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第12話「美談という名の呪い」
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王国内でも篤志家と名高いシンチェーロ侯爵を不実な男へと貶めたのは、眼前に居るこの男だろうか。
それとも、今やシンチェーロ侯爵が縋った所で届かない程に、遠くへと行ってしまった愛娘だろうか。
「――ポルコ公子が直々に臨席なさるとは、驚きましたよ」
「今日は、些か込み入った話もありますからな。義父上殿」
事務的な手続きは両家の政務官が進める為、形式的な顔合わせではあるものの、実に二年ぶりに彼等は対峙した。
ポルコとシンチェーロ侯爵の間に漂う空気は、表面的な礼儀はあれども冷え切っている。
さもありなん。隣に座る子爵令嬢を養女に迎えさせ、自身に首輪を着けると宣言したも同然の男に対して、シンチェーロ侯爵が温かみを持つ眼差しを向けるはずが無い。
そしてまた、娘を公爵家に売るような真似をしながらも娘の不貞を陰から援助し、尚も聖人君子ぶる男に対して、ポルコが軽蔑を覚えない訳が無いのだ。
「しかし、義父上殿――随分とお窶れになったようだ。何かと気苦労も多い事でしょう」
ポルコが指摘する通り、シンチェーロ侯爵は以前にポルコが対面した時よりも頬がこけ、首元に皺が目立ち、リリアーナに似た亜麻色の髪も白髪が勝つ有様だ。
労わるようでまるでその原因には他人事じみたポルコの言葉に、シンチェーロ侯爵は眉間に皺を寄せながら、皮肉めいた声で応えた。
「ポルコ公子もまあ――別人のようになられて。そちらのお嬢さんへの愛が為せる業なのでしょうね」
シンチェーロ侯爵が指摘する通り、ポルコからはかつてのような無気力な肥満体の青年の面影は消えている。
決して美男子とは呼べないが、その精悍な顔付きは鍛えた体躯に相俟って、実年齢以上の迫力を醸し出していた。
「これから義父上殿の娘になるのです。その呼び方は、些か他人行儀が過ぎますな」
ポルコはいちいちと説明しなかった。しかし、シンチェーロ侯爵はこれを肯定と受け取ったようだ。
こうあって欲しい物語を前提に事象を歪曲し、思考を組み立てるのは、父娘共によく似ているらしい。
「叙爵一代限りの子爵の令嬢では、家格が釣り合いませんからね。なるほど――ポルコ公子らしい、お考えです」
ですが、とシンチェーロ侯爵は呟いて言葉を継いだ。
「私の娘はリリアーナ唯一人――最早私と公子の間柄は、義父でも無ければ婿でも無い」
きっぱりと言い切ったシンチェーロ侯爵に、ポルコはならば、と分厚い資料の束を差し向けた。
一枚一枚捲りながら仔細を説明するポルコの声に、凛としていたシンチェーロ侯爵の顔は、少しずつ色を失っていく。
「――元婚約者殿へ俺が贈った品々を、義父上殿が侯爵領の運営に充てていたのは、俺を息子と思っての行いでは無かったと?」
マンツォ公爵がこの長年に亘る裏切りを把握した上で侯爵を泳がせていたと知ったポルコは、背筋に薄ら寒い物を覚えながらも、仔細を記録している抜かりの無さに感謝する。
何時ぞやの夜会でリリアーナが着ていたドレスも、ポルコが贈ったものとはまるで違うデザインだった。
「この数年に渡る裏切りを公爵家が寛恕していたのは、偏にシンチェーロ侯爵が俺の義父になる人だからです。その縁を切るおつもりなら、こちらは返還を請求しましょう」
「確かに……ポルコ公子からの贈り物を、勝手に領民の為に使った事は――申し訳無く思います。しかし、所有権はこちらにあるのでは?」
「シンチェーロ侯爵が俺の義父では無くなるならば、贈与の解除条件が成立します。返還が不能とあれば、然るべき場所に訴え出る外ありませんな」
裏取りの際、ポルコが婚約者として贈った品々がシンチェーロ侯爵により横流しされていた件は、心優しきリリアーナの親孝行として美談にされていた。
だが、現実に横たわるのは、自分の財布に空いた穴すら繕えない夢想家がつけるべき清算だ。
「シンチェーロ侯爵、貴方に出来るのは引き続き俺の義父として生きる事だ」
「……さもなくば、私を訴えると?」
「然り。篤志家と名高いシンチェーロ侯爵の手癖の悪さを、世間はどう受け止めるでしょうな?」
