ナイショのお見合いは、甘くて危険な恋の駆け引き!

むらさ樹

文字の大きさ
26 / 76

しおりを挟む
「あっ だめぇっ///
そこ………あぁああぁんっ////」


足を開いて恥ずかしいところを愛されながら、ふと私の目に、壁際に置いた薄ピンク色のシュシュが見えた。


…あれはやっぱり、お返ししよう。

それから高梨さんには、ちゃんとキッパリ縁談のお話にお断りをしなくちゃ。


どんなに優しくてお金持ちのイケメン社長さんでも、私が好きなのは勇さんだけだもん。



「…優、そろそろいいか?
優の中、挿れたい」

「ん……///」


うん。
私が結婚したいのは、勇さんだけなんだから…。







「あ、おかえり相川さ………ん?
何かフラフラしてない?大丈夫?」


1時間のお昼休みから戻った私に、レジの番をしていた和泉さんが言った。



「お昼ご飯、ちゃんと食べてきた?
体調、悪いんじゃないの?」


「あ、いえっ
ご飯食べてきましたよ!
大丈夫ですっ」


……誰がお昼休みに家に帰って、恋人とエッチしてたなんて思うかしら//


真っ昼間から恥ずかしいとは思ったけど、私も一晩ガマンしてたのもあって気持ちが抑えられなかったんだもんっ///


何回もしちゃって、おかげで下半身ガクガク…なんて、バレないようにしっかり歩かなきゃねっ////



「そうだ、今暇だから昨日の事を話してよ。
徹夜に至るなんて、何があったのか気になっちゃって」


「あぁ。
昨日はですね…」



お客さんも引いてる今、私は和泉さんに高梨さんとの事を話した。

…キスまでされた事は、まぁ言わなかったけど。


「…じゃあ相川さん、そのイケメン社長と結婚するの?」


「違いますよっ
だからプレゼントされた物もお返しして、ちゃんとはっきりお返事しようと思うんです。
結婚はできませんって」



もともとお断りを入れるつもりで応じたお見合いなんだもん。
中途半端に付き合ったりプレゼントなんかもらっちゃったりするからいけなかったのよ。


また次の休みの日……ううん、こういうお返事は早ければ早い方がいい。


今日帰ったらまず高梨さんに電話を入れよう。


もし高梨さんさえ良かったら、明日でも仕事終わってから高梨さんの家にお邪魔して正式にお断りすればいい。


お付き合いするつもりもないのに、お見合いしたりお買い物に付き合ったりした私も悪いもんね。

謝罪も兼ねて、丁重に言わなきゃ…!



「でも…何かやっぱりもったいないね」


私の出した結論に、和泉さんはそう言った。

まぁ確かに、なかなかイケメン社長さんとの縁談なんて話は人生のうちにそう何度もない。

お母さんがやたら推していただけあって、私もフリーで結婚に焦っていれば、間違いなくお付き合いしていたと思う。


だけど、結婚は本当に好きな人としたいもん!
それって、間違ってなんかいないよねっ



「もったいないって言うけど、和泉さんだって好きな人と結婚したわけでしょ?
それって幸せだと思いますよ」


「確かに、好きな人だから授かり婚までしたけど…やっぱりお金ってのも大事なステータスかな」


「ステータス?」


「そ。
愛も大事だけどね。
うちのダンナは安月給だから、わたしが働かないと幼稚園費もキツいのよ。
お金持ちと結婚しとけば、そんな苦労もなかったかと思う事もあるよ?」



…意外だった。
幸せそうな家庭を持っている和泉さんの口から、そんな言葉が出るとは思わなかったから…。


「お金って…そんなに大事ですか…?」


「まぁね。
結果苦労するのは、わたしら女なんだから。
特に子どもが出来ると、色々出費がかさんで大変なのよ」


…和泉さんまで、お母さんと同じような事を言う。

お金って、そんなに愛よりも大事なもの?
どんなに貧乏でも、好きな人となら乗り越えられそうな気がするんだけど…それは私の浅はかな考えなのかなぁ…。


お金の為に勇さんを諦めて高梨さんと結婚する?

………そんなの、絶対いや!



「…でも私、やっぱり好きな人と結婚したい…」


「…そうだね。
うん、いいと思うよ。
だから、ダンナのお金の管理は相川さんがしっかりすればいいのよ!」


「はい!」


お金の管理かぁ。
うちは大丈夫だと思うけど、でも経験者のアドバイスは、しっかり頭に入れとこう。






___夜

ケータイの着信履歴から、高梨さんの番号を呼び出した。


別に登録してたわけじゃない。
元々かかってくる事の少ないケータイだから、着信履歴を押せばあの時の高梨さんからの番号はまだ残ってるの。


番号が出たら、発信ボタンを押して高梨さんが電話に出るのを待つ。



「………………」


すると2~3回コールぐらいで、すぐに電話に出た。



『やぁ、優さん。
こんばんは』


まだ私からは何も話してないのに、いきなり名前を言われるって事は…もうケータイに登録されてるんだな。

もぉ。
だからむやみに番号は教えてほしくなかったのよ、お母さん?



「…こんばんは、高梨さん」


『丁度電話しようかなと思ってた所だったんだよ。
優さんからかけてくれるなんて、嬉しいな』



期待をさせるような事をしちゃいけないんだ。
だけど失礼がないようにして、ちゃんとお話しよう!

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

花の精霊はいじわる皇帝に溺愛される

アルケミスト
恋愛
崔国の皇太子・龍仁に仕える女官の朱音は、人間と花仙との間に生まれた娘。 花仙が持つ〈伴侶の玉〉を龍仁に奪われたせいで彼の命令に逆らえなくなってしまった。 日々、龍仁のいじわるに耐えていた朱音は、龍仁が皇帝位を継いだ際に、妃候補の情報を探るために後宮に乗り込んだ。 だが、後宮に渦巻く、陰の気を感知した朱音は、龍仁と共に後宮の女性達をめぐる陰謀に巻き込まれて……

処理中です...