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あっという間に結婚式ですわ
しおりを挟む結婚式ですわ! わたくしの結婚式ではありませんわよ。第二王子のジョエル様とアデール様の結婚式ですわ。
アデール様! 普段も美しいのに、今日はもうっ、神々しく思えます……拝みたいほどの美しさですわ……
家族と共に一般参列者の席へ着こうとしたら、王妃様に王族の席へ座りなさいと言われ、(気持ち的に)肩を落としながらライアン様のお隣に座りましたわ。
お隣と言っても人一人座れるほどの空間を開けましたわ……。王族席でも後ろですから他の人には気が付かれないと思いますわ。ライアン様も何も言いませんもの。
大聖堂での結婚式。王族ですから当然ですけれどもなんて広いのでしょうか……。国中のハイランクの貴族と近隣諸国の王族まで参列された素晴らしくハイソなお式でした。
小市民の心を持つわたくしですから、語彙力が乏しいのはお許しくださいませね。上流で最高級で……とにかくマーベラスでファビュラスでしたの! 伝わったかしら……?
その後は街でパレード、ついで伯爵家でパーティー、最終日は王宮で晩餐会……。
貴族って大変ですわね。でも街でパレードをしたら市民はとても喜んでいますわ。市民からの人気もある騎士団長様の結婚式ですもの。それにパレードの護衛はジョエル様の率いる騎士団ご一行様ですわ。キャーキャー! と黄色い声が上がっていますわ。
沿道にはお花もたくさん用意されていて美しくて夢のような世界ですわ。ここに着ぐるみの動物達が一緒に歩くと違うパレードになってしまいますわね。
シン○レラ城をバックにミッ○ーが……あら? これはこれで良いかもしれませんわね。リアル王子様とお姫様ですもの!
最終日の王宮の晩餐会はライアン様のパートナーとして参加しましたわ。わたくしたちのお席は隣国の王太子夫妻のお隣……。緊張しますわね。ロイヤルですもの。
隣国の王太子様はユーモアに溢れていてとても楽しい時間を過ごさせていただきました。王太子妃様もとても明るいお方で緊張も解れました。お会いしたことはあってもこのような形でお話をするのは初めてでしたわ!
「ライアン殿とヴィクトリア嬢の結婚式も楽しみだな」
最後にこう仰いましたわ。わたくしの返答が遅れたことに対しライアン様は
「まだまだお互い未熟者です」
と言葉を濁しました! これはライアン様もわたくしとの結婚を迷っているのだ! 確信いたしましたわ。ですからわたくしも頷いてしまいましたの。
晩餐会が終わりライアン様に家まで送ってもらう時のことでした。
あ! ライアン様はパートナーとしてパーティーに出席にする際は送り迎えをしてくださいますの。
「近いうちにヴィクトリアに話がある」
今すぐ内容を聞きたいところですがここは我慢!
「はい。分かりましたわ」
それから車内はシーーンとしてしまいましたわ。いつもはここまで会話が無いと言う事は無いのですけれどね。こちらから話すのもなんだか疲れますので、そのままにしておきました。
十分ほど経ったでしょうか? 屋敷に着いたようで馬車が止まり扉が開きました。いつもなら先に降りて手を貸してくださるライアン様ですが動かないようなので、わたくしの執事が扉の前で待ちかねていましたので手をとり馬車から降りました。
「ライアン様、送っていただきありがとうございました。それでは失礼致します」
こちらをチラリと見て
「あぁ、連絡する」
とだけ言って扉が閉められました。
ふぅ。一息呼吸を整えます。
「デビス、手伝ってくれてありがとう」
にこりと微笑みました。手を差し伸べてくれなかったら無様に転んでいた可能性もありますからものね。長いドレスに華奢なハイヒールですもの。ヒールが溝にハマったりでもしたら目も当てられませんわよ……
「お嬢様? 殿下と喧嘩でもなさったとか?」
デビスは腑に落ちない顔をしていましたわ。最後のライアン様の態度は確かに良いとは言えませんものね。
「いいえ。喧嘩するほど会話なんてないもの。いつも通りよ」
会話が盛り上がったことなんて一度もない! お互い興味がないのだから。ライアン様にわたくしは面白みがないのだと言われたことがあったくらいですわ。
「デビス、明日の孤児院への訪問は午後からだったわよね?」
「はい、さようでございます」
「朝はゆっくりと寝かせて欲しいと皆んなに伝えてくれる? 少し疲れてしまったの」
「はい。承知いたしました。ごゆっくりお休みください」
こんなに疲れているなら孤児院はキャンセルすれば良いとお思いでしょうが、そう言うわけには行けません。子供たちが待っていますからね!
まぁ、子供たちが待っているのはわたくしでは無く、わたくしが持っていくお菓子目当てですわよ……分かっています。
でも疲れたのは本当ですから、早くドレスを脱いで楽になりたいですわ。
メイド達が待ち兼ねていて手早くドレスを脱がせ湯浴みをして、ベッドに潜り込んだのは日にちが変わった頃でしたわ。
おやすみなさい。
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