婚約破棄されて国外追放…?の予定だった

さこの

文字の大きさ
43 / 48

遡ること一時間前

しおりを挟む
 
(マティアス)

 アルベルティーナ嬢のお兄さん達が帰る日、ヘルミーナがシーバ国で世話になったこともあり、お礼がてらヘルミーナと見送りに来た

「マティアス殿、少しよろしいでしょうか?」
 長兄のユリウス殿に声をかけられた

「えぇ、どうかされましたか」


******

「貴殿は今我が国で何が起きているか、ご存知ですよね?」

 恐らくシーバ国の王子達の話。しかし王太子殿下と約束をした。他言無用…なので私は知らない

「なんのことでしょうか? 私はシーバ国のことに関して口を出す事は一切ありません」

 知っている体で知らないという事を伝えた

「そうですか、それでは私の独り言です」

 そう言ってユリウス殿は話を始めた

「我が家は王室と親戚関係にあります。うちの男家系は王位継承権がある。ベルナルドが今回の件をうまく抑えられない場合は、貴族達から反発に合い最悪王太子を降ろされる事もあり得る。そうなると父か私たち兄弟が、国を守るという重責が回ってくるのだが、ベルナルドなら大丈夫だろう。
 もしだよ? 私が王位を継いだとしよう、そうするとティーナも王族だ。貴族院のジジイ共に政略結婚しろと言われ、遠い外国に出される可能性もある。だから私たちで何とかしなくてはならないんだ」

 こくんと無言で頷く


「私たちはティーナに今すぐにでも戻ってきて欲しいと思っている。あいつら三馬鹿王子のせいでティーナの風当たりが強くなるのは困る。あいつらのせいでティーナの人生を狂わせたくない」

 尤もだ。アルベルティーナ嬢は悪くない。そもそも貴族の令嬢は、守られていて当然の存在。私も自分の意見を言うべきだ! だなんて酷いことを言ったもんだと反省したが…後悔はない

「国内が落ち着くまで、ティーナの事は伯父上に任せることになった。卒業後どうするかはティーナに任せるよ。に悪い虫が寄ってくるのは許せんが、ティーナがそれを望むのなら、それも悪くないのかもしれない。あの子が笑っているのなら悔しいが相手にとって不足なしだな」

 え……っと。それは……良い風に受け取って良いのだろうか


「ヘルミーナ嬢は婚約したとか?」


「えぇ、相手が留学先から帰ってきたら正式に発表することになると思います」

「マティアス殿も肩の荷が降りたね。寂しいが私達ももそうなると良いのだけれど」



******


 その後メイナード殿下も合流した。
 話をしていると会話は楽しく性格も明るく、アルベルティーナ嬢を子供の頃から支えている、とても良い方だった
 太陽のように明るい方と、アルベルティーナ嬢は言ったが、まさにその通り

 身分を捨ててまで、好きにさせたかったという広い心の持ち主……勝てる気がしなかった。しかも気さくで思いやりがある
 男の私でさえ見惚れるくらいのイケメンだ
 アルベルティーナ嬢が愛した男…


「マティアス殿は凄いですねぇ、私の周りにはなかなかそういった男が居なくて、新鮮ですよ!」

 なんのことだ……? こちらは自信を喪失しているというのに…


「アルベルは可愛くて庇護欲が湧くでしょう?泣いていたらなんでもしたくなる」

「……泣き顔なんて見たくないですよ」


「あの顔で泣かれたら、誰もが甘やかすんですよ、良い風に解釈して誰も話なんて聞きゃしない。聞けばマティアス殿は、兄上まで撃退してしまうような方だ!尊敬に値するよ」


「撃退をしたのはアルベルティーナ嬢です。しっかりと話をする彼女は凛としていて素敵でしたよ」


「そんな姿を誰もが見た事がない! 兄上はそれで納得したんだろうね。貴方に負けたんだ。凄いね何を言ったかは分からないけれど、アルベルの自立への一歩だ」

「私は何も……」


すると、はははっと笑い声を上げた

「そろそろ私もお役御免かな? 公爵から譲ってもらった邸に移り住もうか。ここは居心地が良すぎる、私も新しい一歩を踏み出すことにします。良かったら友達になってくれない?」

「友達ですか?もちろん私でよければ光栄ですが」

「そう?嬉しいよ。この国での初友達だ。殿下って呼ぶのはやめていただきたいんだ」

「では……。メイナード殿」

「これからもよろしく頼みます」

 握手をした。めちゃくちゃ気さくな方である。少し、いや。かなり好感度が上がった


しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る

金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。 ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの? お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。 ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。 少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。 どうしてくれるのよ。 ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ! 腹立つわ〜。 舞台は独自の世界です。 ご都合主義です。 緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。

愛しいあなたは竜の番

さくたろう
恋愛
 前世で無惨に処刑された記憶を持つ少女フィオナは、今世では幼い頃から番である竜族の王に保護されて塔の中で大切に育てられていた。  16歳のある日、敵国の英雄ルイが塔を襲撃しにきたが、なんとフィオナは彼に一目惚れをしてしまう。フィオナを人質にするために外へと連れ出したルイも、次第に彼女に離れがたい想いを感じ始め徐々に惹かれていく。  竜人の番として育てられた少女が、竜を憎む青年と恋に落ちる物語。 ※小説家になろう様に公開したものを一部省略して投稿する予定です。 ※全58話、一気に更新します。ご了承ください。

【完結】冤罪で殺された王太子の婚約者は100年後に生まれ変わりました。今世では愛し愛される相手を見つけたいと思っています。

金峯蓮華
恋愛
どうやら私は階段から突き落とされ落下する間に前世の記憶を思い出していたらしい。 前世は冤罪を着せられて殺害されたのだった。それにしても酷い。その後あの国はどうなったのだろう? 私の願い通り滅びたのだろうか? 前世で冤罪を着せられ殺害された王太子の婚約者だった令嬢が生まれ変わった今世で愛し愛される相手とめぐりあい幸せになるお話。 緩い世界観の緩いお話しです。 ご都合主義です。 *タイトル変更しました。すみません。

【完結】消えた姉の婚約者と結婚しました。愛し愛されたかったけどどうやら無理みたいです

金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベアトリーチェは消えた姉の代わりに、姉の婚約者だった公爵家の子息ランスロットと結婚した。 夫とは愛し愛されたいと夢みていたベアトリーチェだったが、夫を見ていてやっぱり無理かもと思いはじめている。 ベアトリーチェはランスロットと愛し愛される夫婦になることを諦め、楽しい次期公爵夫人生活を過ごそうと決めた。 一方夫のランスロットは……。 作者の頭の中の異世界が舞台の緩い設定のお話です。 ご都合主義です。 以前公開していた『政略結婚して次期侯爵夫人になりました。愛し愛されたかったのにどうやら無理みたいです』の改訂版です。少し内容を変更して書き直しています。前のを読んだ方にも楽しんでいただけると嬉しいです。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

処理中です...