ポルコの言葉にシンチェーロ侯爵は瞳を揺らし、糸が切れた人形のように応接椅子へと深く座り込んだ。
「しかし……私は、そちらのお嬢さんを、娘とは思えない」
「……シンチェーロ侯爵。私も、あなたを父とは思えません。ですが、あなたはリリアーナ嬢の行いを見過ごした責任を、取るべきだと思います」
詰るでもなく、自らの思いを述べたビアンカを見つめるシンチェーロ侯爵の目は、赤く潤んだ。
彼も内心では、理解していたのだ。心優しきリリアーナと隣国の皇子カルロスの美しい恋が、道ならぬ恋であることを。
それでも、愛する娘の笑顔を曇らせること以上の悪徳は、シンチェーロ侯爵にとって存在しなかったのだ。
「私は……間違って、いたのだろうか?」
「少なくとも、あなただけはリリアーナ嬢の恋を止めるべきだったと……私は思います」
ビアンカはシンチェーロ侯爵を、哀れとは思わない。だが、一番近くに居た家族から、過ちを見過ごされたリリアーナに対しては、複雑な感情を抱いていた。
その気持ちが瞳越しに伝わったのか、両手で顔を覆って嗚咽するシンチェーロ侯爵に、ポルコは溜め息を噛み殺して告げた。
「ビアンカは引き続き公爵家で過ごす為、部屋の準備は不要です。しかし養女に迎える証文には、期日までに必ず押印頂きたい」
「…………わかっ、た……っ」
ポルコはビアンカを伴い、憚ることなく啜り泣くシンチェーロ侯爵を置いて、応接室を後にする。
リリアーナが去った侯爵家のタウンハウスは手入れが行き届いていないらしく、何処か見窄らしく感じられた。
「……シンチェーロ侯爵は、大丈夫でしょうか?」
「ああして自己憐憫に酔っているうちは、死にはしないだろう」
「またそんな言い方して……」
履き慣れない高い踵の靴と、捌き慣れないドレスの裾を気にしながら、ビアンカはちょこちょことポルコの隣を歩く。
そうしながらも、ポルコを見上げて苦言を呈すビアンカの忙しい様に、ポルコは自身の片腕を差し出した。
「掴んで歩いたら、多少は楽になるんじゃないか?」
「……そうします」
ポルコのぎこちないエスコートのもと、辿り着いた魔導力車の中には、何時もよりひりついた面持ちの公爵家の諜報員が待っていた。
「ポルコ様、先程届いた情報です」
諜報員が差し出した、暗号で書かれた文面には、
『リリアーナ、帝国貴族の茶会中暗殺未遂。犯人確保済。命に別状無し』
と書かれている。
「犯人の素性と背景は?」
「カルロス皇子の婚約者候補であった、神聖帝国の筆頭公爵家の令嬢……とのことです」
「聖愛教団に懐疑的な立場の帝国貴族の首領か。また随分と、都合が良い話だな」
魔導力車の車内には防音魔術は効いているが、ポルコと諜報員は声を潜めて密談を深める。
「現場は聖女リリアーナが帝国の第一皇子カルロスの婚約者に内定したとの由を、周知する茶会です」
「……出来すぎだな」
これがリリアーナを飾る為の因果による演出なのか、聖愛教団或いはカルロス自身による仕掛けなのかは判別し難い。
しかし武藤の生前の知識に準えれば、王国で繰り広げられた以上の惨劇が予想されるには、十分な状況が揃っている。
「教団側の自作自演の筋で、情報を洗ってみますか?」
「深追いは禁物だ。藪をつついて蛇を出すと厄介だからな」
帝国に潜入している諜報員達はバルドが開発した隠密魔術を用いて気配を遮断しているものの、これも万能ではない。
ポルコが求めるべきは事の真相ではなく、彼等が王国に再侵入する気配の感知だ。
「それでは本件には深入りせず、引き続き帝国の聖女一味らの動きを調査いたします」
「ああ。任せるぞ」
反対側の扉から諜報員が去り、魔導力車が動き出した所で、ビアンカは何時もより固い声でポルコに訊ねた。
「帝国では……粛清が起きるのでしょうか?」
「アズーロ卿を陥れて、即座に刺客を放ったような連中だ。手緩い真似はしないだろう」
ポルコの返答に、ビアンカは思い浮かぶ事態への恐怖を抑え込むように、ポルコの二の腕をぎゅっと掴んだ。
「どうして、アモール神は愛を教義にしているのに……カルロス皇子は、残酷なことばかりするんでしょうか」
「……自分達とそれ以外に分けて見せしめを作った方が、やりやすいからだろうな」
