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休暇の終わり
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改めて婚約者となりエクトルの両親に会いに行った。
「おぉ…バシュレ伯爵のご息女か、伯爵に似ているな…エクトルを頼む」
頭を下げられこちらこそよろしくお願いいたします。と緊張しながらも挨拶をする。
病気で弱っていると言う割にはとても元気そうで安心した。
「バシュレ伯爵とはよく話をしたものだよ。伯爵と縁続になるのは嬉しいよ」
と言ってくれたのでホッとした…
兄ラウルも挨拶をし、エクトルの両親は大変喜んでくれて、結婚式が楽しみだと言われ、エクトルと婚約したことを実感した…
隣の領地にはセドリックがいるので結婚した後も心強い
エクトルの両親との挨拶も終わりいよいよ明日、王都の邸に帰る事になる。
「はぁ寂しくなるな…また遊びに行くよ」
セドリックが別れの挨拶をする
「うん、お兄さままたね」
「アイリーン、来月と言っていたがなるべく早くそちらに挨拶に行く事にする。王宮にも用事がある」
エクトルと会う約束が出来たので嬉しくなる
「はい、お待ちしていますね」
はにかむように笑うアイリーンを見てラウルは面白くないようだ
「さぁ、帰ろうみんな待っているぞ」
アイリーンを急かすラウル
叔父、叔母、庭師のアンドレにも挨拶をして王都へと向かう。王都へと向かう道のりはこちらにくる時とは違い、気持ちが重くなる…
「ねぇ、お兄さま、私が帰っても大丈夫?」
心配そうな顔をするアイリーン
「なぜ?アイリーンの家だろ?また家出なんてしたらエクトル殿が悲しむぞ」
「ううん、そうじゃなくてフランクの問題は…」
「…あぁ、しつこくてな…毎日毎日来るんだよ。だからちゃんと婚約の書類を整えたくて無理を聞いてもらったんだ、アイリーンに婚約者が出来たらもう来ないだろう……」
「えっ……」
ゾッとした
「エイプリルと婚約してないの?」
「…デュエム子爵からはうちにお詫びの手紙が届いていた。問題の子爵令嬢は学園を辞めたから、しばらく会うことはないだろう」
ラウルがアイリーンが留守にしていた間のことを説明する
「そうなんだ…悪い事したかしら……」
「なぜ?子爵令嬢とフランクが悪いのは明らかだ、アイリーンはエクトル殿との将来を考えるべきだな」
…そうなのだ、アイリーンが片付かないとラウルの婚約者のララが家に入れない。
小姑がいると申し訳ない。婚約破棄をされてもういっそのこと離れか、領地に引っ込もうとも考えた事があったが許されないだろう。
なので家出をしようとした。
エクトルとの出会いには感謝だ…
行く時は綺麗に見えた景色も、王都へ戻るとなると見え方が違う不思議である……気が重い。たった数週間過ごしただけの辺境の地へもう戻りたくなった……
数日かけてようやく王都の邸へと着いた
「ただいま戻りました…」
ラウルと共に邸へと入る
「おかえり!あれっ?アイリーンなんか可愛くなってる…恋してるのね!」
シュゼットにそんな事を言われ顔が赤くなる
「帰って早々揶揄うなよ…アイリーンは疲れているんだぞ」
ラウルに助けられる
「お兄さま、グリント侯爵はどんな方だったの?アイリーンを任せられそう?お顔は?身長は高いの?」
シュゼットが矢継ぎ早に質問をしてくる
「とても良い方で、アイリーンの事も幸せにしてくれると約束してくださった。婚約の書類も整った。爽やかなイケメンだったよ、近々ご挨拶に見えるからその時に自分で確認しろ」
やれやれとシュゼットの質問に答えていく
「そう、アイリーンよかったね!」
心から嬉しそうにするシュゼットの顔を見て
「…うん、ありがとうお姉様」
微笑むアイリーン
「か、かわいいっ………」
震えるシュゼット
その夜の晩餐はとても盛り上がり、質問攻めのアイリーンは嬉しいような、恥ずかしいような気持ちになったが、邸が明るくてホッとした。その後父の執務室へ呼ばれた
「座りなさい」
父と対面の席に座り話をされる
「グリント侯爵との婚約が正式なものになる、後戻りは出来ないよ?良い?」
「…はい」
「来週に挨拶に来られると手紙を貰った」
「はい」
嬉しそうにする返事をするアイリーン
「ふふっ、そうか嬉しいのか…」
「…うん」
恥ずかしそうに答える
「グリント侯爵の先代の先代に、昔助けられた事があったんだよ。うちの領地が災害に遭って助けてくださった、凄く侯爵には感謝をしているんだ。それで私も困った家があると助けてあげたいと思ったきっかけだよ。
その事をよくエクトル殿の父上とも話をしたものだ。懐かしいよ…エクトル殿は恩人の孫にあたるんだが、グリント家と縁続になると言うのは、個人的にもとても嬉しい、お互い思い合ってるようだから余計に…」
優しい顔を向けるマクシミリアン
「お父様、ありがとうございます」
「なんだアイリーン可愛くなったな…」
「…恥ずかしいから言わないで」
