お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

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エルナンド

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フェリシアはエクトルと王宮の一角に向かっている
先日の夜会でエルナンドに二人でおいでと言われた。
エルナンドはアリシアの昔からの友人で王太子妃のエレナ妃もアリシアとは仲が良い。
私がわかっているのはそれくらいだった
私なんかよりもエルナンドの方が姉を知っている…

「どうした?フェリシア浮かない顔をしている」
エクトルに声を掛けられる

「…緊張しているのもそうですけど、姉のことを聞くのも怖いと言うか…」
自分のせいで姉が出て行ったと言う気持ちが大きいのだが、実際に言われてしまったらと思うと居てもたっても居られない
自分はどうしたいのか、分からないまま会いに行く

エルナンドの執務室の前に立つ、まさか人生で王太子の執務室に入ることがあるなんて…とてつもなく緊張が襲ってきた
エクトルが扉をノックすると侍従が出てきて
「お入りください」と扉を開けられた

執務室へ入るとエルナンドが出迎えてくれた
「エクトル、フェリシアよく来た。座って話そうか」
そう言ってソファを勧めてくださった

「兄上お忙しい中、時間をとっていただいてありがとうございます」
エクトルとともに頭を下げる

「兄弟なのに堅苦しいのは苦手だ。お前だってそうだろう?」  
足を組みリラックスするエルナンドを見て少し緊張が解れた
「フェリシアも、私の事は王太子というより義兄だと思ってくれよ」
エクトルの眼差しによく似ている

「ありがとうございます、その、とても嬉しいです」
はにかむように笑うフェリシア
その様子を見て嬉しそうな顔をするエクトルを見て安心するエルナンドだった

「アリシアの話をする前に…」
少し歯切れが悪い様子のエルナンド
「フェリシアはあまり夜会には出席せずに主に身内の茶会などには出席していたようだな?」
「はい」
「それはなぜだ?」

…なぜかと聞かれると、何でだろう?デビュタント以来、夜会と言う行事に参加はしていない。参加しても身内や友達の誕生日などの個人的なパーティーくらいだった

「えぇっと…まだ早かったのでしょうか?恥ずかしながらマナーがしっかり身についてなくて迷惑になるので」

それくらいしか思いつかない、気にしたことがなかったが、友人達は夜会に出ていた早いことはないだろうけど…

「そんなわけないだろう」
エクトルが答える
「そうだな、それは考えられない」
くっくっく…と楽しそうに笑うエルナンド


「フェリシアはエミリオの事をどう思う?」

「エミリオ殿下、でございますか?」
急にエミリオの名前が出てきて不思議に思い首を傾げるが、じぃーっとフェリシアを見て返答を待つエルナンド

「どう?と言われましても…」
歯切れが悪いがまだ答えていないがとても言葉を選ぶ
「…恐れながら」
エルナンドと目が合うと、うんと頷かれた
「苦手です」
一言だけ告げる

「そうか、それはなぜだ?」
「リリアナ様がおられるのに、その、接近されると、どのように対応すれば失礼に当たらないのか分かりません」

「リリアナは少し我儘な所が見受けられるからな、フェリシアも何かされたんだろう。原因はエミリオだがな」
エルナンドは、はぁっとため息を吐く


「本人抜きでこのような話をするのはフェアではないが、エミリオは、デビュタントでフェリシアを見てその時に伯爵にフェリシアと婚約させてくれと願っていたんだ」

真面目な顔で言われるので正直戸惑う、エクトルも面白く無さそうだ

「伯爵はフェリシアを王家に嫁がせないと言って断ってきた。その時エミリオはリリアナと婚約が決まりかけていたし侯爵家は伯爵家に余計な真似はするなと圧をかけていたんだ」

「そんなことが…恥ずかしながら知りませんでした」
家族は皆知っているのだろう

「エミリオは何度も伯爵にフェリシアをと願っていたし、侯爵家にもリリアナと婚約はしないと断っていた、だが王命で婚約が決まった。エミリオは諦められなくてファビオにフェリシアに会わせるようにと何度も言っていたが、叶わなかった」

全然知らない事だった…






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