21 / 68
初めての出張ホスト①
しおりを挟む
「あ、愛さーん!
昨夜はどうでしたー?」
__翌日。
仕事に来た途端、あたしの姿を見るや否や凛がニコニコ上機嫌で飛んで来た。
昨夜はどうって、もちろんあの後は煌と朝まで過ごしたのかって意味だろう。
「どうもこうも、あたしもすぐに帰ったから」
「で?その後は?」
「何も。
て言うか、煌は出張の意味もわかってなかったみたいだし」
「え~っ、何ソレ!
客ナメてるとか?」
「違うよ。
多分まだあの世界の事をよく知らないだけなんだよ」
って、何であたしが煌をフォローしてあげてんだろ。
わかってんなら、昨日あんな事言わなきゃ良かったかなぁ。
「…それで?
凛の方は、あの後クロウと楽しくしちゃったの?」
「そうそう!
やっぱり若いのとオッサンとは、全然違うんだからぁ!」
よっぽど楽しかったんだろうな。
道理で今日は上機嫌なわけだ。
専属の美容師に頭のセットを受けながら、口紅を塗る。
そのあたしの横に凛はバッグを下ろすと、着替えから始めた。
「ねぇ、凛。
それで…その出張ってさ、どのホストもやってるものなの?」
昨日の質問を答えられなかった煌の代わりに、今度は凛に訊いてみた。
そりゃあたしだって、たまにはお金を払ってでも若い男と遊ぶ方がいい。
できれば、いつか紫苑とそうなりたい。
すぐは無理でも、いつか…。
「あは。
やっぱり愛さんも気になってんだ」
「…ちょっとね」
「みんなやってるって言うか、半分は個人的なものだからやらない子はやらないんじゃないかなぁ?
アタシ、クロとはケー番交換してるし、ホテルとかじゃなくてクロん家に行ってるもん」
「えぇっ!?
凛とクロウって、そんな深い仲だったの?」
ホストとお客って言うより、これじゃあまるでセフレみたいじゃない?
て言うか、どっちが出張なのかわかんないし。
考えてみたら、あんなに大金を貢いでる凛なんだもの。
クロウだって、そのくらいのサービスはあってもいい…ような気もしてきた。
「…いいなぁ、凛は」
そうやって、好きな時に声をかけたら優しく構ってくれる関係って言うの?
こちらがお金を払う分、彼氏みたいに気を遣う必要もないし、その時だけだからサッパリしてるし。
あたしも…お金さえ払ったら、家に呼んでくれたりするのかな…。
ううん、家じゃなくてもいい。
ホテルでもいいから他の事は何もかも忘れて、2人だけの時間を2人だけで過ごしたい…。
「あ、そっか。愛さんもクロ指名してんだよね。
アタシ、クロに言ってあげようか?
愛さんにも時間取ってあげてって」
「えっ、違うよ凛!
て言うか、クロウは凛のお気に入りなんでしょ?」
だとしたらあたしはいわゆるライバルなのに、そんな「貸してあげる」みたいな軽いノリで言えるわけないじゃない?
「あは。やだぁ愛さんったら。
クロはアタシの本命じゃないもん」
「ええーっ!?」
あまりに意外な返答に、手に持っていた口紅が唇からはみ出す所だった。
て言うか、凛の本命がクロウじゃない?
だって、昨日はあんなに楽しそうだったし、高いお酒も振る舞ってたし。
何より、出張までさせてたじゃない!!
こんなに尽くしてこんなに遊んで。
これが本命じゃないなんて、どういう事?
「確かにクロはかわいいし、エッチも上手いよ?
でも、アタシが好きなのは、もっとオトナな人なのっ」
オトナな人って。
クロウは多分あたしより年下、20かそこらじゃないかと思う。
だからハタチの凛からすれば、クロウぐらいの子が理想なんだと思っていた。
もちろん、あたしの勝手な独断と偏見なんだけどね。
昨夜はどうでしたー?」
__翌日。
仕事に来た途端、あたしの姿を見るや否や凛がニコニコ上機嫌で飛んで来た。
昨夜はどうって、もちろんあの後は煌と朝まで過ごしたのかって意味だろう。
「どうもこうも、あたしもすぐに帰ったから」
「で?その後は?」
「何も。
て言うか、煌は出張の意味もわかってなかったみたいだし」
「え~っ、何ソレ!
