐生珪。
そして、わたしを好きになってくれた桐生珪。
わたしも、わたしも桐生珪が………
「ん…」
そっと目を閉じたわたしに、桐生珪は唇を重ねた。
優しくて、あったかい。
そんなキスを、この秘密の空間で───…
もうオレがずっと守ってやるから」
そう言って桐生珪はわたしの身体をギュッと抱きしめてくれた。
全身に、桐生珪のぬくもりが感じる。
そして、
『守ってやる』
その言葉に、また胸がドキンと高鳴った。
桐生珪の言動に、いちいち反応するかのように胸がドキドキしたり切なくなったりする。
わたし…もしかして、桐生珪の事を……
「なぁ榊。
さっき更科先輩には、キスとかされてない?」
抱きしめながら訊いてきた桐生珪に、わたしはフルフルと頭を横に振って応えた。
「そっか…よかった。
榊が他の男にキスなんてされたら、オレ絶対狂うかも」
「…なに言ってんのよ…」
でもそっと顔を上げて見た桐生珪の表情は、怖いくらい真剣だった。
「オレさ、やっぱり榊の事、すげー好きみたい。
もうずっと前から気になってたけど、今は好きすぎて仕方ねぇや」
「ずっと前って…?」
桐生珪はわたしが知るよりも前から、わたしを知っていたんだ。
特別話した事もないのに、どこでわたしを見つけたんだろう。
「榊ってさ、毎朝家出た途端にため息つくだろ」
「えっ」
あまりに意外な事を言ってきたので、わたしも素っ頓狂な声が出た。
家を出た時にため息って。あれは息苦しい家から解放された時の、反射的な反応みたいなものだ。
多分中学ぐらいの時からの癖みたいになっている。
でも何でそんな事を知っているのよっ
「学校じゃあ成績優秀、美人でおしとやかで。
でもあの家を出た瞬間の顔だけは、榊の誰にも見せない本当の姿なんじゃないかって思ってたんだ」
本当の姿。
そう、家からの解放と学校での仮面少女の間の、ほんの一瞬の自分の姿なんだ。
「オレの家、実は榊の家のもう少し先にあるんだ。校区が違うから中学は違ったけどな。
同じ高校に入学して、殆ど毎日榊の姿を後ろから見ながら通学してた」
「…知らなかった」
まぁもともとまわりに関心を持たないわたしだもの。後ろを歩く同じ学校の生徒とか気にしたりしないものね。
でも、それで桐生珪はわたしを知ったんだ。
…そしてわたしの本当の姿に一番に気付いた。
「その榊が、ようやくオレに見せた本当の自分。
オレは、そんな榊が好きだよ。
本当の、榊千歳が」
「桐生君…」
ドキドキが止まらない。
そしてわたしの心がグッと掴まれたような感覚。
わたしを理解してくれる桐生珪。
わたしを知ってくれる桐生珪。
そして、わたしを好きになってくれた桐生珪。
わたしも、わたしも桐生珪が………
「ん…」
そっと目を閉じたわたしに、桐生珪は唇を重ねた。
優しくて、あったかい。
そんなキスを、この秘密の空間で───…
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