48 / 52
君とふたりきり ~kimito hutarikiri ➀
しおりを挟む
全校生徒が体育館に集まり、わたしたち生徒会メンバーも舞台裏に控える。
教員たちも体育館の壁側に立ち、準備は整った。
『ではこれより、生徒会の臨時総会を始めます』
舞台裏に控えるわたしは、マイクで体育館に放送を流した。
その後、桐生君は1人舞台に上がり中央に設置されたマイクを取った。
…臨時総会を開いてまで何を話すの?
わたしの提案は変えるって言ってた。最初はわたしの提案におかしな箇所があるかで、それで全校生徒で話し合うんだと思った。
いや、むしろ教員たちと話し合うべきかと思ったけど。
そうじゃないとしたら…変えるって、違う案を提出するって事?
わたしの言葉で決心したって言ってた。
でも、わたしの案じゃないとするならば、後は………!
「本日、先生に無理言って臨時総会を開いたのは、以前総会を開いた際に発表した新しい校則についての変更点が生じたからです」
舞台に立つ桐生君はマイクを手に話し始めた。
わたしと一緒に舞台裏に控える他のメンバーの伊集院先輩と更科と相良君はこの度の話を知らないようで、桐生君の言葉を静かに聞いている。
でもわたしは…何となく予感した。
「総会の日オレは、恋愛よりも勉強の方が大事だと言った。
高校の勉強は高校のうちにやり、恋愛は卒業した後にすればいいと!」
それはわたしも思った事だった。
ここはバリバリの進学校。とにかく勤勉に励みやすい環境こそが、この学校に求められるべきものだと思っていたんだ。
みんながみんな、どこまで本気なのか知らないけど、わたしには進まなければならない進路があるんだからね!
「だけど、あの総会で教師選択の案を決定した日からこれまで、ちょっと考えていた。
確かに勉強は大事だ、疎かにしてはならない。
しかし、その妨げにもなってしまうものが恋愛であり、且つ、その壁を壊せるものでもあるのがまた恋愛だと思った」
…実際、わたしは桐生君の事が頭にいっぱいで成績を落とした。
そしてそれは、好きになったからじゃない。
この中途半端な環境下が、わたしに迷いや戸惑いを与えたんだ。
「オレは演説の日、一番最初に言った。
恋愛は禁止しても、人を好きになる事は止められるものではない。
気持ちも伝えられないまま、グッと自分を押し殺さなければならないものだと」
あんなに忘れようとした。
こんなに苦しむぐらいなら、いっそ何もかもリセットして元の生活に戻れたらって思ったの。
「何度も言う事を変えて混乱させてしまったのは申し訳ないと思うけど、今度こそ決定した。
今年度の生徒会での新しい校則は、やはり恋愛禁止令の解禁だ。
賛成してくれる生徒は、拍手で応えてほしい!」
…やっぱり、そうだった!
元々桐生君は、わたしと恋愛したくて恋愛禁止の解除を希望していた。
その為に、生徒会に立候補して見事生徒会長になったんだ。
静かな体育館にパチ パチと拍手が鳴り、やがて全校生徒みんなパチパチパチと拍手喝采となった。
元々この桐生君の演説で票を取ったんだ。反対する生徒なんてほとんどいないだろう。
そんなわたしも、自然とパチパチと手を叩いていた。
桐生君はわたしの為に、このマニフェストを通したんだから…!
教員たちも体育館の壁側に立ち、準備は整った。
『ではこれより、生徒会の臨時総会を始めます』
舞台裏に控えるわたしは、マイクで体育館に放送を流した。
その後、桐生君は1人舞台に上がり中央に設置されたマイクを取った。
…臨時総会を開いてまで何を話すの?
わたしの提案は変えるって言ってた。最初はわたしの提案におかしな箇所があるかで、それで全校生徒で話し合うんだと思った。
いや、むしろ教員たちと話し合うべきかと思ったけど。
そうじゃないとしたら…変えるって、違う案を提出するって事?
わたしの言葉で決心したって言ってた。
でも、わたしの案じゃないとするならば、後は………!
「本日、先生に無理言って臨時総会を開いたのは、以前総会を開いた際に発表した新しい校則についての変更点が生じたからです」
舞台に立つ桐生君はマイクを手に話し始めた。
わたしと一緒に舞台裏に控える他のメンバーの伊集院先輩と更科と相良君はこの度の話を知らないようで、桐生君の言葉を静かに聞いている。
でもわたしは…何となく予感した。
「総会の日オレは、恋愛よりも勉強の方が大事だと言った。
高校の勉強は高校のうちにやり、恋愛は卒業した後にすればいいと!」
それはわたしも思った事だった。
ここはバリバリの進学校。とにかく勤勉に励みやすい環境こそが、この学校に求められるべきものだと思っていたんだ。
みんながみんな、どこまで本気なのか知らないけど、わたしには進まなければならない進路があるんだからね!
「だけど、あの総会で教師選択の案を決定した日からこれまで、ちょっと考えていた。
確かに勉強は大事だ、疎かにしてはならない。
しかし、その妨げにもなってしまうものが恋愛であり、且つ、その壁を壊せるものでもあるのがまた恋愛だと思った」
…実際、わたしは桐生君の事が頭にいっぱいで成績を落とした。
そしてそれは、好きになったからじゃない。
この中途半端な環境下が、わたしに迷いや戸惑いを与えたんだ。
「オレは演説の日、一番最初に言った。
恋愛は禁止しても、人を好きになる事は止められるものではない。
気持ちも伝えられないまま、グッと自分を押し殺さなければならないものだと」
あんなに忘れようとした。
こんなに苦しむぐらいなら、いっそ何もかもリセットして元の生活に戻れたらって思ったの。
「何度も言う事を変えて混乱させてしまったのは申し訳ないと思うけど、今度こそ決定した。
今年度の生徒会での新しい校則は、やはり恋愛禁止令の解禁だ。
賛成してくれる生徒は、拍手で応えてほしい!」
…やっぱり、そうだった!
元々桐生君は、わたしと恋愛したくて恋愛禁止の解除を希望していた。
その為に、生徒会に立候補して見事生徒会長になったんだ。
静かな体育館にパチ パチと拍手が鳴り、やがて全校生徒みんなパチパチパチと拍手喝采となった。
元々この桐生君の演説で票を取ったんだ。反対する生徒なんてほとんどいないだろう。
そんなわたしも、自然とパチパチと手を叩いていた。
桐生君はわたしの為に、このマニフェストを通したんだから…!
0
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
12年目の恋物語
真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。
だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。
すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。
2人が結ばれるまでの物語。
第一部「12年目の恋物語」完結
第二部「13年目のやさしい願い」完結
第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中
※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。
クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。
ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。
無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。
クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。
背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)
MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。
しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。
母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。
その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。
純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。
交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる