17 / 31
第17話
しおりを挟む
そういえば、もう先輩とキスしてたんだっけ? ただ、たまってたのかと思ったから、ちゃんと考えてなかった。俺を好きだと思ってしたの? え? マジで?
その時のことを思い出して、顔がほてったり、悪寒がしたりしてたら、先輩に言われた。
「何? 時間差?」
「先輩が変なこと言うから」
「瞬太は無防備過ぎるんだよ。もっと気を付けろよ」
そんなつもりはないのだけど、前に襲われそうになったことを思い出し、慌てて頭から追い払った。
「ちょっと早いけど、夕飯の店行く? 酒飲めないんだっけ?」
「飲めます。少しは」
「ビール嫌いなのに?」
「他のもの飲むからいいんです」
「ははは。俺はビール飲もう」
先輩が何飲もうと勝手だけど、当てつけじゃないよね?
「あの、でも、さっきホットケーキ食べたから全然お腹空いてない」
「そういえばそうだったな」
先輩はまたどうしようと悩み出したので俺は言った。
「いいです。先輩の家でも」
「人の忠告無視して」
「気を付けるので」
「は?」
「ちゃんと警戒して行くし」
「お前な」
それに、本当は嫌じゃなかった。田所さんの時は吐きそうなほど嫌だったのに。原田先輩のこと好きなわけじゃないけど、でも。
「先輩ひとり暮らしなんですか?」
「いや」
え? 何だ。家族いるのか。警戒して損したと思った。
「親父がいるけど、帰ってこないこともしょっちゅう。出張とか、女の家行ったりとか」
うわっ。やばいこと聞いちゃった。
「お母さんは?」
「離婚したから親父だけ」
「そうなんですね」
うちは両親そろってるから、よくわからない。
「まあ今日は確実に帰ってこないけど」
先輩はニヤニヤとした顔で言う。
「別にいいです。自分の身は自分で守れますから」
先輩はあっそと呆れた顔をした。
「じゃあ、宅飲みにする?」
「え?」
「スーパーとかで寿司買って」
「別に寿司にこだわらなくても何でもいいですよ」
「そう?」
なんとなくそういう雰囲気になって、一緒に原田先輩の家に向かった。
東上線はあまり使ったことない。西武池袋線と平行して走ってるから、使い道がないのだ。
先輩の家は各駅しか止まらない駅のようで、途中の駅で通過待ちがあった。といっても、池袋から8駅だからだいぶ近いけど。
うちは練馬区のぎりぎり端で、ほとんど西東京市だから、先輩の家より電車に乗ってる時間が長い。
駅前のスーパーで買い出しをした。
俺は缶チューハイ、先輩はビール。それに少し飲めると言ったらワインも買っていた。お金は例によって出させてくれなかったけど。
まあ先輩みたいにアルバイトしてるわけじゃないし、親からの小遣いだけだけど。
先輩の家は男の二人暮らしにしてはきれいだった。先輩は結構きれい好きのようだ。俺はあまり掃除は得意じゃないけど、汚くしてると姉貴に勝手に片付けられちゃうから、仕方なくなんとかしている。
棚の中はごちゃごちゃだったりするけど。
ちゃぶ台がある部屋に通され、そこに買ってきた食料を置いた。
「自炊とかするんですか?」
「たまにな」
お父さんは家事はしてくれるけど、料理はしない人らしく、代わりに先輩がやってたとか。最近はあまり家に寄りつかないから自分のために作るくらいらしい。
最初はお腹空いてなかったから、酒と簡単なつまみだけ食べていたら、いい感じに酒が回ってきた。
「瞬太、良かったら、酔った勢いで名前で呼んでよ」
とか先輩が無茶なことを言い出した。
「呼びません」
「相変わらずの塩対応だな」
「それでもいいって言ったのは先輩でしょ」
「そういう意味じゃないと思うけどな。ま、いいけど」
そもそも瞬太って呼ぶのも許可した覚えないのに。別に嫌ではないけど、なんとなく。なんとなくなんだろう。
そんなこと考えてたら、俺のスマホの着信音が鳴って、驚いた。
「やば、姉貴だ」
そういえば夕飯食べるって連絡してなかった。
「ちょっと、すみません」
と言って廊下に向かおうとしたら、先輩が口を挟んできた。
「俺のうちいるとか言うなよ」
「え? はあ」
言ったらまずいのかな?
姉貴に夕飯食べるなら連絡してって言ってるでしょと怒られた。どこにいるかまでは聞かれなかったけど。
サークルの打ち上げとか適当に言っておいた。
「原田君はいるの?」
って聞かれてドキッとしたけど。まあ、一応と言って切った。
その時のことを思い出して、顔がほてったり、悪寒がしたりしてたら、先輩に言われた。
「何? 時間差?」
「先輩が変なこと言うから」
「瞬太は無防備過ぎるんだよ。もっと気を付けろよ」
そんなつもりはないのだけど、前に襲われそうになったことを思い出し、慌てて頭から追い払った。
「ちょっと早いけど、夕飯の店行く? 酒飲めないんだっけ?」
「飲めます。少しは」
「ビール嫌いなのに?」
「他のもの飲むからいいんです」
「ははは。俺はビール飲もう」
先輩が何飲もうと勝手だけど、当てつけじゃないよね?
