私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

さこの

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マリアベルの野望

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「リアンさんって呼んでいるけれど、フロリアン様って呼ぶのが正しいんだよね?」

 
 ママに名前で呼んで良いかリアンさんに承諾を貰わなければならないって言われていたんだった! 関係性は変わってきたから、遅くなったけど聞いてみよっと。



「……今更だな。好きに呼んで良いぞ。俺もマリアって呼んでいるしな」

「人前でリアンっていうのはダメだよね。うーんリアン様って呼んでも良い?」

 流石に隣国の大公家の嫡男で国王陛下の甥に付けって訳にはいかないよね。


「なんだか擽ったい感じになるのは気のせいだろうか」

 気まずい表情をするリアン。


「リアンさんはそのままマリアって呼んでね! みんな私のことはマリーと呼ぶでしょう? マリアって呼んでいるのはリアンさんだけ! な呼び方だね」


 家族は初めからマリーって呼んでいるし、親しい友達もみんなそう呼ぶもんね。






「なんだろうな……妙な敗北感だ。マリアは天然で男の心を擽ることが出来るのか。末恐ろしい」

 口に手を当ててため息をつかれた。疲れているのかな?


「なんの事だかさっぱりわからないけれど、リアンさんの心掴めてるの? 誘惑成功?」

 どこでうまく行ったか全く分からないけれど、いっか。


「それ他で絶対に言うんじゃないぞ! 変な誤解を受けそうだ。その言葉自体忘れてくれ」

 そうだよ! リアンさんのせいで怒られたんだった!

「そうだ! 誘惑の仕方なんだけどついママに言っちゃたら怒られたんだよ! そのままで良いって」

「……俺の名前出してないよな?」

「出してないよ! パパに告げ口されたらリアンさんとお別れさせられちゃうよ。ママと話をしていたらママが応援してくれるって言うから嬉しくてうっかり口が滑ったの。でももう二度と言わない! 自分なりに誘惑の仕方を考えるからね」


「……考えなくて良い! 頼むからそのままでいてくれ。おまえは何もしなくても良いような気がしてきた」
 
 誘惑しろって言ったのはリアンさんの方なのに! むぅ……。




「そんなことより夜会だろ? 婚約はまだだけどエスコートするよ」


 社交シーズンという期間があり今はまさに社交シーズン真っ只中! 無事にデビュタントを迎えたので私も参加することが出来る。今回誘われた夜会は伯父さまの伯爵家! ママのニ番目のお兄さんの家だ。

 夜会の後は伯父さまの家に宿泊することになっていて親族のパーティーだから気軽に行けるしちょうど良いということになった。


「うん! 伯父さまに紹介するね!」

「ペルソナ公爵は随分とショックを受けていたけれど……伯爵はどんな方だ?」

 伯父さんと伯父さまの違い……? なんだろう。

「うーん。優しいところとかは似ているよ? 何か? あってもママが怒ってくれるから大丈夫!」
 
「……そうか。悪い人ではないと言うことが分かっただけで良い」


 リアンさんが国に帰るまで残り一週間ほどになった。私達は婚約と言う事になったのだ。
 リアンさんのご両親や親族に了解を得ることがまず先にする事なんだって。問題はなさそうだけどな。って軽く言っていたからそこは、リアンさんとパパにお任せすることとなった。家同士の話し合いになるんだって!


 リアンさんと婚約しても数年は離れ離れになっちゃうけど約束があるから良いか……って思うようにした。全然約束もないままだと会いに行ったりも出来ないし何しているかも分からないしね! 

 それに、女の子の成長は早いって言うから今度会った時は今日よりも大人っぽくなるはず! 驚くがいい!


 今回の婚約の件に関して、パパや兄さまが意外とあっさり認めてくれたのには驚いた。
 

 兄さまに聞いたら『仕方がないよね。マリーの人生だし、好きになった相手がオットー卿だったってだけだよ。それにマリーの恩人だし僕は反対できない。問題があるなら自分たちで解決しな』とまで言った。

 私は全く問題はない! でも年齢差のことはよく言われるから私は可愛いお嫁さんになるのが目下の予定だ!

 皆から可愛いお嫁さんだね。って言われたらリアンさんも悪い気はしないと思う!

 でもリアンさんの隣に立つのに相応しいレディーになりたい。

 同情で結婚してもらうのではなくちゃんとリアンさんの心を射止めるのだ!

 
 
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