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浮気発覚です
しおりを挟むわたくしは何を見ているのでしょう
呼び出された教室に時間通りに来たのは良いのですけど
「メイナード様」
「ラーラ」
抱き合う二人から目が離せません
メイナード様こと、メイナード第三王子殿下は…わたくしと婚約をなさっている筈なのですが…
口付けをされています。浮気現場を目撃してしまいました
これは…教室に入っていいのか、悪いのか、わかりませんし、浮気現場を見せつける行為となります。呼び出された時間は過ぎていますが声をかける勇気がありません
せめて教室の扉は閉めておいて欲しかったですわ…そうしたら、現場を見なくてもすみましたのに
窓から日差しが入りこみ、お二人をキラキラと輝かせています。二人だけの世界です、誰にも止められませんわね
「婚約者様とお別れしてくださるのですか?」
唇と唇が今にもくっつきそうな距離でお話をされていますが、周りが静かだからでしょうか…お二人の会話がしっかりと聞こえてきます。盗み聞きなどしたくないのに、足が動きません
「私はラーラに惹かれている」
「そんな…婚約者様に申し訳ないですわ」
ラーラ様は微笑みながらもそっとご自身の手をメイナード様の胸のあたりに添えています。それを返すようにメイナード様はラーラ様の腰を抱き寄せています
「婚約者様はお美しくお優しく気高い公爵家のご令嬢です。私なんかとは天と地の差があります…私はメイナード様のお相手にはふさわしくありません。メイナード様の事は恋の思い出として、このまま身を引かせてくださいませ」
そっとメイナード様から離れようとします
「何度も言わせるな。アルベルと比べる必要などない」
力強く抱きしめました
「いいえ、このままですと婚約者様の影が…いえ申し訳なくて…お姿を見るのも心苦しいのです」
悲痛な顔で頭を左右に振られています
「アルベルは人気があるからそればかりは仕方がない、それにラーラが言ったように優しくて美しい、公爵家の令嬢で身分も高い」
「…私がメイナード様の隣にいるのを婚約者様に見られることが辛いのです。これから先ずっと…あの方の眼差しに耐えられる自信がありません」
はらはらと美しく涙を流されました。ラーラ様の中でわたくしの存在は悪ですね
「アルベルはそんなに悪い女性ではない。話せばきっとわかってくれる」
メイナード様が優しくラーラ様の黒いストレートの髪を撫でています
「ですが…私は耐えられません…あの方のように強くあれる身分がありませんもの。せめてあの方のお姿を見なくなれば、少しは私も自信がつくのに…」
「姿を見なければ…?」
「えぇ、あの方の姿が、私を弱くさせるのです」
「…それではしばらく登城しないようアルベルに…」
ラーラ様は上目遣いでメイナード様を見つめています
「嫉妬されて恨まれては困ります」
ピタッとメイナード様に甘えるように寄り添いました
「まずは話し合いの場を儲けたい」
「メイナード様…」
二回目の口付けです
これは見ていられません。
…話し合い?とは一体…婚約を解消
他の女性と親しくされていると言う噂はお聞きしていますが、目の当たりにするとやはり辛いものです
優しくて、明るくて、爽やかで、気遣いが出来る太陽のようなメイナード様に小さい頃から心を寄せていました。
メイナード様はわたくしではなく、ラーラ様がお好きだったのですね…
わたくしのことを愛していると仰ったのはわたくしの勘違いでしたのね
…あのように抱き合ったり、口付けをしたり…わたくしにはありませんでしたもの
噂であって欲しいと思っていました。
メイナード様がラーラ様をお選びになったのでしたら、わたくしは身を引くしかございませんわね…
みっともない姿を晒したくはありませんもの
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