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お兄様達からのお話
しおりを挟む「ベルナルドが来た事で面倒なことになってしまった…。」
ユリウス兄様がゆっくりと話を始めました
「ティーナはメイナードの事をどう思っている?」
「どう…とは?」
「会いたくないとか、憎んでいるとか、会いたいとかなんかない?」
「…そうですね…出来る事ならお会いして話をしたいです」
なぜあの時わたくしの事を愛していると言ったのか聞きたい
嫌いなら婚約を破棄すると言ってくだされば良かったのに。曖昧な言葉で誤魔化されたような…
「分かった。あの後領地で過ごした後、ルアン王国に来たから、ティーナは知らないだろうと思うから、説明するよ。
メイナードは国を出て行った。王族の身分も自分から捨てた。今回の騒動のケリはこれにて勘弁してくれ。との事だった」
「……メイナード様が?」
「そうだ。だから今は結構バタバタとしている。それでメイナードの婚約者ではなくなったティーナはベルナルドかビクトルに嫁がせると言う話が出た。
元々ベルナルドと婚約を前提に候補に挙がっていたから、なんの不思議も無いだろう。
二人とも婚約者はいない、ましてやティーナは婚約破棄の被害者ときたものだ。
公爵家の娘で王子妃教育も受けていた。こんな美味しい話はない。
両陛下はベルナルドから結婚させたいからティーナさえ頷けば即結婚コースだな」
「十歳の頃お父様にお願いをしました。わたくしは王妃様になるの?と聞いたら、ベルナルド様と結婚したらそうなる。と言われました…覚悟がないなら無理だってメイナード様にも言われました。そんな覚悟ありません。今でも気持ちは変わりません。それに、それにメイナード様は、」
ハッと何かを思い出すような感覚に襲われました
「メイナード様は…いつかわたくしを逃してくださると……」
「ティーナはベルナルドやビクトルに嫁ぐ気はないな?」
「はい」
「ベルナルドやビクトルはおまえを諦めてはいない。信じられないだろうが、あいつらはメイナードを何度も亡き者にしようと企んでいた…
だからメイナードはティーナを登城させないようにしていた。しかし王子妃教育の為、呼び出しをされていていかざる負えない場合も多々あった」
「そんなことが…知りませんでした」
震える手を握り締めました。いつも明るくて優しくて太陽のようなメイナード様しか知りませんでした
「メイナードがいなくなった今、誰にも邪魔されないんだよ。ベルナルドは婚約をすっ飛ばして結婚しようとしている…王太子だからそれくらいの暴挙など許されてしまう。
結婚をしろと言われている立場だから、逆に祝福ムードになるだろう」
はぁっとため息を吐くユリウス兄様と辛そうな顔をされるイザーク兄様
「それでビクトルだが、落馬してしばらく意識不明だった、今は回復して命に別状はない…後遺症が残ることも恐らくない。
ライバル不在の今…この、大舞踏会で事が起きると思った。わざわざ一国の王太子が出会い求めに隣国へ来るなんてあり得ないんだ…無理やり国へ連れ戻されたいか?」
まさかベルナルド様が…来るなんて
「父上も母上も…ティーナがしたいようにすれば良いと言ってくださった…だから断っても良い」
「はい、ありがとうございます」
「それで…メイナードと会いたい?」
疲れた様子のユリウス兄様に言われました
「はい、出来れば…」
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