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空茶屋
ソラマメと拓海
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俺の好きな人には、もう長い間付き合っている彼がいた。高校の頃から2人のことを見てきている。今更、奪いたいとか、2人の幸せを壊したいとかそんなことは思っていなかった。
でも、20歳のある日。突然2人は別れた。はたから見れば何も問題のない2人だったが、原因なんて当人達にしかわからない。彼女は、泣き腫らした目でこの空茶屋に訪れた。
「空ちゃん、空ちゃんブレンド!!」
扉を開けるや否や、彼女はこう叫んだ。静かな店内に響く、彼女の声。幸いにもお客さんは誰もいない。そして、彼女がいつも頼むのは、俺がその日にブレンドしたお茶だ。空ちゃんと言うのは、高校の頃からのあだ名である。
「...はいよ」
腫れた目元には気付かないふりをした。時間をかけてゆっくりと淹れたお茶を注ぐ。茶葉の香りと、静かに立ち昇る湯気に包まれ少し落ち着きを取り戻した彼女は、静かに口を開いた。
「...おいし」
そう溢した途端、違う物も溢れ落ちて来た。しゃくりあげながら彼女は、彼と別れた事を俺に告げた。俺に慰めて欲しいとも言った。好きな女にそう言われ、平常心を保てる程俺は出来た男じゃない。
その日からダラダラと関係は続き、俺の横が心地良いと言う彼女の、一番大切な人にはなれず、そうなりたいとも言い出せず月日はただ流れていた。そう、あっという間に。そして、22歳になった頃、突然俺達の関係は終わった。
でも、20歳のある日。突然2人は別れた。はたから見れば何も問題のない2人だったが、原因なんて当人達にしかわからない。彼女は、泣き腫らした目でこの空茶屋に訪れた。
「空ちゃん、空ちゃんブレンド!!」
扉を開けるや否や、彼女はこう叫んだ。静かな店内に響く、彼女の声。幸いにもお客さんは誰もいない。そして、彼女がいつも頼むのは、俺がその日にブレンドしたお茶だ。空ちゃんと言うのは、高校の頃からのあだ名である。
「...はいよ」
腫れた目元には気付かないふりをした。時間をかけてゆっくりと淹れたお茶を注ぐ。茶葉の香りと、静かに立ち昇る湯気に包まれ少し落ち着きを取り戻した彼女は、静かに口を開いた。
「...おいし」
そう溢した途端、違う物も溢れ落ちて来た。しゃくりあげながら彼女は、彼と別れた事を俺に告げた。俺に慰めて欲しいとも言った。好きな女にそう言われ、平常心を保てる程俺は出来た男じゃない。
その日からダラダラと関係は続き、俺の横が心地良いと言う彼女の、一番大切な人にはなれず、そうなりたいとも言い出せず月日はただ流れていた。そう、あっという間に。そして、22歳になった頃、突然俺達の関係は終わった。
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