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殺害方法
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犯人はRIKU☆のお兄さんである、☆兄さんだ。
☆兄さんが紫苑さんの遺体を前に言った言葉を、おれはちゃんと覚えている。
__『…フン
気取ってこんなものを呑んでたつもりが、まさかこんな死に目に遭うなんてな。
コイツらしい最期ってもんだ』
☆兄さんが過去に紫苑さんとどんな関係だったのかは知らないけれど、でもおれは紫苑さんの無念を晴らす義務があるんだ。
☆兄さんには、ちゃんと罪を認め、悔い改めてほしい。
それが、紫苑さんへのせめてもの償い___…
「…俺が、コイツを殺した犯人だと?」
「…っ」
おれの発言に☆兄さんは、ゆっくりと目の前まで歩み出た。
背の高い☆兄さんがおれの前に立つと、ものすごい威圧感に殺気さえも感じてくる。
…そうか、☆兄さんが犯人という事は、つまり殺人鬼。
おれは今、殺人鬼の目の前にいるんだ……っ
「…だいたい、コイツは何が原因で死んだんだ?
この赤いシミは、血じゃなくてワインなんだぞ」
「あ…………」
おれの前に立つ☆殺人鬼さん(違)の言葉に、思わずハッとした。
そうだ。
血のように赤いシミが広がるカーペットに気が動転していたけれど、あれは紫苑さんの血じゃないんだった。
「…じ、じゃあ、首を絞めたんだ!
☆兄さんは紫苑さんよりも背が高い。ならば、力ずくで紫苑さんの首ぐらい絞める事ができたハズだ!!」
「ほぉ…力ずくね。
だったら、今も首にその痕が残ってるだろうな」
「う…っ」
あまりの冷静な返しに、おれは言葉が詰まってしまった。
紫苑さんの首に痕…
そんなもの、あった覚えはないんだけど…っ
「…ないな」
「ないぞー」
「首を絞めた痕は、ボクでも見当たらない。
ヘルプの煌、この始末どうするのかな?」
☆兄さんにクロウさん、そしてトドメを刺すプリンスさんに、おれはもう何も言えなくなった。
☆兄さんは、犯人じゃないのか?
というか、そもそも紫苑さんは、どういう殺され方をしたんだ!?
「…ねぇ、首を絞めた痕じゃあないけど、これは関係あるのかなぁ」
ますます答えに行き詰まったおれたちの中、紫苑さんの首をマジマジと見ているRIKU☆が何かに気付いたように言った。
「あれ?なんか…オレ言っちゃイケない事、言っちゃった?」
RIKU☆の指差す所をみんなでのぞき込むと、紫苑さんの首筋には2つの赤い小さなアザがあったのだ。
それはまるで、いわゆるキスマークのような…
って!
キスマーク!?
どういう時に、どういう方法でキスマークをつけるかなんて。たいていの大人ならばみんな知っている。
だけど、それ以前に紫苑さんは男だ。
その紫苑さんにキスマークなんて……
__ゴクリ
その時、後ろから聞こえた喉の音に、おれは振り返った。
するとそこには、さっきからずっと黙っているドクターの姿があったのだ。
「ドクター?」
「…キスマークとは、内出血を起こした際のものを言う。
それは内出血ではなく、ちょっとした傷痕になっている。なので…今回の事件とは、無関係であろう」
「傷痕…」
よくはわからないけど、ドクターにそう言われたら反論はできない。
だとするならば、どちらにしてもそんな小さな傷痕からは、紫苑さんの殺害は結びつきそうにない。
やっぱりこれは、事件とは無関係なんだろうな。
「出血を伴う方法じゃあない、首を絞めたわけでもない。
じゃあ、コイツは一体どうして死んだんだ?」
今まで誰が犯人、誰が犯人じゃないと、そればかり言っていたが。
確かに、紫苑さんはどうやって殺されたのか。それについては、まだハッキリわかっていなかった。
だけど、この赤いシミ。
これが赤ワインで、床にぶちまけるほどの事が起こったとするならば……
「わかった!今度こそわかったぞ!
そのワインこそが、紫苑さんの命を奪った原因だったんだ!」
「え……っ」
「なに…っ」
ドヨドヨとうごめく黒い雲が、ピカンと光った瞬間だった。
つまり、ワインを使った毒殺。
こんな簡単な方法に、何で今まで気付かなかったんだ!
…だけど。
何故かこのおれの発言に、2人の人物が顔色を変えたのを見逃さなかった。
「ワイン…?
え、ブドウジュースじゃなくて?
てゆーか、毒!?」
そのまず1人が、RIKU☆だった。
というか、その前に。
「…ブドウジュースって。
RIKU☆、紫苑さんがブドウジュースなんて飲むわけ…」
「…いや。これは確かに、ブドウジュースだ。
一見俺もワインだと思ったんだが、よく見たら“葡萄果汁100%”と書いていた…」
紫苑さんの足下に落ちていたというボトルをまた手に持った☆兄さんは、ボトルのラベルを見て言った。
ラベルの正面にはブドウの写真と英語のようなスペルが書かれているから、パッと見おれもワインだと勘違いしてしまった。
「紛らわしいブドウジュースだ。
だがきっと、甘くて美味そうな気がするな」
紫苑さんがジュースを飲む人だなんて知らなかったけど。
でも今そのツッコミは変だよ、☆兄さん…。
「だが…よくこれがブドウジュースだってわかったな、RIKU☆?」
「う゛っΣ」
だが、☆兄さんのさり気ない言葉に、RIKU☆はビクリと肩を震わせた。
変な汗をこめかみから垂らし、目も泳いでいる。
「いや、だってさ!ブドウの絵が載ってんじゃん!
誰だってブドウジュースって思うだろ?」
「ワインは、葡萄が原材料だ。
ヘルプのRIKU☆、無知を思い知ったかな?」
それには、プリンスさんが代わりに答えた。
王子キャラのプリンスさんは、赤ワインを愛飲している設定になってるらしく、さすがに赤ワインには鋭い。
「そもそも、あのシミを見ただけでボクは赤ワインだとは思わなかったがね」
「わかってたんなら、先に教えて下さいよー!!」
だけどRIKU☆もブドウジュースってわかったのは、すごいなぁ。
☆兄さんが紫苑さんの遺体を前に言った言葉を、おれはちゃんと覚えている。
__『…フン
気取ってこんなものを呑んでたつもりが、まさかこんな死に目に遭うなんてな。
コイツらしい最期ってもんだ』
☆兄さんが過去に紫苑さんとどんな関係だったのかは知らないけれど、でもおれは紫苑さんの無念を晴らす義務があるんだ。
☆兄さんには、ちゃんと罪を認め、悔い改めてほしい。
それが、紫苑さんへのせめてもの償い___…
「…俺が、コイツを殺した犯人だと?」
「…っ」
おれの発言に☆兄さんは、ゆっくりと目の前まで歩み出た。
背の高い☆兄さんがおれの前に立つと、ものすごい威圧感に殺気さえも感じてくる。
…そうか、☆兄さんが犯人という事は、つまり殺人鬼。
おれは今、殺人鬼の目の前にいるんだ……っ
「…だいたい、コイツは何が原因で死んだんだ?
この赤いシミは、血じゃなくてワインなんだぞ」
「あ…………」
おれの前に立つ☆殺人鬼さん(違)の言葉に、思わずハッとした。
そうだ。
血のように赤いシミが広がるカーペットに気が動転していたけれど、あれは紫苑さんの血じゃないんだった。
「…じ、じゃあ、首を絞めたんだ!
☆兄さんは紫苑さんよりも背が高い。ならば、力ずくで紫苑さんの首ぐらい絞める事ができたハズだ!!」
「ほぉ…力ずくね。
だったら、今も首にその痕が残ってるだろうな」
「う…っ」
あまりの冷静な返しに、おれは言葉が詰まってしまった。
紫苑さんの首に痕…
そんなもの、あった覚えはないんだけど…っ
「…ないな」
「ないぞー」
「首を絞めた痕は、ボクでも見当たらない。
ヘルプの煌、この始末どうするのかな?」
☆兄さんにクロウさん、そしてトドメを刺すプリンスさんに、おれはもう何も言えなくなった。
☆兄さんは、犯人じゃないのか?
