14 / 48
アルベルティーナ
しおりを挟む家族総出で領地に戻ってきてから一週間が経ち、各方面からお父様、お兄様方、お母様宛にお手紙が届いているようです
わたくしにも心配する友人からの手紙と、この度の元凶でもあるメイナード様から手紙が…
「手紙を読む必要はないよ」
内容は分かりませんが手元に手紙があるとメイナード様を思い出してしまいます。
心を寄せていた事は確かです。メイナード様への気持ちを忘れるために、隣国へ行くのですからお父様のいう通り、手紙は読まない事にしました
「はい、この手紙はお父様に預けます」
失礼かもしれませんが、お返しする事にします
「お父様にはたくさん手紙が届いていますね」
領地へきてから毎日何十通もの手紙を受け取っていましたが、返事はしていないような…中には読まずに返す手紙まで…
「ほとんどは王宮からだよ。仕事の指示書を作ってあるから、ちゃんと読んで理解すれば誰にでも出来る簡単な仕事ばかりだよ。有能な人が多いからね、安心だよ」
…嘘、ですね。
お父様が抜けて陛下の周りの環境も変わったと思います。お父様は簡単な仕事だと仰いましたが、陛下の分の執務をしているのはわたくしの耳にまで入ってきますもの
手伝っているだけだよ。とお父様は以前おっしゃいましたが、視察や外国からの来客対応まで幅広く活躍されていました。
早くお兄様に家督を譲りたいと、口癖のように仰っていましたよね…
「お兄様方にも手紙がたくさん届いてますね」
お兄様達は視察という名で、出かけていきました。お二人とも王都より自然が多いカルム公爵家の領地が好きだと、答えてらっしゃいました。
「イザークが抜けた事は大きいと思うよ?第二王子の補佐官なんて、誰がしたい?面倒な仕事ばかりだ。戻ってきて欲しいという嘆願書まで届いた。ユリウスは計算がとても得意だろ?…国庫関連の把握をしているのはユリウスだから、困っているだろうね、まぁ気にするな。愉快だね」
とてつもなく良い笑顔を見せるお父様
「それは…早く戻るように説得されないと!」
わたくしのせいで国が!荒れてしまっては取り返しのつかない事に…
「そもそも、一人でやる仕事ではないんだよ。一人しか把握できていないなんて、もしユリウスが今突然不慮の事故に遭ったらどうする?国の予算が動かないのはユリウスのせいかい?それは違うよね、働き方を変えていくためには、丁度いいタイミングだった。バタバタと皆が倒れていく様を見るのは辛いものだよ。だからティーナは悪くないんだよ」
色々事情があるようです
「それと、ティーナが隣国に留学へ行くまで家族で過ごしたかったんだよ。
愛する娘としばらく会えないなんて、寂しすぎる。だから早く帰ってきて欲しい。このまま領地にいてくれたら良いのだけど、メイナード殿下が追いかけてこられては困るから、しばらくの間だけ隣国へ行く事を許すんだよ。覚えておいてほしい」
お父様は頭を撫でながら優しい笑みを向けてくださいました。とてもリラックスしている様子で、なんだか嬉しくなり久しぶりに甘えるようにお父様に抱きつきました
「傷が癒えたらすぐに戻ってくるように」
ぽんぽんと幼な子をあやす様に背中を優しく叩かれました
「はい」
それからお兄様達とミーナと領地の街へ行ったり、ピクニックをして過ごしました。
のんびりとした領地での生活は楽しかったのですが、隣国へ旅立つ日がやって来ました。
家族とお別れをするのは思っていた以上に寂しかったけれど、ミーナがいるので頑張れそうです。
「それでは行ってきます」
「体に気をつけて」
「早く戻っておいで」
「お兄様によろしくね」
「手紙を書くよ」
「ヘルミーナ嬢、娘を頼みます」
「はい、お世話になりました、ありがとうございました」
こうして、ミーナと共に隣国へと旅立つ事になりました
61
あなたにおすすめの小説
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
愛しいあなたは竜の番
さくたろう
恋愛
前世で無惨に処刑された記憶を持つ少女フィオナは、今世では幼い頃から番である竜族の王に保護されて塔の中で大切に育てられていた。
16歳のある日、敵国の英雄ルイが塔を襲撃しにきたが、なんとフィオナは彼に一目惚れをしてしまう。フィオナを人質にするために外へと連れ出したルイも、次第に彼女に離れがたい想いを感じ始め徐々に惹かれていく。
竜人の番として育てられた少女が、竜を憎む青年と恋に落ちる物語。
※小説家になろう様に公開したものを一部省略して投稿する予定です。
※全58話、一気に更新します。ご了承ください。
【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。
金峯蓮華
恋愛
どうやら私は階段から突き落とされ落下する間に前世の記憶を思い出していたらしい。
前世は冤罪を着せられて殺害されたのだった。それにしても酷い。その後あの国はどうなったのだろう?
私の願い通り滅びたのだろうか?
前世で冤罪を着せられ殺害された王太子の婚約者だった令嬢が生まれ変わった今世で愛し愛される相手とめぐりあい幸せになるお話。
緩い世界観の緩いお話しです。
ご都合主義です。
*タイトル変更しました。すみません。
【完結】消えた姉の婚約者と結婚しました。愛し愛されたかったけどどうやら無理みたいです
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベアトリーチェは消えた姉の代わりに、姉の婚約者だった公爵家の子息ランスロットと結婚した。
夫とは愛し愛されたいと夢みていたベアトリーチェだったが、夫を見ていてやっぱり無理かもと思いはじめている。
ベアトリーチェはランスロットと愛し愛される夫婦になることを諦め、楽しい次期公爵夫人生活を過ごそうと決めた。
一方夫のランスロットは……。
作者の頭の中の異世界が舞台の緩い設定のお話です。
ご都合主義です。
以前公開していた『政略結婚して次期侯爵夫人になりました。愛し愛されたかったのにどうやら無理みたいです』の改訂版です。少し内容を変更して書き直しています。前のを読んだ方にも楽しんでいただけると嬉しいです。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる