18 / 31
第18話
しおりを挟む
「で、お姉さんなんだって?」
「いえ、ただの確認です。姉貴は心配性なので」
「瞬太だから心配なんじゃないか?」
「え?」
原田先輩が何でそんなこと言うのかと思った。
「お前は危なっかしいからな」
原田先輩に促されて、隣に座り直した。そしたら、
「ほら、のこのこと男の家に上がり込んで、無防備だろ」
とかなんとかいいながら後ろから抱きしめられた。
どう反応していいかわからない。
「抵抗するか、離れるかしろよ」
「え?」
「じゃないと襲うぞ」
ばっと体を翻したら、先輩はため息をついた。
「下心ある奴に近付いたら危険だからな」
危険なのは原田先輩の方なんじゃ。っていうかそれをわからせたいのだろうか。
今度はあごの下を左手でもたれて、原田先輩の顔が俺の間近まで近付いてきた。
「抵抗しないのかよ」
キスする寸前くらいに先輩は言う。
「だって」
抵抗したってする人はするし、しない人は元々しない。
流されてるのかもしれない。これが酒の力?
「酔っぱらってんのか?」
「むしろ先輩の方がじゃないですか?」
「何だよそれ」
先輩の顔が俺から離れていった。何故か寂しく感じるのは、俺が酔っぱらってるせい?
先輩はまたちゃぶ台の反対側に向き合って座った。
酔っぱらってなんかいない。まだまだいける。そう思って俺はワインを飲み出した。ビールは苦いけど、ワインは好きだ。
「お前酒の好みが変わってる」
そうなのだろうか。
「ビール飲めないのにワイン好きなんだな」
「俺の勝手じゃないですか」
「最初の飲み会の時飲めば良かったのに」
「え?」
「荘助、あいつは1口でも駄目らしいからソフトドリンクだったけど、お前は飲めるんだろ?」
だって20歳前だからって最初から飲ませてくれなかった。
あれ、そういえば先輩たちは?
「原田先輩っていくつですか?」
「へ?」
「よく考えたら、2年生でまだ19の人もいますよね」
今は18歳が成年だけど、酒飲めるのは20歳になってからだし。
「実は誕生日12月なんだよな」
え? 意外だ。
「しかも荘助の方が誕生日早いんだ」
じゃあ先輩まだお酒飲めないじゃん。
「なのに堂々と……」
「あはは。お前も人のこと言えないだろ」
「俺は公の場では飲んでないですもん」
姉貴に勧められて高3くらいから酒を飲み出したけど、最初はおいしいとも思えなかった。
元カレと色々あって眠れない時にお酒飲んでみたら眠れたことがあって、それから少しずつ飲むようになったのだ。段々おいしいと思えるようになった。姉貴はかなり飲むけど、俺はそこまで量は飲めない。
「どうかしたか?」
「いえ、大丈夫です」
前ほど元カレのこと考えても気持ち悪くなくなったのは何でだろう。原田先輩のおかげ?
ワインを調子に乗って飲み過ぎたのか、トイレに行きたくなった。
「トイレ借りていいですか?」
「いいけど」
先輩が場所を案内してくれて、俺も立ち上がったらちょっとふらっとした。
「おい、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」
やっぱり飲み過ぎたかもしれない。でも、トイレを出たら少しすっきりした。
「大丈夫か?」
「ちょっと酔いがさめました」
「ならいいけど」
スマホで時間を見たら、結構な時間だった。いい加減帰らないと姉貴が心配する。
「あの、俺」
「帰るんなら送ってくよ」
「いや、それはさすがに」
せっかく家にいるのに俺送ってったら往復無駄じゃんと思った。
「一人で帰るのはまずいだろ。それとも泊まってく?」
「いえ、帰ります」
「冗談だよ。即答されるとさすがの俺でも傷つくんだけど」
そんなこと知らない。
「ちょっと待ってて」
と、先輩が言って部屋を出ていった。
やっぱり送ってくれるつもりかな。いい加減悪いから、遠慮したいのだけど。
口直しに水もらっていいかな。と思ったら、テーブルに水が用意されていた。先輩気が利くな。
ごくごくっとだいぶ口に入れたところで気付いた。これ水じゃない。なんか苦いというか酒くさい。あれ?
その後の記憶がなかった。
「いえ、ただの確認です。姉貴は心配性なので」
「瞬太だから心配なんじゃないか?」
「え?」
原田先輩が何でそんなこと言うのかと思った。
「お前は危なっかしいからな」
原田先輩に促されて、隣に座り直した。そしたら、
「ほら、のこのこと男の家に上がり込んで、無防備だろ」
とかなんとかいいながら後ろから抱きしめられた。
どう反応していいかわからない。
「抵抗するか、離れるかしろよ」
「え?」
「じゃないと襲うぞ」
ばっと体を翻したら、先輩はため息をついた。
「下心ある奴に近付いたら危険だからな」
危険なのは原田先輩の方なんじゃ。っていうかそれをわからせたいのだろうか。
今度はあごの下を左手でもたれて、原田先輩の顔が俺の間近まで近付いてきた。
「抵抗しないのかよ」
キスする寸前くらいに先輩は言う。
「だって」
抵抗したってする人はするし、しない人は元々しない。
流されてるのかもしれない。これが酒の力?
