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第二章
28.部屋で待ってる
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今日はちょっと無理かもって連絡があって心配になった。
親に何か言われたんじゃないかって。
次の日は学校休みの土曜日で、仕事から帰ったらしれっと茄治がいたから、驚いた。
「風呂沸いてるよ。それとも先飯?」
そんなことを言われるとたまらなくて、思わずキスをしてしまった。
「それ俺ってこと?」
そういう恥ずかしいこと聞かないでほしい。
「風呂はいろ」
と言ってごまかした。
「一緒に?」
聞かないでほしいのに。絶対変な顔してた。
「兄さんからかうと面白い」
「茄治!」
結局一緒に風呂入った。狭い浴槽に2人で入るとお湯があふれ出た。
「昨日どうかした?」
って聞いてみると、一瞬戸惑って答える。
「大丈夫。ちょっとやることあって」
なんか隠してるような気がした。
「本当に?」
「心配した?」
聞き返してくるから、答えられなくなる。
一緒に住んでた時は風呂に一緒に入ったことなんてなかった。そもそも茄治が入ってる時は洗面所にすら近付かなかった。
欲情したらやばいから。
今こうやって一緒に入ってるのはかなりやばい。目のやり場に困る。
まじまじ見られると恥ずかしい。
「何赤くなってんの?」
「一緒に入ったことなかったし」
そしたら思い出したように茄治が言う。
「そういえば兄さん風呂でナニってなかった?」
「は?」
「洗面所結構わかるんだ」
まさかそんな。バレてたなんて。
「まさか俺で抜いてたとは思わなかったけど」
マジで恥ずかしい。
「女でだと思ったから」
「女なんて」
最初から興味ない。
「だって、一目ぼれだったから」
「何それ」
「俺を引き取るの嫌そうだなって何も期待してなかったのに、茄治を見たらそんなことどうでもよくなった」
「兄さん」
茄治の顔がほころぶ。
「俺だってキレイだなとは思ったよ」
いつも茄治はそう言う。
「それまで女とやってもつまんなくて、最初は好奇心だった」
そんなのわかってたけど。
「入れるときの歪んだ顔にそそられたんだよね」
何だよそれ。ちょっとむくれる。
「だって兄さんすごい我慢してるんだもん」
そうだったっけ?
「そんなに俺とやりたかったの?」
「うるさい」
からかわれると恥ずかしい。
茄治はやっぱりケラケラ笑う。
「でも、その後女とやってもちっとも気持ち良くなかった」
やっぱり女とやってたんだ。
「ずるい」
俺が他の男とやったら怒ったくせに。
「そんな顔しないでよ」
そんな顔ってどんな顔?
「ほんとに最初のちょっとだけだって」
優しく俺のアタマを撫でる。
「三目ぼれっていうの? その方が信憑性あるでしょ」
何言ってんだよと思う。
「何やってもうれしそうだから、ちょっと暴走したけど」
別にそれでも良かった。
「でも、本当に俺の気持ち気付いてなかった?」
正直に答えた。
「知ってた」
「はあ?」
「気付かない振りしたんだ。怖かったから」
「兄さん」
茄治はキスをして、ささやくように言う。
「もう恐くない?」
「茄治」
「逃げないでよ」
風呂で狭いのに向き合って、抱きしめ合ったりしてたらもうやばくて。
ずっとたちっぱなしのそこがうずいてくる。
「もう離さない」
風呂でもやって、出てからもやって、終電で家に帰す。
もちろん茄治は泊まりたがっていたけど、無理矢理帰す。
曲がりなりにも元兄さんだから、ちゃんとしないと、ね。
親に何か言われたんじゃないかって。
次の日は学校休みの土曜日で、仕事から帰ったらしれっと茄治がいたから、驚いた。
「風呂沸いてるよ。それとも先飯?」
そんなことを言われるとたまらなくて、思わずキスをしてしまった。
「それ俺ってこと?」
そういう恥ずかしいこと聞かないでほしい。
「風呂はいろ」
と言ってごまかした。
「一緒に?」
聞かないでほしいのに。絶対変な顔してた。
「兄さんからかうと面白い」
「茄治!」
結局一緒に風呂入った。狭い浴槽に2人で入るとお湯があふれ出た。
「昨日どうかした?」
って聞いてみると、一瞬戸惑って答える。
「大丈夫。ちょっとやることあって」
なんか隠してるような気がした。
「本当に?」
「心配した?」
聞き返してくるから、答えられなくなる。
一緒に住んでた時は風呂に一緒に入ったことなんてなかった。そもそも茄治が入ってる時は洗面所にすら近付かなかった。
欲情したらやばいから。
今こうやって一緒に入ってるのはかなりやばい。目のやり場に困る。
まじまじ見られると恥ずかしい。
「何赤くなってんの?」
「一緒に入ったことなかったし」
そしたら思い出したように茄治が言う。
「そういえば兄さん風呂でナニってなかった?」
「は?」
「洗面所結構わかるんだ」
まさかそんな。バレてたなんて。
「まさか俺で抜いてたとは思わなかったけど」
マジで恥ずかしい。
「女でだと思ったから」
「女なんて」
最初から興味ない。
「だって、一目ぼれだったから」
「何それ」
「俺を引き取るの嫌そうだなって何も期待してなかったのに、茄治を見たらそんなことどうでもよくなった」
「兄さん」
茄治の顔がほころぶ。
「俺だってキレイだなとは思ったよ」
いつも茄治はそう言う。
「それまで女とやってもつまんなくて、最初は好奇心だった」
そんなのわかってたけど。
「入れるときの歪んだ顔にそそられたんだよね」
何だよそれ。ちょっとむくれる。
「だって兄さんすごい我慢してるんだもん」
そうだったっけ?
「そんなに俺とやりたかったの?」
「うるさい」
からかわれると恥ずかしい。
茄治はやっぱりケラケラ笑う。
「でも、その後女とやってもちっとも気持ち良くなかった」
やっぱり女とやってたんだ。
「ずるい」
俺が他の男とやったら怒ったくせに。
「そんな顔しないでよ」
そんな顔ってどんな顔?
「ほんとに最初のちょっとだけだって」
優しく俺のアタマを撫でる。
「三目ぼれっていうの? その方が信憑性あるでしょ」
何言ってんだよと思う。
「何やってもうれしそうだから、ちょっと暴走したけど」
別にそれでも良かった。
「でも、本当に俺の気持ち気付いてなかった?」
正直に答えた。
「知ってた」
「はあ?」
「気付かない振りしたんだ。怖かったから」
「兄さん」
茄治はキスをして、ささやくように言う。
「もう恐くない?」
「茄治」
「逃げないでよ」
風呂で狭いのに向き合って、抱きしめ合ったりしてたらもうやばくて。
ずっとたちっぱなしのそこがうずいてくる。
「もう離さない」
風呂でもやって、出てからもやって、終電で家に帰す。
もちろん茄治は泊まりたがっていたけど、無理矢理帰す。
曲がりなりにも元兄さんだから、ちゃんとしないと、ね。
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