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カラダの代金①
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「あ、愛さんも行ったんだ。ホストクラブ」
翌日。
職場の控え室に入ると、仕事の為の着替えやメイク、ヘアセットなどの準備をする。
専属の美容師がいるくらい本格的な職場なので、出勤には身体1つあればいい所だ。
今日は露出の高い真っ赤なドレスを着て、髪を高く盛る。
一般の会社が仕事を終える17時に合わせてオープンするうちの職場なので、着替えなどの準備の時間なんかも入れたら15時過ぎには控え室に入ってないといけない。
髪やメイクをしてもらっている間は、だいたい同僚の子と世間話をしたりするのがお決まりだもんで、あたしも昨日の事を早速話してみたわけだ。
「話には聞いた事がある所だったけど、ホント賑やかだったわ」
「でしょ~?
イケメンに囲まれてお酒飲んで。
ストレス解消って感じだよね~」
そう話すこの子は、最初にあたしにホストクラブの話をしてきた凛という源氏名を持つ同僚。
ツインテールの似合う、かわいいキャラがウリの二十歳。
「んー、でも。
お酒飲むって言うか、飲ませてるだけって感じじゃない?」
この凛という子は、うちの職場に入ってまだ半年くらいの後輩。
源氏名は凛なんだけど、あたしらはお互いの本名は知らないし、知ろうともしない。
こうやって控え室では話をする仲ではあるんだけど、オフの時まで一緒にいるような所謂お友達って関係ではない。
…それはやっぱり、こんな仕事してる事をお互いよく知ってるせいか、自然と友達みたいな空気にならないんだと思う。
あぁ、コイツもあんなオッサンを相手にあんな事してたんだって思うと、友達になりたいと思わないのは自分だけじゃないでしょ。
「やだぁ、愛さんったら。
ホストクラブはお酒飲むのがメインじゃないのよ?」
「え?」
ところが、そんな凛は「何も知らないの?」と言わんばかりの顔をした。
そりゃ行ったのは昨日が初めてなんだから、よく行ってる人からすれば何か思う事があるかもしれないんだけど。
「ホストクラブっていうのはぁ、育成ゲームと同じなんですって」
「育成 ゲーム?」
何でゲームの話になったのかはわからないんだけど。
とにかく、よく聞いてみる事にした。
「ホストってのは、アタシらが注文すればするほど収入になるシステムでしょ?
つまり、気に入った子にたっぷり貢いであげて、自分の手によってその子をトップにしてあげるのよ!」
そういえば、昨日も紫苑が来たからってお祭り騒ぎな注文を女がしてた。
高いオーダーをかけてそのホストの売り上げに貢献するからこそ、自分が育ててあげたんだって気分になるんだわ。
「じゃあ…凛もそうやって貢いであげてるお気に入りがいるんだ」
「もちろん!
彼の為ならいくらでも貢いじゃうんだからっ」
ニコニコ上機嫌で話す凛。
なるほど。
彼女がホストクラブにハマる理由が、少しわかった気がした。
翌日。
職場の控え室に入ると、仕事の為の着替えやメイク、ヘアセットなどの準備をする。
専属の美容師がいるくらい本格的な職場なので、出勤には身体1つあればいい所だ。
今日は露出の高い真っ赤なドレスを着て、髪を高く盛る。
一般の会社が仕事を終える17時に合わせてオープンするうちの職場なので、着替えなどの準備の時間なんかも入れたら15時過ぎには控え室に入ってないといけない。
髪やメイクをしてもらっている間は、だいたい同僚の子と世間話をしたりするのがお決まりだもんで、あたしも昨日の事を早速話してみたわけだ。
「話には聞いた事がある所だったけど、ホント賑やかだったわ」
「でしょ~?
イケメンに囲まれてお酒飲んで。
ストレス解消って感じだよね~」
そう話すこの子は、最初にあたしにホストクラブの話をしてきた凛という源氏名を持つ同僚。
ツインテールの似合う、かわいいキャラがウリの二十歳。
「んー、でも。
お酒飲むって言うか、飲ませてるだけって感じじゃない?」
この凛という子は、うちの職場に入ってまだ半年くらいの後輩。
源氏名は凛なんだけど、あたしらはお互いの本名は知らないし、知ろうともしない。
こうやって控え室では話をする仲ではあるんだけど、オフの時まで一緒にいるような所謂お友達って関係ではない。
…それはやっぱり、こんな仕事してる事をお互いよく知ってるせいか、自然と友達みたいな空気にならないんだと思う。
あぁ、コイツもあんなオッサンを相手にあんな事してたんだって思うと、友達になりたいと思わないのは自分だけじゃないでしょ。
「やだぁ、愛さんったら。
ホストクラブはお酒飲むのがメインじゃないのよ?」
「え?」
ところが、そんな凛は「何も知らないの?」と言わんばかりの顔をした。
そりゃ行ったのは昨日が初めてなんだから、よく行ってる人からすれば何か思う事があるかもしれないんだけど。
「ホストクラブっていうのはぁ、育成ゲームと同じなんですって」
「育成 ゲーム?」
何でゲームの話になったのかはわからないんだけど。
とにかく、よく聞いてみる事にした。
「ホストってのは、アタシらが注文すればするほど収入になるシステムでしょ?
つまり、気に入った子にたっぷり貢いであげて、自分の手によってその子をトップにしてあげるのよ!」
そういえば、昨日も紫苑が来たからってお祭り騒ぎな注文を女がしてた。
高いオーダーをかけてそのホストの売り上げに貢献するからこそ、自分が育ててあげたんだって気分になるんだわ。
「じゃあ…凛もそうやって貢いであげてるお気に入りがいるんだ」
「もちろん!
彼の為ならいくらでも貢いじゃうんだからっ」
ニコニコ上機嫌で話す凛。
なるほど。
彼女がホストクラブにハマる理由が、少しわかった気がした。
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