「酔っぱらってんのか?」
「むしろ先輩の方がじゃないですか?」
「何だよそれ」
先輩の顔が俺から離れていった。何故か寂しく感じるのは、俺が酔っぱらってるせい?
先輩はまたちゃぶ台の反対側に向き合って座った。
酔っぱらってなんかいない。まだまだいける。そう思って俺はワインを飲み出した。ビールは苦いけど、ワインは好きだ。
「お前酒の好みが変わってる」
そうなのだろうか。
「ビール飲めないのにワイン好きなんだな」
「俺の勝手じゃないですか」
「最初の飲み会の時飲めば良かったのに」
「え?」
「荘助、あいつは1口でも駄目らしいからソフトドリンクだったけど、お前は飲めるんだろ?」
だって20歳前だからって最初から飲ませてくれなかった。
あれ、そういえば先輩たちは?
「原田先輩っていくつですか?」
「へ?」
「よく考えたら、2年生でまだ19の人もいますよね」
今は18歳が成年だけど、酒飲めるのは20歳になってからだし。
「実は誕生日12月なんだよな」
え? 意外だ。
「しかも荘助の方が誕生日早いんだ」
じゃあ先輩まだお酒飲めないじゃん。
「なのに堂々と……」
「あはは。お前も人のこと言えないだろ」
「俺は公の場では飲んでないですもん」
姉貴に勧められて高3くらいから酒を飲み出したけど、最初はおいしいとも思えなかった。
元カレと色々あって眠れない時にお酒飲んでみたら眠れたことがあって、それから少しずつ飲むようになったのだ。段々おいしいと思えるようになった。姉貴はかなり飲むけど、俺はそこまで量は飲めない。
「どうかしたか?」
「いえ、大丈夫です」
前ほど元カレのこと考えても気持ち悪くなくなったのは何でだろう。原田先輩のおかげ?
ワインを調子に乗って飲み過ぎたのか、トイレに行きたくなった。
「トイレ借りていいですか?」
「いいけど」
先輩が場所を案内してくれて、俺も立ち上がったらちょっとふらっとした。
「おい、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」
やっぱり飲み過ぎたかもしれない。でも、トイレを出たら少しすっきりした。
「大丈夫か?」
「ちょっと酔いがさめました」
「ならいいけど」
スマホで時間を見たら、結構な時間だった。いい加減帰らないと姉貴が心配する。
「あの、俺」
「帰るんなら送ってくよ」
「いや、それはさすがに」
せっかく家にいるのに俺送ってったら往復無駄じゃんと思った。
「一人で帰るのはまずいだろ。それとも泊まってく?」
「いえ、帰ります」
「冗談だよ。即答されるとさすがの俺でも傷つくんだけど」
そんなこと知らない。
「ちょっと待ってて」
と、先輩が言って部屋を出ていった。
やっぱり送ってくれるつもりかな。いい加減悪いから、遠慮したいのだけど。
口直しに水もらっていいかな。と思ったら、テーブルに水が用意されていた。先輩気が利くな。
ごくごくっとだいぶ口に入れたところで気付いた。これ水じゃない。なんか苦いというか酒くさい。あれ?
その後の記憶がなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
ファントムペイン
粒豆
BL
事故で手足を失ってから、恋人・夜鷹は人が変わってしまった。
理不尽に怒鳴り、暴言を吐くようになった。
主人公の燕は、そんな夜鷹と共に暮らし、世話を焼く。
手足を失い、攻撃的になった夜鷹の世話をするのは決して楽ではなかった……
手足を失った恋人との生活。鬱系BL。
※四肢欠損などの特殊な表現を含みます。
もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?
藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。
なんで?どうして?
そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。
片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。
勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。
お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。
少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。
(R4.11.3 全体に手を入れました)
【ちょこっとネタバレ】
番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。
BL大賞期間内に番外編も完結予定です。
【完結】初恋のアルファには番がいた—番までの距離—
水樹りと
BL
蛍は三度、運命を感じたことがある。
幼い日、高校、そして大学。
高校で再会した初恋の人は匂いのないアルファ――そのとき彼に番がいると知る。
運命に選ばれなかったオメガの俺は、それでも“自分で選ぶ恋”を始める。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
デコボコな僕ら
天渡清華
BL
スター文具入社2年目の宮本樹は、小柄・顔に自信がない・交際経験なしでコンプレックスだらけ。高身長・イケメン・実家がセレブ(?)でその上優しい同期の大沼清文に内定式で一目惚れしたが、コンプレックスゆえに仲のいい同期以上になれずにいた。
そんな2人がグズグズしながらもくっつくまでのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる