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パートナーのいない夜会2
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両陛下が会場を見渡せる王族席に座っているのでクロヴィスも向かう事にしたが、クロヴィスの機嫌は悪い
「なぁにクロヴィスその顔?」
王妃に問われ
「ミレイユが居ないからですよ…」
こんなに寂しいものだとは思わなかった。
隣に居て当然だと思っていた相手で、ミレイユは何があってもクロヴィスを見限る事はしないと驕りがあった…
「ふふっ…頑張りなさい、でも考えなさいよ?そのやり方はダメです」
クロヴィスはむくれて返事を返さずにいる
貴族の挨拶の行列が後をたたず、両陛下の後ろでただ話を聞いていると
「クロヴィス殿下に娘を紹介したいのですが…」
「いや、私の孫娘を」
「器量がよく、努力家で」
「一曲娘とダンスを、」
「うるさい、私にはミレイユがいる」
「婚約を解消されたと聞きました、うちの娘は淑女中の淑女ですよ」
「解消は、本意ではない」
ジロリと貴族たちを見る
「心を病まれたという噂が…」
「噂だと?噂でミレイユを侮辱するのは許さん、ミレイユの侮辱は私への侮辱と捉える」
「王子の婚約者が不在とは…」
「フランク侯爵はなんと言っておられるのですか?」
「まぁ良いではないか、クロヴィスの好きにさせてやれ」
「陛下!」
「なんじゃ?気に食わないか?」
「いえ、」
「他のものも良いな?」
「「「「はっ」」」」
夜会でクロヴィスに変化があったと囁かれた
クロヴィスがミレイユを庇っている
いつもの取り巻き令嬢を煙たがっている
ミレイユへの悪い噂に怒っている
婚約は解消されている
これをチャンスと捉えた令嬢は次の夜会でクロヴィスに言い寄るが
「私に触れるな」
「私の名前を気安く呼ぶな」
「ミレイユの悪口は許さん、抗議するぞ」
次々と令嬢の家に抗議の手紙を叩きつける
クロヴィスの頑張りでミレイユの社交界での悪い噂はなくなりつつあったのだが、王妃にアドバイスされた、やり方を考えなさいと言う意味を理解していなかった…
今まで取り巻きの令嬢にいい顔をしてきたクロヴィスが掌を返すように煙たがるので、反発を買ってしまう
ミレイユに体罰を行った伯爵夫人の元へある手紙が寄せられた。
『貴女に言われた事を人に話したら、噂になり広まってしまった!クロヴィス様からは嫌われ、親からは怒られ大変な思いをしている、責任を取れ!』
と言う身勝手な手紙だ
ミレイユを逆恨みしている夫人は手紙の相手に、内緒にしていたが事実をと…手紙を返す
ミレイユは城に王子妃教育の為に来ていたが王子と会う事も無かった、なぜ会えないのか?
理由は身体中に火傷やあざの跡があるからだ…と。
その証拠にミレイユのドレスはいつも目立たない色味やロングスリーブを選んでいた。
肌を出したくないのではなく、出せないのだ。令嬢はこれを機とし、クロヴィスにミレイユを諦めさせようと、また噂を流すとあっという間に広がった…
「バカなっ!」
クロヴィスが怒りに満ちた顔でクッションを殴りつける
あざがあるのは、侯爵の家での教育の一貫で、出来の悪い娘に体罰を与えていただの、クロヴィスがミレイユに暴力を振るったからと噂が流れる
フランク侯爵令嬢が雲隠れしているのはそのせいだと噂が広まった
「またか!噂を流したのはだれだ!私がミレイユに暴力を振るうなど…あり得ないだろっ!!」
クロヴィスは新たに雇用した侍従に聞く
取り留めて印象に残らない中肉中背の特徴のない顔の伯爵家の次男アルフと、イケメンで、ナンパ師の侯爵家の次男シリルである
シリルが令嬢をナンパして聞き込みを、アルフは存在感を消しヒソヒソと話をする夫人達の近くで立ち聞きをする。
そうした結果、噂を流したきっかけは例の伯爵夫人であると分かった。
「証拠が欲しい」
クロヴィスがアルフとシリルに言う
「令嬢の手紙ですね?」
アルフが言った
「手に入るか?」
ニヤリと笑うアルフ
令嬢の家は男爵家であった。
男爵家を調べていると、どうもきな臭い取引をしていると言うことが分かった…
アルフが花瓶を出してきて見せる
「贋作か…?」
シリルが言う
「正解です!」
驚くアルフ
「家にも同じものがあるが、色合いや、絵付けが雑なんだよなぁ…」
まじまじと花瓶を見るシリル
「さすが高位貴族ですね!」
「それがどうした?」
苛立つクロヴィス
「今までの取引のことを目を瞑るから、娘の手紙を寄越せと言うだけです。今までの取引と言っても、始めたばかりで二件ほど騙されただけですので、回収して壊します、また同じことを繰り返せば捕まえればいいだけのことなんで!令嬢の部屋に忍び込むのは、流石に気の毒ですから」
