51 / 68
➄
しおりを挟む
そういえばあの日紫苑に抱かれて以来、出張を頼むのは初めてだ。
この後は予定もないから、あたしは大丈夫。
仕事だって夕方からだから、泊まりも問題ない。
紫苑とだったら、多少無理してても一緒に過ごしたいけれど…。
あんなにも紫苑との濃厚なセックスを知ってしまって、今更煌とじゃ逆にもの足らなく感じないかな…。
「ん…どうしようかな」
出張だって、煌への貢献の1つにはなる。
それで煌の為にもなるんなら、それくらいいいかな…。
「…愛さんに、買ってほしいんだ。おれの事」
「あぁ…」
なんだ、やっぱり。
ビールだけで長時間居座っちゃったもんね。
そりゃ採算が合わないわよ。
ま、出張ったって、必ずしもセックスが目的ってわけじゃないしね。
ホテルで朝まで話しながら飲み明かす。
ちょっとキツいけど、煌の為ならまぁいっか。
「わかった。
じゃあこの後、いつものホテルね」
身体が飢えてないかと訊かれたら、それは否定は出来ない。
紫苑と身体を重ねた時の余韻がいつまでも奥にくすぶって、また次が待ち遠しくなってしまうもの。
次に会ったら、連絡先くらい訊いておこう。
言葉も交わせないんじゃ、予定云々よりも予約すら入れられないもの。
__そんなわけで。
近くのコンビニで買った缶ビールを袋に提げてホテルに着くと、あたしは先に部屋の中で煌を待っていた。
煌と話すのは楽しいし、愚痴であっても煌はちゃんと聞いてくれる。
紫苑にあんなに指導を受けたりしてんのなら、紫苑の事いっぱい訊いちゃおう。
さすがに紫苑のケータイ番号なんて勝手には教えてもらえないだろうけど。
でも凛は…紫苑とケータイ番号を交換とか、してんだろうなぁ。
じゃあ…あたしだって…。
…なんて考えているうちに、部屋にノック音が響いた。
あたしはすぐに駆け寄ってドアを開けると、煌を招き入れた。
「お疲れさま。
ほら、ビール買っておいたよ。
早く奥に行こ」
レジ袋に入ったビールを持ち上げて見せると、あたしは煌の腕を引っ張るようにして部屋の奥へと誘導しようとした。
「…愛さんっ」
「わっ!!」
途端、背中から覆い被されるように抱きしめられ、その衝撃に思わず持っていた缶ビールの袋を落としてしまった。
「愛さんが…欲しい」
「え、え…?」
煌の手が、抱きしめたあたしの身体から服の中に入ってきた。
「も…してもいい?」
服の中に入った手が、ブラの上からあたしの胸に触れる。
夜にホテルで出張って言ったら、しなきゃいけないって煌は思ってんのかな。
悪いけど、どっちかって言うと今はそういう気分ではないんだけど…。
ギュッと抱き寄せられながら、煌の唇があたしの首筋をくすぐる。
「あ あのね、煌。
今日は、いいよ?」
確かに、今まで煌を出張に呼んでたのはセックスが目的だった。
毎日仕事で溜まったストレスを発散させる為。
会いたいのに会えない紫苑に姿を重ねて、気持ちを紛らす為。
だけど今日煌を呼んだのは、身体が目的じゃない。
煌の売り上げの貢献になればいいなってのと、一緒に朝まで飲み明かすのも楽しいかなと思っただけだ。
「いつもありがと。
今夜は、一緒に話でもしよ」
最初は出張の意味もわからなくて、新人だからってバカにしたような言い方しちゃったんだよね。
それを煌はすごく気にしちゃったみたいで、以来とてもあたしに一生懸命尽くしてくれる。
仕事熱心なのは感心だけど、そんなに気張らなくていいんだよって言わなくちゃ。
この後は予定もないから、あたしは大丈夫。
仕事だって夕方からだから、泊まりも問題ない。
紫苑とだったら、多少無理してても一緒に過ごしたいけれど…。
あんなにも紫苑との濃厚なセックスを知ってしまって、今更煌とじゃ逆にもの足らなく感じないかな…。
「ん…どうしようかな」
出張だって、煌への貢献の1つにはなる。
それで煌の為にもなるんなら、それくらいいいかな…。
「…愛さんに、買ってほしいんだ。おれの事」
「あぁ…」
なんだ、やっぱり。