客ナメてるとか?」
「違うよ。
多分まだあの世界の事をよく知らないだけなんだよ」
って、何であたしが煌をフォローしてあげてんだろ。
わかってんなら、昨日あんな事言わなきゃ良かったかなぁ。
「…それで?
凛の方は、あの後クロウと楽しくしちゃったの?」
「そうそう!
やっぱり若いのとオッサンとは、全然違うんだからぁ!」
よっぽど楽しかったんだろうな。
道理で今日は上機嫌なわけだ。
専属の美容師に頭のセットを受けながら、口紅を塗る。
そのあたしの横に凛はバッグを下ろすと、着替えから始めた。
「ねぇ、凛。
それで…その出張ってさ、どのホストもやってるものなの?」
昨日の質問を答えられなかった煌の代わりに、今度は凛に訊いてみた。
そりゃあたしだって、たまにはお金を払ってでも若い男と遊ぶ方がいい。
できれば、いつか紫苑とそうなりたい。
すぐは無理でも、いつか…。
「あは。
やっぱり愛さんも気になってんだ」
「…ちょっとね」
「みんなやってるって言うか、半分は個人的なものだからやらない子はやらないんじゃないかなぁ?
アタシ、クロとはケー番交換してるし、ホテルとかじゃなくてクロん家に行ってるもん」
「えぇっ!?
凛とクロウって、そんな深い仲だったの?」
ホストとお客って言うより、これじゃあまるでセフレみたいじゃない?
て言うか、どっちが出張なのかわかんないし。
考えてみたら、あんなに大金を貢いでる凛なんだもの。
クロウだって、そのくらいのサービスはあってもいい…ような気もしてきた。
「…いいなぁ、凛は」
そうやって、好きな時に声をかけたら優しく構ってくれる関係って言うの?
こちらがお金を払う分、彼氏みたいに気を遣う必要もないし、その時だけだからサッパリしてるし。
あたしも…お金さえ払ったら、家に呼んでくれたりするのかな…。
ううん、家じゃなくてもいい。
ホテルでもいいから他の事は何もかも忘れて、2人だけの時間を2人だけで過ごしたい…。
「あ、そっか。愛さんもクロ指名してんだよね。
アタシ、クロに言ってあげようか?
愛さんにも時間取ってあげてって」
「えっ、違うよ凛!
て言うか、クロウは凛のお気に入りなんでしょ?」
だとしたらあたしはいわゆるライバルなのに、そんな「貸してあげる」みたいな軽いノリで言えるわけないじゃない?
「あは。やだぁ愛さんったら。
クロはアタシの本命じゃないもん」
「ええーっ!?」
あまりに意外な返答に、手に持っていた口紅が唇からはみ出す所だった。
て言うか、凛の本命がクロウじゃない?
だって、昨日はあんなに楽しそうだったし、高いお酒も振る舞ってたし。
何より、出張までさせてたじゃない!!
こんなに尽くしてこんなに遊んで。
これが本命じゃないなんて、どういう事?
「確かにクロはかわいいし、エッチも上手いよ?
でも、アタシが好きなのは、もっとオトナな人なのっ」
オトナな人って。
クロウは多分あたしより年下、20かそこらじゃないかと思う。
だからハタチの凛からすれば、クロウぐらいの子が理想なんだと思っていた。
もちろん、あたしの勝手な独断と偏見なんだけどね。
0
あなたにおすすめの小説
今さらやり直しは出来ません
mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。
落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。
そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
君に何度でも恋をする
明日葉
恋愛
いろいろ訳ありの花音は、大好きな彼から別れを告げられる。別れを告げられた後でわかった現実に、花音は非常識とは思いつつ、かつて一度だけあったことのある翔に依頼をした。
「仕事の依頼です。個人的な依頼を受けるのかは分かりませんが、婚約者を演じてくれませんか」
「ふりなんて言わず、本当に婚約してもいいけど?」
そう答えた翔の真意が分からないまま、婚約者の演技が始まる。騙す相手は、花音の家族。期間は、残り少ない時間を生きている花音の祖父が生きている間。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる