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天真爛漫?
しおりを挟む「あ、おかえりなさいリアンさん!」
そう言ってマリアベルは俺に抱きついてきた。
「……おい、何回も言わせるなよ……マリアは大人の仲間入りをしたんだろう?」
ぽんッと頭を撫でた。……これも子供にするような感じなんだろか。
「あ、そうだった。大人か……」
そう言ってマリアベルは大人しく俺から離れた。ほっとしたのも束の間
「うーん。ねぇリアンさんちょっと屈んで?」
屈めと言われて素直に屈んだ……
「チュッ」
! 頬に柔らかな物が……ってすかさず頬に手を当て背筋を伸ばす形になる。
「なっ、おまえなぁ」
「リアンさんの耳が赤いよ? だってマリアは大人だもん。大人の挨拶? だよ。パパがママにしているもん」
「……それは夫婦だからな、マリア、よく聞くんだ。俺はマリアからしたらおっさんなんだぞ……マリアの将来の為にならない。俺の存在は忘れろ、な、」
「嫌だっ! リアンさん婚期逃したって言ったもん。マリアも結婚するつもりなかったけどリアンさんと結婚したいの。なんでマリアじゃダメなの? 子供だから? 誘拐されるような子だから? ママには似てるけどパパに似てないから、マリアはパパの子じゃないってリアンさんも思ってる? 侯爵家の娘か怪しいって噂を外で聞いたの?」
ぐずぐすと泣き始めるマリアベル。
「バカだなぁ……俺がそんなこと思っていると思うなら心外だな……侯爵は娘のお前を溺愛しているだろう。そんな事を二度と言うんじゃない。失礼だぞ」
「マリアの身分じゃリアンさんと結婚出来ない?」
……なんだこの可愛い生き物は。
「マリア、外をよく見てみろ。子息はたくさんいるんだぞ。学園で良いなとか思う子息はいないのか? ジェラール殿下も同じ学園だろ?」
マリアがジェラール殿下をよく思っているのなら、俺が事実を公表すれば問題はない。貴族院にも掛け合ってやる(他国だけど……)
「いない」
キッパリと答えるマリアベル。
「そうか……これから社交が始まるんだ。マリアはまだ若いからゆっくり探せば良い」
って! 大事な事を忘れていた。
「おい、ちょっと待っててくれ……すっかり忘れていた……」
「え? どこ行くの、マリアも行く!」
「待ってろ。その顔をなんとかしておいてくれ。目が腫れるぞ、せっかくの可愛い顔が台無しだぞ」
ぼっと顔を赤くするマリアベル。……キスは普通にしてくるのに可愛いと言われて照れるのか? 天真爛漫がすぎるぞ……この家は一体どう言う教育を……
******
「待たせたな」
早歩きでエントランスへ行くとサロンに通された。立ち話もなんだし使用人たちが何事かと見ていたから、サロンの方が都合がいい。
「マリア、デビュタントを迎えることができて良かったな。おめでとう。これは俺からマリアへ」
細長い紙袋を渡した。
「ありがとう! 開けていい?」
まだ目は赤いがげんきをとりもどしたようだ。よく泣きよく笑うって昔と変わらないな。
「あぁ、もちろん」
マリアの好みがわからずに安直だが、昔マリアと見に行ったスズラン畑を思い出した。
スズランをすごく気に入っていて、髪飾りを買ってやった事がある。その髪飾りは俺の思い出として取ってある。これくらいの歳の子には何をあげれば喜んでくれるのか……色んなものをプレゼントされているだろうけどな。
「……可愛い」
思っていたリアクションと違うのが気になった。なんでそんな泣きそうな顔をするのか……
「悪い。もっと豪華な物が良かったか……? それなら明日街に買いに行くか?」
ううん。と首を振るマリア
「嬉しい……覚えていてくれたんだね。あの時に見たスズラン畑」
「ん? まぁな。花を見る機会なんてそんなになかったよな。あんなところくらいしか連れて行けなかった」
「ねぇ、リアンさんこれ……付けて」
俺の隣に座ってプレゼントしたスズランのネックレスを渡してきた。
「いいよ」
長く伸ばした髪の毛をサラリと横に流す。華奢なうなじが全開で……目のやり場に困る。
はぁっ……困った。、
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