ホストクラブ“shion”殺人事件w

むらさ樹

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疑心暗鬼

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「犯人ならもちろん、現場に一緒にいたRIKU☆!
君に間違いないさっ」



ドドーーンΣ

ビジッと指差しながらRIKU☆の名を名乗ったプリンスさんに、おれたちは一瞬固まった。

だけど一番ショックを受けたのは、もちろんRIKU☆本人だったようだ。


「は…ははっ
それくらい、オレだって気付いてたさ。
だって犯行現場にいたんだもんな。当然だろ」


そんなプリンスさんの発言に、ナント!クロウさんまでもが便乗してしまった。


「何が当然だ。
ボクの推理を聞いて真似をしているだけだろう。
愚かなカラスの悪知恵という奴だな」


「自惚れんな、変態王子!」



…どんな時でもいがみ合うのは、ナンバーワン ナンバーツーの宿命ですか…

この様子を永久指名してるお客さんたちが見たら、きっとドン引きですよ…(特にプリンスさん)



「オ、オレ…オレじゃないよっ
そんな、だってオレは店長に呼ばれたからここに来ただけで…っ」


そんな中、いがみ合う2人の前で犯人呼ばわりされたRIKU☆は眉を寄せて首を振った。


「大丈夫だよ、RIKU☆
おれは…」


「煌さんも!
煌さんもオレを疑ってんだろ!?
店長と一緒の部屋にいた、オレが犯人だって思ってんだろーっ!!」


「RIKU☆…っ
そんな、おれは――」


「そんな手、離してくれ!!」



__パシンッ

とんでもない誤解をさせてしまったRIKU☆をなだめようと、おれが肩に手を置こうとした所で、逆にRIKU☆に振り払われてしまった。

そして向けられた鋭い眼孔に、言葉を失ってしまう。


違うんだ、RIKU☆
おれはRIKU☆を犯人だなんて思っちゃいない。
だけどこの状況だと、RIKU☆の前で☆兄さんの名前も出せない……っ!

「何だ何だ、何を騒いでいるんだ」


RIKU☆の大声に気付いた☆兄さんが、心配してRIKU☆のもとへと駆け寄ってきた。


「義兄貴…オレ、ケーサツに捕まっちまうかもしれな
いんだ」


「何だと?」


みんなから疑いの目を向けられたと思っているRIKU☆は、駆け寄ってきた☆兄さんに顔を背けながら話した。


「オレが店長と同じ部屋にいたからって、それでみんなオレを犯人だと思っているみたいなんだ」



だから違うんだ、RIKU☆!
おれはそんな風に思っていない。

何故なら…


「…RIKU☆には、動機がないよ!」



おれは思っていた事を、拳を震わせながら勇気を出して言った。

確かにRIKU☆はオレたちがここに来るまで、紫苑さんの部屋の中にいた。
だけど、RIKU☆には紫苑さんを手にかける理由は何もないじゃないか!

それに代わって☆兄さんは絶対、以前から紫苑さんと何か関係があったハズだ。
でないと、紫苑さんの事をあんな風には言うわけがない。


「動機?そんなもん、吐かせるほどの内容じゃねぇだろ」


「そうだな。
ボクもRIKU☆の立場なら、十分動機として成立する心当たりがあるだろう」



え…………?

あれだけいがみ合っていたクロウさんとプリンスさんだったのに。
ここで初めて意見が合ったように、2人は一緒に頷いた。

RIKU☆の立場なら成立する、心当たり…?

何だろう。
おれには全く予想がつかない。


「ヘルプの煌。
君なら似たような立場なんだから、ボクとしてはすぐに思い浮かぶと思うのだが?」


「おれが、RIKU☆と似たような立場…?」



プリンスさんの言葉に頭を捻らせるが、やっぱりおれにはわからない。

一体、どういう__…


「だからお前らヘルプ止まりの下っ端は、自分の立場に満足できなくて、紫苑さんに逆恨みしてるんじゃないかってんだよ」


「____っ!?」


プリンスさんの次に言ってきたクロウさんの言葉に、おれは衝撃を受けた。

そんなっ
いくらおれたちが下っ端だからって、紫苑さんに逆恨みなんてとんでもない!!


「これで、無事に事件解決だな」


「あぁ、ボクの名推理には我ながら痺れるよ」


「…オレはお前のナルシスト振りに痺れるけどな」



ニヤニヤと笑うクロウさんとプリンスさんに、おれはフツフツと怒りがこみ上げてきた。

確かにおれは未だヘルプ止まりの下っ端だ。
RIKU☆に至っては、ただの雑用係のバイトでもある。

だけど、だからって紫苑さんを逆恨みだなんてするわけがない。

あの人は見ていない所で人一倍努力をし、おれのような新人にさえも丁寧に指導をしてくれた。

おれにホストの仕事の華やかさと同時に、奥深さや生き甲斐も教えてくれた人なんだ。

今でこそ肩で風を切る歩き方をしているナンバーワンのクロウさんやナンバーツーのプリンスさんには、理解できない想いなんだ!!


「RIKU☆は…
…RIKU☆は、犯人なんかじゃない!!」


「「――――!」」



「……………っ」



堪えきれなくなったおれは、それこそ自分のヘルプという立場も忘れ、ナンバーワンナンバーツーの2人に向かって叫んだ。

どんなに下っ端だって、プライドってものはある!
何より、遠まわしにでも紫苑さんを侮辱したような発言には、おれは許せなかったんだ。


「犯人は…」


ごめん、RIKU☆
RIKU☆には悪いけど、でもそんな事は言ってられない。

おれには、紫苑さんの方が大事なんだ!!


「RIKU☆は犯人じゃない。
犯人は…紫苑さんに個人的恨みを持っている、☆兄さんなんだ!!」


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