【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

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告白された次の日から……


「……また送られてきたの?」

 はぁ。殿下からのプレゼント攻撃です。


「手紙を書くから届けてもらえる? 一度会ってプレゼントのお断りをしないと!」


 レースのハンカチ、王都で流行りのボンボン、リボンに髪留め……高価なものは受け取らないと言ったら、普段使いできる物を送ってくる様になりましたの。



【殿下、一度会ってお話をしましょう】


【もちろん! 喜んで! 会えるのを楽しみにしているよ】


******



 殿下の執務室に入りました。いつもの側近の方がお茶とお菓子の準備をしてくれました。

 私の好きなナッツを使ったお菓子やベリー系のケーキまで……申し訳ない気持ちになりました。


 殿下は私と向かい合い顔を見ると緊張すると言う事で隣に座りました。


「殿下、」

「今まで通りに私の事は名前で呼んでほしい」

「ジェフェリー様……」


 相変わらずこちらを見ませんが、会話は出来る様になりましたわね。嫌われてはいない様ですから。

「セリーナから会いたいと言われて嬉しかったよ」

「その事でお話があります」

「……なに? また婚約を……と言われたらショック死するかも」


 殿下、いえ。ジェフェリー様の青褪めた顔に小さい声


「そうではなくて、毎日プレゼントは結構です。大変でしょう? お金もかかりますしお気持ちだけいただきます」

「十年も我慢してきたんだ……セリーナに似合いのものを見たら贈りたかったのだが、重くないだろうか。と思って出来なかったんだ。とても反省している。物を贈って今までの十年間の空白が埋まるとは思わないけど、セリーナを思ってプレゼントしたかったんだ」


 そんなことを言われると、要らないとは言えませんね……。


「ありがとうございます。うーーーん。私も殿、いえ、ジェフェリー様に何かお返し出来れば良いのですけれど、何がよろしいですか?」


「セリーナから? 私はセリーナが一緒にいてくれるだけで、それだけで良い」


 私の顔を見てぎこちなく笑うジェフリー様がなんとも言えず素敵に見えましたわ。

 ずっと無表情がトレードマークでしたのに。

 思わずふふっと笑うとまた顔を逸らされましたわ。

 でも嫌な感じはしなくて、微笑ましいというか、嬉しくなりました。



******


「あの殿下が、とうとうセリーナ嬢にお気持ちを伝えることが出来たなんて私は感無量です」

「結構頑張った。でも告白できて良かったと思う」

「そうですよ! あのうじうじした姿をセリーナ嬢に見られなくて良かったですねー」


「……見られたよ。セリーナが婚約を解消しようとしていたなんて……。ショック死しそうになったよ。でもここで死ぬくらいなら恥でもいいからセリーナに気持ちを伝えて今までの誤解を解きたいと思った」


「殿下! 成長しましたね! 私は殿下の成長を目の当たりにして嬉しく思います!」


「私の知る限りおまえは私と同級生のはずだが……成長って……」


「セリーナ嬢の誤解をとっとと解いて今まで溜め込んでいたその重い愛を伝えられたら良いですね!」


「セリーナが私に気を遣って隣に座ってくれるんだ。顔が見れなくなって残念だけど、近くにいるっていいもんだな」


「はい。そうですね! 慣れていきましょう。セリーナ嬢のお顔に」


「十年無理だったのに? 今更無理ではないのか?」


「仮面や頭巾をかぶってもらうわけには行けませんでしょうに……」


「セリーナの可愛い顔に何かを被せるなんて無理だ! でも、結婚式にベールは付けてもらわないと……ベールを捲って顔を直視する事が出来るだろうか……そうだな。慣れていかないと。いざと言うときに困るな」


「結婚式でフリーズされても困りますからねぇ。慣れるより慣れろ! ですね」


「善処しよう!」


 ここで側近の一人が言った。


「そういえば、王妃様のお怒りは収まりましたか?」



「……恐ろしかったな。あのジュリなんとかと言う平民の生徒と私が付き合っているなんて本気で思ったのだろうか? 母上は私がセリーナを好きなことを知っているだろうに」


「噂とはおそろしいですね。誰が流しているのでしょうか?」


「調査してくれないか?」


「はい。仰せの通りに。私が抜けても執務を滞りなくしてくださると言う約束をしてください」


「うむ。早めに頼むよ」



 





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