というか、そもそも紫苑さんは、どういう殺され方をしたんだ!?
「…ねぇ、首を絞めた痕じゃあないけど、これは関係あるのかなぁ」
ますます答えに行き詰まったおれたちの中、紫苑さんの首をマジマジと見ているRIKU☆が何かに気付いたように言った。
「あれ?なんか…オレ言っちゃイケない事、言っちゃった?」
RIKU☆の指差す所をみんなでのぞき込むと、紫苑さんの首筋には2つの赤い小さなアザがあったのだ。
それはまるで、いわゆるキスマークのような…
って!
キスマーク!?
どういう時に、どういう方法でキスマークをつけるかなんて。たいていの大人ならばみんな知っている。
だけど、それ以前に紫苑さんは男だ。
その紫苑さんにキスマークなんて……
__ゴクリ
その時、後ろから聞こえた喉の音に、おれは振り返った。
するとそこには、さっきからずっと黙っているドクターの姿があったのだ。
「ドクター?」
「…キスマークとは、内出血を起こした際のものを言う。
それは内出血ではなく、ちょっとした傷痕になっている。なので…今回の事件とは、無関係であろう」
「傷痕…」
よくはわからないけど、ドクターにそう言われたら反論はできない。
だとするならば、どちらにしてもそんな小さな傷痕からは、紫苑さんの殺害は結びつきそうにない。
やっぱりこれは、事件とは無関係なんだろうな。
「出血を伴う方法じゃあない、首を絞めたわけでもない。
じゃあ、コイツは一体どうして死んだんだ?」
今まで誰が犯人、誰が犯人じゃないと、そればかり言っていたが。
確かに、紫苑さんはどうやって殺されたのか。それについては、まだハッキリわかっていなかった。
だけど、この赤いシミ。
これが赤ワインで、床にぶちまけるほどの事が起こったとするならば……
「わかった!今度こそわかったぞ!
そのワインこそが、紫苑さんの命を奪った原因だったんだ!」
「え……っ」
「なに…っ」
ドヨドヨとうごめく黒い雲が、ピカンと光った瞬間だった。
つまり、ワインを使った毒殺。
こんな簡単な方法に、何で今まで気付かなかったんだ!
…だけど。
何故かこのおれの発言に、2人の人物が顔色を変えたのを見逃さなかった。
「ワイン…?
え、ブドウジュースじゃなくて?
てゆーか、毒!?」
そのまず1人が、RIKU☆だった。
というか、その前に。
「…ブドウジュースって。
RIKU☆、紫苑さんがブドウジュースなんて飲むわけ…」
「…いや。これは確かに、ブドウジュースだ。
一見俺もワインだと思ったんだが、よく見たら“葡萄果汁100%”と書いていた…」
紫苑さんの足下に落ちていたというボトルをまた手に持った☆兄さんは、ボトルのラベルを見て言った。
ラベルの正面にはブドウの写真と英語のようなスペルが書かれているから、パッと見おれもワインだと勘違いしてしまった。
「紛らわしいブドウジュースだ。
だがきっと、甘くて美味そうな気がするな」
紫苑さんがジュースを飲む人だなんて知らなかったけど。
でも今そのツッコミは変だよ、☆兄さん…。
「だが…よくこれがブドウジュースだってわかったな、RIKU☆?」
「う゛っΣ」
だが、☆兄さんのさり気ない言葉に、RIKU☆はビクリと肩を震わせた。
変な汗をこめかみから垂らし、目も泳いでいる。
「いや、だってさ!ブドウの絵が載ってんじゃん!
誰だってブドウジュースって思うだろ?」
「ワインは、葡萄が原材料だ。
ヘルプのRIKU☆、無知を思い知ったかな?」
それには、プリンスさんが代わりに答えた。
王子キャラのプリンスさんは、赤ワインを愛飲している設定になってるらしく、さすがに赤ワインには鋭い。
「そもそも、あのシミを見ただけでボクは赤ワインだとは思わなかったがね」
「わかってたんなら、先に教えて下さいよー!!」
だけどRIKU☆もブドウジュースってわかったのは、すごいなぁ。
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