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Sクラス

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 案内された教室はSクラスだった。

 Sクラスは特別教室で十人程のクラスだった。成績優秀者や高位貴族しか入れないクラス。

 もちろん高位貴族でも点数が満たない場合は入れないんですって。

 その他のクラスは、成績順というわけではなく平均になるように割り振られているんですって。
 A~Dまでの四クラスで、Sクラスと合わせて五クラスあるのだそうです。


 同じ歳だし、あまり積極的にお茶会なので顔を合わせていなかったけれど、知っている名前が多いことから少しホッとしました。

 中には隣国の王子と、婚約者様までいたりしてロイヤルな雰囲気もあります。少しだけ気後れしちゃいます。



「シャノン様!」


 声をかけていただいたのは公爵家のルイズ様。王太子殿下の婚約者様です。


「ルイズ様! 同じクラスでとても嬉しいですわ。よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくお願いしますね」


 ルイズ様のお父様は宰相様で、私のお父様の親友で、幼い頃からのお友達です。


「少し気後れしてしまいます。こんな優秀な方達と同じクラスだなんて……」


「まぁ。シャノン様は優秀ですのに、何をおっしゃるのやら」


 くすくすと笑うルイズ様に続き、

「本当に自己評価が低いんだよな……シャノンは」




「殿下、お久しぶりです」

「昔のように名前で呼んでくれ。クラスメイトなんだから」



 第二王子殿下のナセル・ドゥ・サレット様でした。


「でも、もう子供ではないですし」

「それなら私にシャノンの事を、コレット侯爵令嬢と呼べということか?」

 腕を組まれて睨まれました。


「ナセル様」

「うん。それで良い。久しぶりだ」

「はい、お元気そうで何よりです」


 ナセル様もお父様について王宮に行った際にお茶をしたりしていた顔馴染み(失礼かなぁ)です。


 事情がありお会いすることもありませんでしたし、私が積極的に出かけると言う事をしていなかったからですわね……


「ふふ。これからシャノン様と共に学園生活を過ごせるのが楽しみですわね」

「はい。ルイズ様! わたくしもですわ」

 クラスの女子生徒は伯爵家のキャシー様合わせて四人。


 あとは公爵家のご子息と私と同じく侯爵家のご子息、成績優秀者の伯爵家、子爵家のご子息で男子生徒は合わせて六人。

 計、十人のクラスでした。

 これから一年このクラスメイトと共に過ごすことになります。



「シャノン、急だけど今日予定は?」 


「帰るだけですわ」


 ニヤリとナセル様とルイズ様は笑いました。

「久しぶりに会ったんだ! お茶をしよう。兄上も会いたがっているし、ルイズも今から王宮だ」


「急に行ってご迷惑ではありませんか?」

「迷惑だったら誘わない。シャノンの家には言付けを頼むことにするから心配ない」

「ねぇ、シャノン様、久しぶりですもの。もっとお話しをしたいわ」


「ルイズ様までそうおっしゃるのなら……ナセル様すみませんがお願いします」


「もちろん!」



 帰りはナセル様の馬車にルイズ様と乗せてもらい三人で王宮へと向かいました。

 制服のままでいいよ。と言われたので正直言ってホッとしました。ドレスに着替えるのは面倒ですもの。王宮に行くとお父様がいますもの。何かあっても大丈夫だし、一緒に帰っても問題ないはず……  


 











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