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──翌朝
そしていよいよ、慎吾くんとの関係に本当にケジメをつける日。
「じゃっ
出掛けてくるね、お母さん」
私はいつも持って出るバッグは置いて、手ぶらで玄関に向かった。
ケータイを取りに行っておいて、次は鍵だとかお財布なんかを取られちゃったら完全にイタチごっこだもん。
ケータイだけを受け取ったら、もう本当の事だけを言ってすぐに帰るの。
そうだ、私の年を教えてあげよう。
そうすれば慎吾くんも、ドン引きして諦めてくれる…っ
「…ねぇ、ひな?
あんた最近、変わってきたね」
「え…?」
…と、玄関まで見送りに出てくれたお母さんが、なぜか私にそんな事を言ってきたのだ。
「変わったって…何が?」
「昔は家から出たりする事も殆どなかったのに。
今は毎日のように出るようになって」
「あ…」
お母さんが言うように、そもそも童顔コンプレックスなのもあって、積極的なアウトドアはないタイプだった私。
だけど慎吾くんの家に行くようになってからは、ずっと午前中から家にいなかったんだもんなぁ。
「ご、ごめんね、お母さん。
今日は、すぐに帰るから…」
「ひな、そういう意味で言ったんじゃないのよ」
「…お母さん?」
それまでずっと、ご飯はお母さんと2人で食べている生活を送っていた。
今は仕事の関係で夜は先に食べてもらってるけど、それでも帰って私が晩ご飯する時は、必ずお母さんが側についててくれるもんね。
最近はずっと慎吾くんの家でお昼も食べたりしてたから、お母さんにはかわいそうな事しちゃってるかなって思わなくもなかったよ。
「あんた、いい人見つけたんじゃないの?」
「─────っ///」
そんな、お母さんのズバリ的中な言葉に私は、ギクリと冷や汗をかいた。
な、なんでわかったんだろうっ
そんな話、全然うちではしてないのにな。
「…えっと…………っ//」
「いいのよ、ひな。
別にお母さん、悪い事だなんて言ってるわけじゃないんだから」
私が言葉を詰まらせていると、そう言ってお母さんは私の手を握った。
「ひなが何も話してくれないから、お母さん心配してるの。
黙ってないで、早くその人の事を教えてちょうだいよ」
「お母さん…」
確かに、前からお見合い写真だの花嫁修行だのと、さり気なく私のお尻を叩くような事を言ってきてたっけ。
ずっと目に障害を抱えながら、私を女手1つで育ててくれたお母さん。
そんな私が29にもなれば、結婚を心配するのは至極当たり前な話かもしれないね。
私が何も話さなかったのは、そういう縁がなかったのもあったし、ちょっぴり恥ずかしかったからってのもあったの。
だけどそれじゃあお母さんは、余計に心配するだけだもんね。
「…今度、お母さんにも紹介するよ。
でも、もうちょっとだけ先かもしれないけど…いいかなぁ」
今から出掛けるのは、盆子原さんとのこれからの為にケジメつけるだけ。
まだよく盆子原さんの事は知らないから、もう少しだけ2人でお話したりしたいの。
だから紹介は、その後になっちゃうんだ。
「もちろんよ。
さぁ、気を付けて行ってらっしゃい。
お母さんの事は、気にしなくていいからね」
「…うん。
ありがとう、お母さん。
じゃあ、ちょっと行って来るね」
12歳も年下の男の子と付き合ってたなんて、言えないもんね。
でも、高校生の息子さんがいる盆子原さんとの事を聞いても、ビックリさせちゃうかなぁ。
ごめんね、お母さん。
でも私、絶対に幸せな結婚するよ…。
そしていよいよ、慎吾くんとの関係に本当にケジメをつける日。
「じゃっ
出掛けてくるね、お母さん」
私はいつも持って出るバッグは置いて、手ぶらで玄関に向かった。
ケータイを取りに行っておいて、次は鍵だとかお財布なんかを取られちゃったら完全にイタチごっこだもん。
ケータイだけを受け取ったら、もう本当の事だけを言ってすぐに帰るの。
そうだ、私の年を教えてあげよう。
そうすれば慎吾くんも、ドン引きして諦めてくれる…っ
「…ねぇ、ひな?
あんた最近、変わってきたね」
「え…?」
…と、玄関まで見送りに出てくれたお母さんが、なぜか私にそんな事を言ってきたのだ。
「変わったって…何が?」
「昔は家から出たりする事も殆どなかったのに。
今は毎日のように出るようになって」
「あ…」
お母さんが言うように、そもそも童顔コンプレックスなのもあって、積極的なアウトドアはないタイプだった私。
だけど慎吾くんの家に行くようになってからは、ずっと午前中から家にいなかったんだもんなぁ。
「ご、ごめんね、お母さん。
今日は、すぐに帰るから…」
「ひな、そういう意味で言ったんじゃないのよ」
「…お母さん?」
それまでずっと、ご飯はお母さんと2人で食べている生活を送っていた。
今は仕事の関係で夜は先に食べてもらってるけど、それでも帰って私が晩ご飯する時は、必ずお母さんが側についててくれるもんね。
最近はずっと慎吾くんの家でお昼も食べたりしてたから、お母さんにはかわいそうな事しちゃってるかなって思わなくもなかったよ。
「あんた、いい人見つけたんじゃないの?」
「─────っ///」
そんな、お母さんのズバリ的中な言葉に私は、ギクリと冷や汗をかいた。
な、なんでわかったんだろうっ
そんな話、全然うちではしてないのにな。
「…えっと…………っ//」
「いいのよ、ひな。
別にお母さん、悪い事だなんて言ってるわけじゃないんだから」
私が言葉を詰まらせていると、そう言ってお母さんは私の手を握った。
「ひなが何も話してくれないから、お母さん心配してるの。
黙ってないで、早くその人の事を教えてちょうだいよ」
「お母さん…」
確かに、前からお見合い写真だの花嫁修行だのと、さり気なく私のお尻を叩くような事を言ってきてたっけ。
ずっと目に障害を抱えながら、私を女手1つで育ててくれたお母さん。
そんな私が29にもなれば、結婚を心配するのは至極当たり前な話かもしれないね。
私が何も話さなかったのは、そういう縁がなかったのもあったし、ちょっぴり恥ずかしかったからってのもあったの。
だけどそれじゃあお母さんは、余計に心配するだけだもんね。
「…今度、お母さんにも紹介するよ。
でも、もうちょっとだけ先かもしれないけど…いいかなぁ」
今から出掛けるのは、盆子原さんとのこれからの為にケジメつけるだけ。
まだよく盆子原さんの事は知らないから、もう少しだけ2人でお話したりしたいの。
だから紹介は、その後になっちゃうんだ。
「もちろんよ。
さぁ、気を付けて行ってらっしゃい。
お母さんの事は、気にしなくていいからね」
「…うん。
ありがとう、お母さん。
じゃあ、ちょっと行って来るね」
12歳も年下の男の子と付き合ってたなんて、言えないもんね。
でも、高校生の息子さんがいる盆子原さんとの事を聞いても、ビックリさせちゃうかなぁ。
ごめんね、お母さん。
でも私、絶対に幸せな結婚するよ…。
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