ビールだけで長時間居座っちゃったもんね。
そりゃ採算が合わないわよ。
ま、出張ったって、必ずしもセックスが目的ってわけじゃないしね。
ホテルで朝まで話しながら飲み明かす。
ちょっとキツいけど、煌の為ならまぁいっか。
「わかった。
じゃあこの後、いつものホテルね」
身体が飢えてないかと訊かれたら、それは否定は出来ない。
紫苑と身体を重ねた時の余韻がいつまでも奥にくすぶって、また次が待ち遠しくなってしまうもの。
次に会ったら、連絡先くらい訊いておこう。
言葉も交わせないんじゃ、予定云々よりも予約すら入れられないもの。
__そんなわけで。
近くのコンビニで買った缶ビールを袋に提げてホテルに着くと、あたしは先に部屋の中で煌を待っていた。
煌と話すのは楽しいし、愚痴であっても煌はちゃんと聞いてくれる。
紫苑にあんなに指導を受けたりしてんのなら、紫苑の事いっぱい訊いちゃおう。
さすがに紫苑のケータイ番号なんて勝手には教えてもらえないだろうけど。
でも凛は…紫苑とケータイ番号を交換とか、してんだろうなぁ。
じゃあ…あたしだって…。
…なんて考えているうちに、部屋にノック音が響いた。
あたしはすぐに駆け寄ってドアを開けると、煌を招き入れた。
「お疲れさま。
ほら、ビール買っておいたよ。
早く奥に行こ」
レジ袋に入ったビールを持ち上げて見せると、あたしは煌の腕を引っ張るようにして部屋の奥へと誘導しようとした。
「…愛さんっ」
「わっ!!」
途端、背中から覆い被されるように抱きしめられ、その衝撃に思わず持っていた缶ビールの袋を落としてしまった。
「愛さんが…欲しい」
「え、え…?」
煌の手が、抱きしめたあたしの身体から服の中に入ってきた。
「も…してもいい?」
服の中に入った手が、ブラの上からあたしの胸に触れる。
夜にホテルで出張って言ったら、しなきゃいけないって煌は思ってんのかな。
悪いけど、どっちかって言うと今はそういう気分ではないんだけど…。
ギュッと抱き寄せられながら、煌の唇があたしの首筋をくすぐる。
「あ あのね、煌。
今日は、いいよ?」
確かに、今まで煌を出張に呼んでたのはセックスが目的だった。
毎日仕事で溜まったストレスを発散させる為。
会いたいのに会えない紫苑に姿を重ねて、気持ちを紛らす為。
だけど今日煌を呼んだのは、身体が目的じゃない。
煌の売り上げの貢献になればいいなってのと、一緒に朝まで飲み明かすのも楽しいかなと思っただけだ。
「いつもありがと。
今夜は、一緒に話でもしよ」
最初は出張の意味もわからなくて、新人だからってバカにしたような言い方しちゃったんだよね。
それを煌はすごく気にしちゃったみたいで、以来とてもあたしに一生懸命尽くしてくれる。
仕事熱心なのは感心だけど、そんなに気張らなくていいんだよって言わなくちゃ。
0
あなたにおすすめの小説
今さらやり直しは出来ません
mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。
落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。
そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
君に何度でも恋をする
明日葉
恋愛
いろいろ訳ありの花音は、大好きな彼から別れを告げられる。別れを告げられた後でわかった現実に、花音は非常識とは思いつつ、かつて一度だけあったことのある翔に依頼をした。
「仕事の依頼です。個人的な依頼を受けるのかは分かりませんが、婚約者を演じてくれませんか」
「ふりなんて言わず、本当に婚約してもいいけど?」
そう答えた翔の真意が分からないまま、婚約者の演技が始まる。騙す相手は、花音の家族。期間は、残り少ない時間を生きている花音の祖父が生きている間。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる