秘密の生徒会室 君とふたりきり

むらさ樹

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君とふたりきり ~kimito hutarikiri ➀

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全校生徒が体育館に集まり、わたしたち生徒会メンバーも舞台裏に控える。
教員たちも体育館の壁側に立ち、準備は整った。


『ではこれより、生徒会の臨時総会を始めます』

舞台裏に控えるわたしは、マイクで体育館に放送を流した。
その後、桐生君は1人舞台に上がり中央に設置されたマイクを取った。

…臨時総会を開いてまで何を話すの?

わたしの提案は変えるって言ってた。最初はわたしの提案におかしな箇所があるかで、それで全校生徒で話し合うんだと思った。
いや、むしろ教員たちと話し合うべきかと思ったけど。

そうじゃないとしたら…変えるって、違う案を提出するって事?

わたしの言葉で決心したって言ってた。
でも、わたしの案じゃないとするならば、後は………!


「本日、先生に無理言って臨時総会を開いたのは、以前総会を開いた際に発表した新しい校則についての変更点が生じたからです」

舞台に立つ桐生君はマイクを手に話し始めた。

わたしと一緒に舞台裏に控える他のメンバーの伊集院先輩と更科と相良君はこの度の話を知らないようで、桐生君の言葉を静かに聞いている。

でもわたしは…何となく予感した。


「総会の日オレは、恋愛よりも勉強の方が大事だと言った。
高校の勉強は高校のうちにやり、恋愛は卒業した後にすればいいと!」

それはわたしも思った事だった。
ここはバリバリの進学校。とにかく勤勉に励みやすい環境こそが、この学校に求められるべきものだと思っていたんだ。

みんながみんな、どこまで本気なのか知らないけど、わたしには進まなければならない進路があるんだからね!


「だけど、あの総会で教師選択の案を決定した日からこれまで、ちょっと考えていた。
確かに勉強は大事だ、疎かにしてはならない。
しかし、その妨げにもなってしまうものが恋愛であり、且つ、その壁を壊せるものでもあるのがまた恋愛だと思った」

…実際、わたしは桐生君の事が頭にいっぱいで成績を落とした。

そしてそれは、好きになったからじゃない。
この中途半端な環境下が、わたしに迷いや戸惑いを与えたんだ。


「オレは演説の日、一番最初に言った。
恋愛は禁止しても、人を好きになる事は止められるものではない。
気持ちも伝えられないまま、グッと自分を押し殺さなければならないものだと」

あんなに忘れようとした。
こんなに苦しむぐらいなら、いっそ何もかもリセットして元の生活に戻れたらって思ったの。


「何度も言う事を変えて混乱させてしまったのは申し訳ないと思うけど、今度こそ決定した。
今年度の生徒会での新しい校則は、やはり恋愛禁止令の解禁だ。
賛成してくれる生徒は、拍手で応えてほしい!」


…やっぱり、そうだった!
元々桐生君は、わたしと恋愛したくて恋愛禁止の解除を希望していた。
その為に、生徒会に立候補して見事生徒会長になったんだ。


静かな体育館にパチ パチと拍手が鳴り、やがて全校生徒みんなパチパチパチと拍手喝采となった。

元々この桐生君の演説で票を取ったんだ。反対する生徒なんてほとんどいないだろう。
そんなわたしも、自然とパチパチと手を叩いていた。

桐生君はわたしの為に、このマニフェストを通したんだから…!

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