発達障害の長男と母としての私

遥彼方

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私が長男を本気で殺そうと思った時

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過激なサブタイトルの通りの内容です。
ごめんなさい。

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今までどちらかというと、前向きなことを書いてきましたが、今回は違います。

私の暗くて醜い部分です。気分を害される方もおられるかもしれないと思いますが、その上で書きます。

これから書くのは、長男が発達障害だとわかる前の話です。

時々、私は長男がどうしようもなく憎たらしく感じました。
どんなに一生懸命諭しても、優しく言い聞かせても、怒鳴り付けようとも、時には涙ながらに訴えてみても、長男は自分が「こう」だと思った事が出来なければ、酷く癇癪を起こします。

子供の泣き声はサイレンです。酷く心を掻きむしります。力一杯耳障りなサイレンを鳴らしながら、私を叩き、物を投げたり、物に噛みついたりします。

私は、何度か長男に手を上げました。

私がやったのは、躾とか愛の鞭ではありません。虐待です。

私が手を上げたのは、腹が立ったからです。

何かを教えるために振るう暴力ではありません。ただの感情の爆発のままの暴力です。

私へ怒りをぶつけるこの子へ、逆に怒りをぶつけないと気が済まない。この泣き声を、私への恐怖に変えないと収まらない。

恐怖で一時的に泣き止んだ長男を見て、スッとする。

最低の行為で、最低の感情です。

躾ならば、手を上げるなり怒鳴るなりしても、必ず道理を通し、愛情を持って諭してやらなければならないのです。
まあ、手を上げたり怒鳴らないのが一番ですけどね。

私がやったのは、そんなもの抜きのただの虐待。弁明もありません。

しかし、殺意までは湧きませんでした。言い訳のようですが、手を上げた回数も、そう多くはありません。ただ、これも私の負の部分なので、同じ話の中で書きました。


ここからが物騒なサブタイトルである、私が長男を本気で殺そうと思った時です。

うちは夫の両親との同居で、私たちは二階を寝室にしています。
毎朝、私は長男を抱いて階段を降りていました。そうしなければ機嫌を損ねて、手が付けられなくなるからです。

いつものように抱いて降りようとしたとき、間の悪いことに次男が起きてしまいました。

私は長男に「次男も連れて降りるからちょっと待って」と言いました。長男は不機嫌になって、「行くな。次男なんか置いていけ」と怒りましたが、そうはいかないんだと言って寝室に戻り、次男を抱いて長男の元へ戻りました。

階段は危ないので、歩いて降りようと言ってみましたが、案の定「嫌だ、抱っこ!」と怒りました。

たまにこういう時とありましたので、私は次男を片手で抱いてしゃがみ、背中においでと言いました。

しかし、長男はもうご機嫌斜めから進んで、既に癇癪の状態。こうなると、何を言おうともう駄目です。

私は次男を抱いたまま、長男の感情が落ちつくまで待つことにしました。ところが、泣いても叩いても言うことを聞いてくれない私に、長男はさらに癇癪がエスカレート。

こいつのせいだと思ったのでしょう。私の腕の中の次男を引き摺り下ろそうと、力一杯引っ張ったのです。

次男はまだ二ヶ月。首もすわっていない赤ちゃんが、私の腕から転がり落ちれば死んでしまう。

そう思った時、私の頭の中でスイッチがスパンと切り替わりました。

私の長男から、次男を殺そうとする殺人鬼へ。
殺さないと、この子が殺される、と。

このまま階段から突き落としてやろうか。
首でも絞めてやろうか。
どちらにしようかと、今も次男を引き摺り下ろそうと暴れる長男をみつめました。

心は煮えくり返っているのに、頭は恐ろしく冷静な感覚。怒り狂いながら、冷たく思考は回りました。

もし今この子を殺せば、次男はどうなるのだろう、と。

頭だけでなく、心も冷えました。
心が冷えたら、私さえしっかり次男を抱いていれば、長男が引き摺り下ろせる訳がないと気が付きました。

なに考えてたんだ。馬鹿らしい。とは、思えませんでした。今でも思えません。
あの時の私の殺意は本物で、今でも私はそれを否定していないのです。今現在、長男と良好な関係と、愛情を持っている現在の私でさえ、否定していない。

何度でもあの場面がくれば、同じ殺意を抱き、同じように止めるでしょう。

止めた理由は、長男への愛情は欠片もない。次男への愛情のみ。

あの時の感情は忘れられません。
そして、誰にも話してもいません。

ただ、思い止まって良かった。それだけです。
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