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社交シーズン

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~ラウロ~

 社交シーズン真っ只中の為、夜会が行われるので招待された子爵家のパーティーにライラを連れて行った。

「やぁ、ラウロ殿!シルヴィア嬢はどうしたんだ?」

 友人達が声をかけてきた
シルヴィアのことばかりを聞かれるので、もう飽きた…そりより隣にいる可愛いライラに触れろよ

「別行動だよ」

 素っ気ない返事をした。ライラがパートナーなのだから他の女性のことを聞くなよっ!

「喧嘩でもしたのか?もしかして捨てられたとか…?」
「おいおい!それだと周りが放っておかないだろう。あれだけ美しいのだから」

 友人達は好き勝手にものを言う。面倒くさいな…

ライラとダンスを踊りライラを知り合いに紹介しまくった。可愛いだろう?我が家のプリンセスだ


そうこうしていると、シルヴィアと義理の兄エドヴァルドの姿が見えた。
二人の姿を見ると取り囲むように挨拶をする招待客
 調子に乗ってるんじゃないのか?子爵までゴマを擦りに来ているじゃないか。金の無心か?きっとそうだろう、あいつの家の自慢は金だけだ


「おっ、ラウロ、婚約者殿の到着か?声かけにいかないのか?」

「はっ!何を言ってるんだ…?どうして私が。来るのならあっちからだろう」

「…そうか、じゃ俺は声をかけてくるよ。エドヴァルド殿とも話がしたい、じゃあな」

養子の分際で当主気取りなのか?あの男は!なぜエドヴァルドと話したいなどと。
まぁ、良い。シルヴィアが来るまで何かドリンクでも飲んで待ってやるか…




 来ないじゃないか!何をしているんだ、本当にルーズな女だ。


 それにしてもまたドレスを買ったのか?見たことのないドレスを着ている。
 エドヴァルドがシルヴィアの側にいて、義兄妹と言うか恋人同士にしか見えないではないか…


「ラウロ、まだシルヴィア嬢と合流してしてないのか!今日はエドヴァルド殿と話せてよかった。またよろしく頼むと伝えておいてくれ」

「あ、あぁ。それにしてもあの成金の家と何を話することがあるんだ?」

「領地経営のことだよ。現状維持と言うわけにはいかないだろう?より良くする為にはどうしたら良いかと言う意見を聞いたのさ。すごく親身になってくれる」

「どうせ金をばら撒いているだけだろう?」

 見ろよ。あの二人を金をかけて作ったと分かる衣装だ
 

「バカなことを言うなよ。家柄だけでなんとかなったけど、実力主義の世の中だ。平民でも抜きん出ているものは騎士団のトップクラスにいる。陛下からも重用されているんだぞ、金をばら撒くなんてもってのほかだろ」


平民が実力をつけて良いことなんてない!
 じぃさまがよく言っていた。家柄に勝るものはないと!だからシルヴィアの親もうちに目をつけて婚約をせがんだんだ。
由緒正しきビルト家にさ。


ようやくエドヴァルドとシルヴィアがこちらに気がついた。ふんと顔を背けると、シルヴィアが目を伏せ、エドヴァルドがグラスを持ってシルヴィアに渡した。
 シルヴィアの耳元で何かを言ったらしいが、シルヴィアは頭を振った。

それにしてもこちらに挨拶が無しとは…仕方ない、私が自ら行くか
 …人が多いのに婚約者と話をしないと悪い噂になってしまうではないか!ったく。挨拶くらいはするように注意するか!

シルヴィアの元へと向かった


「シルヴィア遅かったな、相変わらず時間にルーズなやつだな」

 ちょっと睨みながら嫌味を言ってやった。これくらい脅したらどっちが上か分かるだろう

「ビルト伯爵のラウロ様、ごきげんよう」

ドレスの裾を摘み挨拶をしてくるシルヴィア

「やぁ、ラウロ殿も来ていたんだね」

エドヴァルドめ!とは何事か!顔を少し歪めてしまった…

「来たなら早く挨拶に来い!何を考えているんだ!」

腕を組みこっちが上だと言わんばかりに睨んでやった。恥をかかせやがって!

「…仰る意味が分かりかねます」
不思議そうに首を傾げるシルヴィア


「はぁっ?おまえはそんなにバカだったのか?一から教育をし直せ!恥ずかしい」


「ラウロ殿はうちのシルヴィアとは関係ありませんでしょう?その言葉はシルヴィアに…いや、我がベック家に対して無作法ではありませんか?あなたがどのような立場かは存じませんが、シルヴィアをこれ以上侮辱するのはやめていただきたい、気分が悪いので失礼する」

「待て!シルヴィアなぜその男エドヴァルドと行くんだ?」

眉間に皺を寄せるシルヴィア

「何を仰っていますの?あなたがお義兄さまを大事にしろと言ったのではなくて?お義兄さま行きましょう、私も気分が悪いですわ」


今までの優しい目をしたシルヴィアではなかった






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