「あの、でも、さっきホットケーキ食べたから全然お腹空いてない」
「そういえばそうだったな」
先輩はまたどうしようと悩み出したので俺は言った。
「いいです。先輩の家でも」
「人の忠告無視して」
「気を付けるので」
「は?」
「ちゃんと警戒して行くし」
「お前な」
それに、本当は嫌じゃなかった。田所さんの時は吐きそうなほど嫌だったのに。原田先輩のこと好きなわけじゃないけど、でも。
「先輩ひとり暮らしなんですか?」
「いや」
え? 何だ。家族いるのか。警戒して損したと思った。
「親父がいるけど、帰ってこないこともしょっちゅう。出張とか、女の家行ったりとか」
うわっ。やばいこと聞いちゃった。
「お母さんは?」
「離婚したから親父だけ」
「そうなんですね」
うちは両親そろってるから、よくわからない。
「まあ今日は確実に帰ってこないけど」
先輩はニヤニヤとした顔で言う。
「別にいいです。自分の身は自分で守れますから」
先輩はあっそと呆れた顔をした。
「じゃあ、宅飲みにする?」
「え?」
「スーパーとかで寿司買って」
「別に寿司にこだわらなくても何でもいいですよ」
「そう?」
なんとなくそういう雰囲気になって、一緒に原田先輩の家に向かった。
東上線はあまり使ったことない。西武池袋線と平行して走ってるから、使い道がないのだ。
先輩の家は各駅しか止まらない駅のようで、途中の駅で通過待ちがあった。といっても、池袋から8駅だからだいぶ近いけど。
うちは練馬区のぎりぎり端で、ほとんど西東京市だから、先輩の家より電車に乗ってる時間が長い。
駅前のスーパーで買い出しをした。
俺は缶チューハイ、先輩はビール。それに少し飲めると言ったらワインも買っていた。お金は例によって出させてくれなかったけど。
まあ先輩みたいにアルバイトしてるわけじゃないし、親からの小遣いだけだけど。
先輩の家は男の二人暮らしにしてはきれいだった。先輩は結構きれい好きのようだ。俺はあまり掃除は得意じゃないけど、汚くしてると姉貴に勝手に片付けられちゃうから、仕方なくなんとかしている。
棚の中はごちゃごちゃだったりするけど。
ちゃぶ台がある部屋に通され、そこに買ってきた食料を置いた。
「自炊とかするんですか?」
「たまにな」
お父さんは家事はしてくれるけど、料理はしない人らしく、代わりに先輩がやってたとか。最近はあまり家に寄りつかないから自分のために作るくらいらしい。
最初はお腹空いてなかったから、酒と簡単なつまみだけ食べていたら、いい感じに酒が回ってきた。
「瞬太、良かったら、酔った勢いで名前で呼んでよ」
とか先輩が無茶なことを言い出した。
「呼びません」
「相変わらずの塩対応だな」
「それでもいいって言ったのは先輩でしょ」
「そういう意味じゃないと思うけどな。ま、いいけど」
そもそも瞬太って呼ぶのも許可した覚えないのに。別に嫌ではないけど、なんとなく。なんとなくなんだろう。
そんなこと考えてたら、俺のスマホの着信音が鳴って、驚いた。
「やば、姉貴だ」
そういえば夕飯食べるって連絡してなかった。
「ちょっと、すみません」
と言って廊下に向かおうとしたら、先輩が口を挟んできた。
「俺のうちいるとか言うなよ」
「え? はあ」
言ったらまずいのかな?
姉貴に夕飯食べるなら連絡してって言ってるでしょと怒られた。どこにいるかまでは聞かれなかったけど。
サークルの打ち上げとか適当に言っておいた。
「原田君はいるの?」
って聞かれてドキッとしたけど。まあ、一応と言って切った。
0
あなたにおすすめの小説
もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?
藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。
なんで?どうして?
そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。
片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。
勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。
お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。
少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。
(R4.11.3 全体に手を入れました)
【ちょこっとネタバレ】
番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。
BL大賞期間内に番外編も完結予定です。
ファントムペイン
粒豆
BL
事故で手足を失ってから、恋人・夜鷹は人が変わってしまった。
理不尽に怒鳴り、暴言を吐くようになった。
主人公の燕は、そんな夜鷹と共に暮らし、世話を焼く。
手足を失い、攻撃的になった夜鷹の世話をするのは決して楽ではなかった……
手足を失った恋人との生活。鬱系BL。
※四肢欠損などの特殊な表現を含みます。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
デコボコな僕ら
天渡清華
BL
スター文具入社2年目の宮本樹は、小柄・顔に自信がない・交際経験なしでコンプレックスだらけ。高身長・イケメン・実家がセレブ(?)でその上優しい同期の大沼清文に内定式で一目惚れしたが、コンプレックスゆえに仲のいい同期以上になれずにいた。
そんな2人がグズグズしながらもくっつくまでのお話です。
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる