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君と僕
しおりを挟む9月だと言うのに、まだ蒸し暑い。
俺は額から滲み出る汗を手の甲で拭き取った。
「あっぢぃ…」
俺の隣から聞こえる愛おしくて堪らない声。
チラッと横を見た。黒髪で前髪は汗でべっとりとくっついてる。暑い暑いと団扇でパタパタ扇いでる。
そう、俺が小さい頃からずっと見てきた歩だ。
「何でお前の家のクーラーぶっ壊れてんだよ」
ブツブツと文句言いながらぐーだら過ごしてる。
「しょうがないじゃない、突然ぶっ壊れたんだもん。文句言うならクーラーに言ってよ」
笑いながら歩の問いに答えたが歩は暑さのせいか聞いてなさそうだった。
「我慢出来ん。祥太郎の家に行こう」
歩はパタパタ扇いでた団扇の動きをピタッと止め立ち上がるなりそう言った。俺は2人で過ごしたかったんだけどな…と内心思いながら軽く首を縦に振った。
「暑過ぎて、歩が溶けていなくなるのは嫌だな」
と言うと歩は、だろ?と笑いながら荷物を持ち俺の部屋から出て行った。俺は歩の後を慌ててついていった。
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