あくまで武藤の記憶による一般論だが、ポルコは概ね的を射ていると考える。
かの公爵令嬢はかつての自分であり、因果に呑まれた者の一人だ。
脳裏を過ぎる、涙ぐんで憐れみの言葉を紡ぐリリアーナの姿は、不気味に滲んでいた。
それとも、今やシンチェーロ侯爵が縋った所で届かない程に、遠くへと行ってしまった愛娘だろうか。
「――ポルコ公子が直々に臨席なさるとは、驚きましたよ」
「今日は、些か込み入った話もありますからな。義父上殿」
事務的な手続きは両家の政務官が進める為、形式的な顔合わせではあるものの、実に二年ぶりに彼等は対峙した。
ポルコとシンチェーロ侯爵の間に漂う空気は、表面的な礼儀はあれども冷え切っている。
さもありなん。隣に座る子爵令嬢を養女に迎えさせ、自身に首輪を着けると宣言したも同然の男に対して、シンチェーロ侯爵が温かみを持つ眼差しを向けるはずが無い。
そしてまた、娘を公爵家に売るような真似をしながらも娘の不貞を陰から援助し、尚も聖人君子ぶる男に対して、ポルコが軽蔑を覚えない訳が無いのだ。
「しかし、義父上殿――随分とお窶れになったようだ。何かと気苦労も多い事でしょう」
ポルコが指摘する通り、シンチェーロ侯爵は以前にポルコが対面した時よりも頬がこけ、首元に皺が目立ち、リリアーナに似た亜麻色の髪も白髪が勝つ有様だ。
労わるようでまるでその原因には他人事じみたポルコの言葉に、シンチェーロ侯爵は眉間に皺を寄せながら、皮肉めいた声で応えた。
「ポルコ公子もまあ――別人のようになられて。そちらのお嬢さんへの愛が為せる業なのでしょうね」
シンチェーロ侯爵が指摘する通り、ポルコからはかつてのような無気力な肥満体の青年の面影は消えている。
決して美男子とは呼べないが、その精悍な顔付きは鍛えた体躯に相俟って、実年齢以上の迫力を醸し出していた。
「これから義父上殿の娘になるのです。その呼び方は、些か他人行儀が過ぎますな」
ポルコはいちいちと説明しなかった。しかし、シンチェーロ侯爵はこれを肯定と受け取ったようだ。
こうあって欲しい物語を前提に事象を歪曲し、思考を組み立てるのは、父娘共によく似ているらしい。
「叙爵一代限りの子爵の令嬢では、家格が釣り合いませんからね。なるほど――ポルコ公子らしい、お考えです」
ですが、とシンチェーロ侯爵は呟いて言葉を継いだ。
「私の娘はリリアーナ唯一人――最早私と公子の間柄は、義父でも無ければ婿でも無い」
きっぱりと言い切ったシンチェーロ侯爵に、ポルコはならば、と分厚い資料の束を差し向けた。
一枚一枚捲りながら仔細を説明するポルコの声に、凛としていたシンチェーロ侯爵の顔は、少しずつ色を失っていく。
「――元婚約者殿へ俺が贈った品々を、義父上殿が侯爵領の運営に充てていたのは、俺を息子と思っての行いでは無かったと?」
マンツォ公爵がこの長年に亘る裏切りを把握した上で侯爵を泳がせていたと知ったポルコは、背筋に薄ら寒い物を覚えながらも、仔細を記録している抜かりの無さに感謝する。
何時ぞやの夜会でリリアーナが着ていたドレスも、ポルコが贈ったものとはまるで違うデザインだった。
「この数年に渡る裏切りを公爵家が寛恕していたのは、偏にシンチェーロ侯爵が俺の義父になる人だからです。その縁を切るおつもりなら、こちらは返還を請求しましょう」
「確かに……ポルコ公子からの贈り物を、勝手に領民の為に使った事は――申し訳無く思います。しかし、所有権はこちらにあるのでは?」
「シンチェーロ侯爵が俺の義父では無くなるならば、贈与の解除条件が成立します。返還が不能とあれば、然るべき場所に訴え出る外ありませんな」
裏取りの際、ポルコが婚約者として贈った品々がシンチェーロ侯爵により横流しされていた件は、心優しきリリアーナの親孝行として美談にされていた。
だが、現実に横たわるのは、自分の財布に空いた穴すら繕えない夢想家がつけるべき清算だ。
「シンチェーロ侯爵、貴方に出来るのは引き続き俺の義父として生きる事だ」
「……さもなくば、私を訴えると?」
「然り。篤志家と名高いシンチェーロ侯爵の手癖の悪さを、世間はどう受け止めるでしょうな?」
ポルコの言葉にシンチェーロ侯爵は瞳を揺らし、糸が切れた人形のように応接椅子へと深く座り込んだ。