くっくっくと笑うマクシミリアン
「そうか、言わないよ来週、楽しみだな」
「…うん」
「おぉ…バシュレ伯爵のご息女か、伯爵に似ているな…エクトルを頼む」
頭を下げられこちらこそよろしくお願いいたします。と緊張しながらも挨拶をする。
病気で弱っていると言う割にはとても元気そうで安心した。
「バシュレ伯爵とはよく話をしたものだよ。伯爵と縁続になるのは嬉しいよ」
と言ってくれたのでホッとした…
兄ラウルも挨拶をし、エクトルの両親は大変喜んでくれて、結婚式が楽しみだと言われ、エクトルと婚約したことを実感した…
隣の領地にはセドリックがいるので結婚した後も心強い
エクトルの両親との挨拶も終わりいよいよ明日、王都の邸に帰る事になる。
「はぁ寂しくなるな…また遊びに行くよ」
セドリックが別れの挨拶をする
「うん、お兄さままたね」
「アイリーン、来月と言っていたがなるべく早くそちらに挨拶に行く事にする。王宮にも用事がある」
エクトルと会う約束が出来たので嬉しくなる
「はい、お待ちしていますね」
はにかむように笑うアイリーンを見てラウルは面白くないようだ
「さぁ、帰ろうみんな待っているぞ」
アイリーンを急かすラウル
叔父、叔母、庭師のアンドレにも挨拶をして王都へと向かう。王都へと向かう道のりはこちらにくる時とは違い、気持ちが重くなる…
「ねぇ、お兄さま、私が帰っても大丈夫?」
心配そうな顔をするアイリーン
「なぜ?アイリーンの家だろ?また家出なんてしたらエクトル殿が悲しむぞ」
「ううん、そうじゃなくてフランクの問題は…」
「…あぁ、しつこくてな…毎日毎日来るんだよ。だからちゃんと婚約の書類を整えたくて無理を聞いてもらったんだ、アイリーンに婚約者が出来たらもう来ないだろう……」
「えっ……」
ゾッとした
「エイプリルと婚約してないの?」
「…デュエム子爵からはうちにお詫びの手紙が届いていた。問題の子爵令嬢は学園を辞めたから、しばらく会うことはないだろう」
ラウルがアイリーンが留守にしていた間のことを説明する
「そうなんだ…悪い事したかしら……」
「なぜ?子爵令嬢とフランクが悪いのは明らかだ、アイリーンはエクトル殿との将来を考えるべきだな」
…そうなのだ、アイリーンが片付かないとラウルの婚約者のララが家に入れない。
小姑がいると申し訳ない。婚約破棄をされてもういっそのこと離れか、領地に引っ込もうとも考えた事があったが許されないだろう。
なので家出をしようとした。
エクトルとの出会いには感謝だ…
行く時は綺麗に見えた景色も、王都へ戻るとなると見え方が違う不思議である……気が重い。たった数週間過ごしただけの辺境の地へもう戻りたくなった……
数日かけてようやく王都の邸へと着いた
「ただいま戻りました…」
ラウルと共に邸へと入る
「おかえり!あれっ?アイリーンなんか可愛くなってる…恋してるのね!」
シュゼットにそんな事を言われ顔が赤くなる
「帰って早々揶揄うなよ…アイリーンは疲れているんだぞ」
ラウルに助けられる
「お兄さま、グリント侯爵はどんな方だったの?アイリーンを任せられそう?お顔は?身長は高いの?」
シュゼットが矢継ぎ早に質問をしてくる
「とても良い方で、アイリーンの事も幸せにしてくれると約束してくださった。婚約の書類も整った。爽やかなイケメンだったよ、近々ご挨拶に見えるからその時に自分で確認しろ」
やれやれとシュゼットの質問に答えていく
「そう、アイリーンよかったね!」
心から嬉しそうにするシュゼットの顔を見て
「…うん、ありがとうお姉様」
微笑むアイリーン
「か、かわいいっ………」
震えるシュゼット
その夜の晩餐はとても盛り上がり、質問攻めのアイリーンは嬉しいような、恥ずかしいような気持ちになったが、邸が明るくてホッとした。その後父の執務室へ呼ばれた
「座りなさい」
父と対面の席に座り話をされる
「グリント侯爵との婚約が正式なものになる、後戻りは出来ないよ?良い?」
「…はい」
「来週に挨拶に来られると手紙を貰った」
「はい」
嬉しそうにする返事をするアイリーン
「ふふっ、そうか嬉しいのか…」
「…うん」
恥ずかしそうに答える
「グリント侯爵の先代の先代に、昔助けられた事があったんだよ。うちの領地が災害に遭って助けてくださった、凄く侯爵には感謝をしているんだ。それで私も困った家があると助けてあげたいと思ったきっかけだよ。
その事をよくエクトル殿の父上とも話をしたものだ。懐かしいよ…エクトル殿は恩人の孫にあたるんだが、グリント家と縁続になると言うのは、個人的にもとても嬉しい、お互い思い合ってるようだから余計に…」
優しい顔を向けるマクシミリアン
「お父様、ありがとうございます」
「なんだアイリーン可愛くなったな…」
「…恥ずかしいから言わないで」
くっくっくと笑うマクシミリアン
「そうか、言わないよ来週、楽しみだな」
「…うん」
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