【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

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ジュリアナの髪飾り


 最近ジェフェリー様からお誘いがない! 世話役と言われた三ヶ月が経ったからなのかしら!


 でもまだまだお世話はして貰いたいわ。お父様からもその後はどうなったと聞かれるもの。

 相変わらずセリーナ様は平民の生徒とよく話をしているわ。何が楽しいのやら。


「セリーナ様、おはようございます」

 こちらから声をかけてみる。そうするとようやく私に気がついたみたい! 全く失礼よね。


「ジュリアナ様、おはようございます。まぁ! 素敵な髪飾りですこと」


 目が高いのね、この髪飾りの価値に気がついただなんて!


「これですか? 大した物ではないのですよ」


 お父様が西の国から仕入れた最高級品のエメラルドを使っているのよ!


「まぁ。ご謙遜を。普段使いされるにはとてもいいと思いますわよ。私も、」


「え! これが普段使いですって?」


「え? えぇ、だって本物を普段使いにするわけにはいけませんでしょう? これほどのものですと、王族が所有をしていてもおかしくない代物で、」


「ニセモノだと言いたいの?」


「違いますの? 輝きすぎていて、」


「酷いわ。私を貶めるつもりなのね……お貴族様だからって、平民の私がいい物を使っているのが気に食わないのね!」


「間違いでしたら訂正してお詫び申し上げますけれど……」


「謝ってください!」


 静まり返る教室に運悪くジェフェリーがセリーナに会いにきてしまった。



 ジェフェリーに気づいた生徒たちは頭を下げた。頭を下げなくていいと言うジェスチャーを無表情でするジェフェリーに



「わぁぁん。ジェフェリー様ぁ……」


 ジュリアナが駆け寄った。何が何だかわからないジェフェリーがセリーナを見た。


「殿下、これは、」


「セリーナ様が私を貶めてくるんです。私がジェフェリー様と仲良くさせていただいているのが気に食わないんですわ」
 

 ざわざわと騒がしくなる教室内……



「殿下! 発言をお許しください」

「畏まらなくて良い、何があった?」


 平民のサムである。勇気を出してジェフェリーに事の成り行きを話し出した。


「ジェフェリー様! この男はセリーナ様の手下です! 私情を挟んでいるかも知れません! 私が平民だから味方なんて誰もいないんです……うっうっ。ジェフェリー様は信じてくれますよね」


「殿下、ここではなんですから、後で話を聞くことにしましょうか?」


 側近の一人が言った。


「セリーナ後で話を聞かせて欲しい」


「殿下にはご迷惑をおかけします」


 スカートの両端を持って頭を下げるセリーナ。


「迷惑なんかではない。それではセリーナあとで。あと君、名前なんだっけ?」


「ジュリアナさんですよ、殿下」


「あぁ、そうだった忘れていた。失敬、君もあとで話を聞かせてくれ」


「……はいジェフェリー様」



******


「殿下、先程の件ですが、」


 側近の一人が声をかける


「あぁ、セリーナは悪くないんだろう」


「それはもちろんですが、なぜ未だジュリアナさんは殿下を名前でお呼びしているのでしょうか? まさかお許しを?」


「許すわけないだろう! 私を名前で呼んでいいのはセリーナだけだよ!」


「そうでしょうね。そこも正さなくてはなりませんね」


「そうだった! 何か分かったことがあるのか?」


「殿下が、平民の娘を婚約者のセリーナ嬢より大事になさっているそうだと」


「そんなわけあるか!」


「殿下の名前を呼んでいるのは、特別だからだと言う話ですね」


「許可してない!」


「殿下は近々セリーナ嬢と婚約を解消して愛する人と一緒になるのだと」


「セリーナだけを愛している!」


「十年拗らせてこんな事になろうとは……」


「噂を流しているのは誰だ!」


「フロス商会です」


「王都にあるあの商会か? 手広く商売をしているよな」


「えぇ。最近はイミテーションの宝石も販売しています。悪いとは言いませんよ? イミテーションと言って販売していますからね」


「それが?」


「先程の件ですよ。セリーナ嬢はジュリアナさんが付けていたエメラルドをイミテーションだと思い、素敵だから普段使いには良いと仰ったそうです」


「さすがセリーナ! 一目で分かったのだな」


「えぇ。流石セリーナ嬢です。でもジュリアナさんは本物だと思い込んでいますから、腹を立てのだそうです」


「実物を見ていないからなんとも言えないが、セリーナが言うのなら正しいのだろう。これも私情か?」


「いえ。状況を聞く限りセリーナ嬢の行動に間違いはないかと。セリーナ嬢がジュリアナさんを貶める理由がありませんから」


「そうだよな。ジュリアナとか言う娘は何を考えているんだ?」


「……あなたの妃の座を狙っているのでは?」


「なぜ私があの娘と?」


「存じ上げません」



 側近の一人はあっという間に噂を流している人物にたどり着いた。フロス商会、ジュリアナの実家だった。




















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