婚約破棄されて国外追放…?の予定だった

さこの

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箱入り娘アルベルティーナ

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 アルベルは可愛くて、大人しくて素直で優しい。家族の愛情をたっぷり注がれて育っている。それなのに謙虚で穏やかで二人の兄と共に公爵家の子供として、しっかり教育をされている。

 問題点は大人しすぎることと周りが先回りしてしまう事。
 肌寒いと思うまえに上着を掛けられる
お茶をしていて、気に入ったお菓子はすぐに皿に置かれる
 何かを言う前に用意されるのだから、ありがとうと言うしかなくなる。そうなると意見も言えなくなる
 
 公爵はなるべく外に出したくないようだが、王宮に来て教育を受けている

マナーにダンスにその他諸々…遊ぶ時間なんてないんだろうな。
 いつもは何をして過ごすかと聞くと、お兄様達とお茶をしたりお庭を歩いたり刺繍をしたり読書をしていると聞いた。外出は王宮へいく馬車の中だけらしい。十五歳になったら学園に行くのが楽しみ。友達を作りたいと言っていた。


 アルベルの周りは、私たち王子三人とアルベルの兄二人で構成されている
 母の茶会で顔を合わせる令嬢とは、たまに手紙のやり取りをしていると聞いて、ホッとした。外界との繋がりはあるようだ


 ある日母に呼ばれた。部屋に入ると、兄二人が険悪な雰囲気を丸出しにしていた
何があったのだろう?聞ける雰囲気ではない


「二人とも良い加減にしなさい!」

母がそういうと、二人は互いに顔を背けた
「こいつが、アルベルティーナにちょっかいをかけるからです」

 ベルナルド兄長男ビクトル兄次男を指差している

「ちょっかいってなんですか?アルベルティーナは兄上のものではないでしょう?いつも泣かせてばかりいるくせに!母上、アルベルティーナと婚約させてください!」

「はぁ?お前何言ってる?ティーナは私と婚約するんだよ!」

「アルベルティーナが兄上と婚約をして幸せになるわけがない!いつも頑張ってるのに、その姿を見てもっと頑張れと言うんですよ?まだ十歳の女の子に」

「仕方がないだろう!ティーナは私と婚約したら、いずれは国を支える存在だ!王妃になるんだぞ、今のうちに自覚を持って行動してもらわなくては困るんだ!辛い思いをしているのは知っている」


「誰が決めたんですか?だから泣かせても良いと仰るんですか?可哀想に…行動まで制限されて、遊びたい年頃なのに、授業ばかり受けさせて、ユリウスやイザークとピクニックへ行こうとしていたのもやめさせたでしょう?毎年恒例の領地へも行かせなかった!辛い思いを知っていながら放置するなんて、何様なんですか!」

「私がいない間にいつもティーナを拘束しているのは知っているんだぞ!私がティーナを登城させているんだ、それがなかったらお前達はアルベルティーナに会わせない!」

「もうっ!ケンカはそこまでにしてちょうだい…もうこの際アルベルティーナに選ばせようかしら…」


「そうしましょうよ」
「あぁ、そうだな」


 なんなんだ兄上達は…アルベルが可哀想じゃないか。特にベルナルド兄には呆れた…行動の制限は兄の仕業だったのか




 アルベルが登城する日が来た。
「やぁ、アルベル!」
「メイナード様!お久しぶりですね、お元気でしたか?」
 にこりと微笑まれ大きい目が細められる

「元気だよ、アルベルは?」
「いつも通り元気です」
「そっか…呼び出しの時間より早くない?」
「お庭に大輪の薔薇が咲いたと聞いて、先に見ようと思い早く来ました」

 バラ?庭師が新種のバラを育てていると言っていたあれか?

「あぁ、咲いたんだ?一緒に行こうか」
「はい、お供します」

 ここで案内役とは別れた。庭を見てから連れて行けば良いだろう


「この前メイナード様から言われて、わたくしなりに考えてお父様にお話をしたの」
「うん」
「わたくしは王妃様にはなりたくないから、婚約者候補を辞退する事にしてお父様が今日お話をしてくださっている筈です」

「……今日?!」
 素っ頓狂な声が出てしまった!だって今日は…アルベルにどちらかを選ばせるって母が言っていた

「はい」

「アルベル、外へ出よう」
「えっ?」
「良いから行こう」

 強引に手を引っ張り秘密の出入り口から王宮の外に出た

 金は持っていた。何があるか分からないから現金と売ったらすぐに金になるものを持ち歩くように言われていたから。

 街へ行くとこの格好では明らかに目立つので、マントを買い羽織った
 アルベルは外は初めてです、どきどきしますね。と笑っていた

「少しの間の家出ごっこだよ、夕方には戻ろう」
「はい」

「アルベルはベルナルド兄とビクトル兄を選べるか?」

「…どうしてですか?お父様がお断りしてくださったはずですよ」
「そんな事で兄上が諦める筈がない…このままどっかに逃げようか?」
「わたくしといたらメイナード様に迷惑が掛かってしまいます、逃げるならわたくしを置いて下さい」
「そう言うわけには行かない…そうだな、いつかアルベルを逃がしてあげるよ、それまでは私の隣に居てくれる?」
「…はい」

 意味を分かっていないだろうが、アルベルティーナの存在は危険だと思う。
 大好きなアルベルを守るためには仕方がないんだ。



 公爵が婚約者候補から辞退すると話をして兄は激昂したらしい、アルベルティーナに選ばせると言って呼び出したのに時間通りに来ない。
 私の姿もない事から二人で何処かにいると思われ城内の大捜索、城外の捜査で街にいるところが見つかった。
 とても怒られたけど、アルベルは私を選んだと言うことになり婚約する事になった

 兄達はいつまで経ってもアルベルの事を諦めていない。

 対してアルベルの兄達は、渋々私との婚約を許しアルベルの行動の制限はやめて欲しい、登城の回数を減らして欲しいと頼んできたので、快く許可をした。

 公爵家の家は相変わらずアルベルに甘いけど、学園へ通い出してからは、外出を許したりアルベルのしたい事をさせている

 




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