私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

さこの

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記念が増えた

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「心が通じ合った日だ!」



「「は???」」



 リアンさんとバルト殿下が声を揃えた。


「だってリアンさん悪くないし、確かに怖い思いもしただろうし家族を不安にさせただろうし……でも覚えてないんだよ。その後の一番古い記憶はリアンさんの事だし、お別れして悲しかったけど家族が迎えてくれて幸せだし、再会してリアンさんと結婚するんだし」


「マリア? その原因を作ったのがうちの国なんだぞ、」

「うーん。そうだね。やっちゃいけない事だよ! でも取り締まったからにはもうこんな事は起きないよね? 中には家族とうまくやれない子達がいるんだよね。施設も作るんだよね? それ私に手伝わせて欲しいの」

「……マリア」


「心のケアとか必要だよね? 急に家族の元に戻ってどうしようもない気持ちになるのは理解できるし、この国に嫁いでくる意味あったね! 私のできる事をこの国でしたいよ」

「恨んでないのか?」

 きょとんとした顔をするマリアベル。首を傾げた。

「だってリアンさんと会わなかったらきっと十三年前に死んでたよ。私四歳だったんだよ? 今私がいるのはリアンさんが救った命だし、それに怖い思いをしたけれど不幸になる前の子たちも保護できたんでしょう? それ以前の子達は可哀想だけど……」


「マリアベル嬢は心が広すぎるよ! この男の一族は犯罪者なんだぞ。君も君の家族も不幸にしたんだ!」
 
 バルト殿下が信じられないと言う顔をした。


「私も家族も不幸だと思っていませんよ。お父様もわたくしをみつけて下さいましたし、現にわたくしは幸せですもの。わたくしは運が良かっただけですがもう過去の事ですし、わたくしにあるのは未来です。あっ、悪いことをした人には罪を償って貰って下さいね」


「……マリア」

 そう言って苦しそうな顔をしてリアンさんは手を握ってきた。

「バルト殿下、ここではっきりと申し上げます。わたくしはフロリアン・フォン・オットー様を心からお慕いしております。フロリアン様と結婚できないのなら他の方と結婚するつもりはございません」

 にこりと笑ってリアンのてを握り返す。


「君は……気持ちが強すぎないか? もし誘拐事件がなくて出会っていたら私と婚約してくれていた?」

 ……!

「どうでしょうか? 誘拐事件がなかったら考えたくありませんが他の方と婚約していたかもしれませんし、きっと貴族の務めを果たしていたでしょう」

 考えられないけれど、誘拐がなくのうのうと侯爵家にいたら……

「ジェラール殿下も腰抜けだな……あんなんで我が妹は大丈夫だろうか……」

 ……一応フォローしておこう。私ジェラール殿下の名前出していないのに、話を聞いていたのかもしれない。



「優しい方ですから、大丈夫だと思います。お気持ちは嬉しいのですが、わたくしはご覧の通り気儘に育っていますので王太子妃……ましてや王妃などと言う立場は難しいです。こんなわたくしですから両親も反対しますでしょうし、ご縁はなかったのですわ。もし縁があったのならわたくしはフロリアン様にこんなに惹かれていませんもの」

 はぁっとため息を吐かれた。かわいそうな子を見る目つきだ。


「君は本当に真っ直ぐな性格なんだね。それじゃ確かに王妃は無理だ……上に立つものは裏の顔を持つ必要がある。今のままでは君は貴族達に食い物にされて潰されてしまう。そんな姿を望んでいるわけではない」

 ……ここでも裏の顔? 仮面ってやつか。貴族の生活は大変だよね。だから家ではリラックスしたいのだから。



「バルト殿下、お話は終わりですか?」

 リアンさんが言うとバルト殿下は降参したようだ。


「せめてもう少し早く会っていれば無理にでもマリアベル嬢を望んでいたが、これ以上は嫌われたくない……もしマリアベル嬢に娘が出来て、将来私の子が息子だったら会わせてくれるか?」

「……それはどうでしょうね。娘が出来たらわたくしに似て頑固だと思いますから」

 

「そこは取り敢えず、はい。と言うところなのに……最後まで真っ直ぐだな……はぁ。後でその判断に後悔するかもしれないんだよ?」

「しませんよ」

「完敗か……結婚式には呼んでくれ。婚約者と参列者させてもらう事にするよ」



 嵐が去った!! 話の通じない女だと思われたに違いない!


 







 
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