「しかし……私は、そちらのお嬢さんを、娘とは思えない」
「……シンチェーロ侯爵。私も、あなたを父とは思えません。ですが、あなたはリリアーナ嬢の行いを見過ごした責任を、取るべきだと思います」
詰るでもなく、自らの思いを述べたビアンカを見つめるシンチェーロ侯爵の目は、赤く潤んだ。
彼も内心では、理解していたのだ。心優しきリリアーナと隣国の皇子カルロスの美しい恋が、道ならぬ恋であることを。
それでも、愛する娘の笑顔を曇らせること以上の悪徳は、シンチェーロ侯爵にとって存在しなかったのだ。
「私は……間違って、いたのだろうか?」
「少なくとも、あなただけはリリアーナ嬢の恋を止めるべきだったと……私は思います」
ビアンカはシンチェーロ侯爵を、哀れとは思わない。だが、一番近くに居た家族から、過ちを見過ごされたリリアーナに対しては、複雑な感情を抱いていた。
その気持ちが瞳越しに伝わったのか、両手で顔を覆って嗚咽するシンチェーロ侯爵に、ポルコは溜め息を噛み殺して告げた。
「ビアンカは引き続き公爵家で過ごす為、部屋の準備は不要です。しかし養女に迎える証文には、期日までに必ず押印頂きたい」
「…………わかっ、た……っ」
ポルコはビアンカを伴い、憚ることなく啜り泣くシンチェーロ侯爵を置いて、応接室を後にする。
リリアーナが去った侯爵家のタウンハウスは手入れが行き届いていないらしく、何処か見窄らしく感じられた。
「……シンチェーロ侯爵は、大丈夫でしょうか?」
「ああして自己憐憫に酔っているうちは、死にはしないだろう」
「またそんな言い方して……」
履き慣れない高い踵の靴と、捌き慣れないドレスの裾を気にしながら、ビアンカはちょこちょことポルコの隣を歩く。
そうしながらも、ポルコを見上げて苦言を呈すビアンカの忙しい様に、ポルコは自身の片腕を差し出した。
「掴んで歩いたら、多少は楽になるんじゃないか?」
「……そうします」
ポルコのぎこちないエスコートのもと、辿り着いた魔導力車の中には、何時もよりひりついた面持ちの公爵家の諜報員が待っていた。
「ポルコ様、先程届いた情報です」
諜報員が差し出した、暗号で書かれた文面には、
『リリアーナ、帝国貴族の茶会中暗殺未遂。犯人確保済。命に別状無し』
と書かれている。
「犯人の素性と背景は?」
「カルロス皇子の婚約者候補であった、神聖帝国の筆頭公爵家の令嬢……とのことです」
「聖愛教団に懐疑的な立場の帝国貴族の首領か。また随分と、都合が良い話だな」
魔導力車の車内には防音魔術は効いているが、ポルコと諜報員は声を潜めて密談を深める。
「現場は聖女リリアーナが帝国の第一皇子カルロスの婚約者に内定したとの由を、周知する茶会です」
「……出来すぎだな」
これがリリアーナを飾る為の因果による演出なのか、聖愛教団或いはカルロス自身による仕掛けなのかは判別し難い。
しかし武藤の生前の知識に準えれば、王国で繰り広げられた以上の惨劇が予想されるには、十分な状況が揃っている。
「教団側の自作自演の筋で、情報を洗ってみますか?」
「深追いは禁物だ。藪をつついて蛇を出すと厄介だからな」
帝国に潜入している諜報員達はバルドが開発した隠密魔術を用いて気配を遮断しているものの、これも万能ではない。
ポルコが求めるべきは事の真相ではなく、彼等が王国に再侵入する気配の感知だ。
「それでは本件には深入りせず、引き続き帝国の聖女一味らの動きを調査いたします」
「ああ。任せるぞ」
反対側の扉から諜報員が去り、魔導力車が動き出した所で、ビアンカは何時もより固い声でポルコに訊ねた。
「帝国では……粛清が起きるのでしょうか?」
「アズーロ卿を陥れて、即座に刺客を放ったような連中だ。手緩い真似はしないだろう」
ポルコの返答に、ビアンカは思い浮かぶ事態への恐怖を抑え込むように、ポルコの二の腕をぎゅっと掴んだ。
「どうして、アモール神は愛を教義にしているのに……カルロス皇子は、残酷なことばかりするんでしょうか」
「……自分達とそれ以外に分けて見せしめを作った方が、やりやすいからだろうな」
あくまで武藤の記憶による一般論だが、ポルコは概ね的を射ていると考える。
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