「任せた」
「「はい」」
二日後に手紙を手に入れることが出来た。
「なぁにクロヴィスその顔?」
王妃に問われ
「ミレイユが居ないからですよ…」
こんなに寂しいものだとは思わなかった。
隣に居て当然だと思っていた相手で、ミレイユは何があってもクロヴィスを見限る事はしないと驕りがあった…
「ふふっ…頑張りなさい、でも考えなさいよ?そのやり方はダメです」
クロヴィスはむくれて返事を返さずにいる
貴族の挨拶の行列が後をたたず、両陛下の後ろでただ話を聞いていると
「クロヴィス殿下に娘を紹介したいのですが…」
「いや、私の孫娘を」
「器量がよく、努力家で」
「一曲娘とダンスを、」
「うるさい、私にはミレイユがいる」
「婚約を解消されたと聞きました、うちの娘は淑女中の淑女ですよ」
「解消は、本意ではない」
ジロリと貴族たちを見る
「心を病まれたという噂が…」
「噂だと?噂でミレイユを侮辱するのは許さん、ミレイユの侮辱は私への侮辱と捉える」
「王子の婚約者が不在とは…」
「フランク侯爵はなんと言っておられるのですか?」
「まぁ良いではないか、クロヴィスの好きにさせてやれ」
「陛下!」
「なんじゃ?気に食わないか?」
「いえ、」
「他のものも良いな?」
「「「「はっ」」」」
夜会でクロヴィスに変化があったと囁かれた
クロヴィスがミレイユを庇っている
いつもの取り巻き令嬢を煙たがっている
ミレイユへの悪い噂に怒っている
婚約は解消されている
これをチャンスと捉えた令嬢は次の夜会でクロヴィスに言い寄るが
「私に触れるな」
「私の名前を気安く呼ぶな」
「ミレイユの悪口は許さん、抗議するぞ」
次々と令嬢の家に抗議の手紙を叩きつける
クロヴィスの頑張りでミレイユの社交界での悪い噂はなくなりつつあったのだが、王妃にアドバイスされた、やり方を考えなさいと言う意味を理解していなかった…
今まで取り巻きの令嬢にいい顔をしてきたクロヴィスが掌を返すように煙たがるので、反発を買ってしまう
ミレイユに体罰を行った伯爵夫人の元へある手紙が寄せられた。
『貴女に言われた事を人に話したら、噂になり広まってしまった!クロヴィス様からは嫌われ、親からは怒られ大変な思いをしている、責任を取れ!』
と言う身勝手な手紙だ
ミレイユを逆恨みしている夫人は手紙の相手に、内緒にしていたが事実をと…手紙を返す
ミレイユは城に王子妃教育の為に来ていたが王子と会う事も無かった、なぜ会えないのか?
理由は身体中に火傷やあざの跡があるからだ…と。
その証拠にミレイユのドレスはいつも目立たない色味やロングスリーブを選んでいた。
肌を出したくないのではなく、出せないのだ。令嬢はこれを機とし、クロヴィスにミレイユを諦めさせようと、また噂を流すとあっという間に広がった…
「バカなっ!」
クロヴィスが怒りに満ちた顔でクッションを殴りつける
あざがあるのは、侯爵の家での教育の一貫で、出来の悪い娘に体罰を与えていただの、クロヴィスがミレイユに暴力を振るったからと噂が流れる
フランク侯爵令嬢が雲隠れしているのはそのせいだと噂が広まった
「またか!噂を流したのはだれだ!私がミレイユに暴力を振るうなど…あり得ないだろっ!!」
クロヴィスは新たに雇用した侍従に聞く
取り留めて印象に残らない中肉中背の特徴のない顔の伯爵家の次男アルフと、イケメンで、ナンパ師の侯爵家の次男シリルである
シリルが令嬢をナンパして聞き込みを、アルフは存在感を消しヒソヒソと話をする夫人達の近くで立ち聞きをする。
そうした結果、噂を流したきっかけは例の伯爵夫人であると分かった。
「証拠が欲しい」
クロヴィスがアルフとシリルに言う
「令嬢の手紙ですね?」
アルフが言った
「手に入るか?」
ニヤリと笑うアルフ
令嬢の家は男爵家であった。
男爵家を調べていると、どうもきな臭い取引をしていると言うことが分かった…
アルフが花瓶を出してきて見せる
「贋作か…?」
シリルが言う
「正解です!」
驚くアルフ
「家にも同じものがあるが、色合いや、絵付けが雑なんだよなぁ…」
まじまじと花瓶を見るシリル
「さすが高位貴族ですね!」
「それがどうした?」
苛立つクロヴィス
「今までの取引のことを目を瞑るから、娘の手紙を寄越せと言うだけです。今までの取引と言っても、始めたばかりで二件ほど騙されただけですので、回収して壊します、また同じことを繰り返せば捕まえればいいだけのことなんで!令嬢の部屋に忍び込むのは、流石に気の毒ですから」
「任せた」
「「はい」」
二日後に手紙を手に入れることが出来た。
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