殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの

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パフォーマンスにしか見えません

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「恋がしたい」って言ったのに……邪魔するなって言ったのに……私のこと邪魔って。



 婚約者候補から外された時は寂しかったのだと思います。毎週お会いしてたから、優しくしてくださったから、恋とか分からないけど、婚約中に恋心とか、芽生えるんだと思ってました。
 だってそのように教育されたもの。でも恋したいからって……何年も一緒にいたのに、切り捨てられました。


 マドレーヌ様と婚約が決定したと、あの時点で言われたのならば、祝福をしたいと思いましたが、私やマドレーヌ様以外の人と恋をしたいと言われて、寂しさと悔しさに蓋をして、出てこないようにと鍵をかけたつもりでした。


 顔も見たくないし、殿下を避けていたのかもしれません。
 急に好きだと言われて、気持ちがついて行けませんでした。
 きっとすぐ違う人に恋するに決まってます
また私を邪魔者扱いする……切り捨てるんです。


 寂しかった気持ちをこじ開けてこようとするのです。
 自分勝手に恋を押し付けてきます。




「はい、お返事を、」

「待ったぁぁぁぁー!」


 返事をしようとすると殿下が、大きな声を出して遮りました


「そこの二人出て行ってくれる?」

 ブラッドとマドレーヌ様を部屋から退出させようとします。

「デリケートな話だからさ、私も心の準備が出来てないけど、聞きたいんだ!カテリーナと二人で!」

 まごう事なき二人きりになりました

 ごほんと咳払いをして
「カテリーナ、返事、聞かせてくれる?」


「はい、よろしくお願いします」
「へ?」


「暫定ではなく、婚約者にして頂けますか?」
「えっ! 本当?!」
 立ち上がり喜びを隠せない様子だ

 頷くカテリーナ



「ありがとうございます!絶対にカテリーナを悲しませる事はしません。裏切りません。これから同じ景色を共に見て行こうね、私頑張りますので!よろしくお願いします」


 頷くカテリーナ



「ハグして、いいですか?」


………首を左右に振ります。
 ここは学びの場ですら変な事をしようとしないでください。



「…そんな」

 死にそうな顔をしていますね。
 行き場のない手を宙でワナワナと振るわせていますが知りません。思い出したらムカムカしてきました。
 こんな……最低な人と婚約をするのですから、お仕置きは必要ですね。


「嘘をつく人は嫌いですからね」

 少し声に怒気が含んでしまったかもしれません……レディとしてあってはいけない事かと思いますが……許されるでしょう。ここには二人だけですから



「……これから信頼を取り戻していきますので見守っていてください。こんな地に落ちた信頼を回復するのには時間がかかるとは思いますが、チャンスを与えてくれて感謝します」


 深々と……頭を下げますが、もうパフォーマンスにしか思えないのに……なんでこんな人を……。


 早まってしまったかもしれません……
 出会いがなかっただけで、これから先……他に好きな人が出来たのかもしれないのに……

 なんでこの人殿下と……
 こんな事を思っていると知られたら不敬罪になるかもしれません……

でも……必死な姿に絆されて、可愛いと思ってしまいました。
……お父様ごめんなさい。お許しください。


 この後授業があるので教室まで送ると言って聞かなかったので、殿下に送ってもらうことにしました。
 無理矢理、手を繋がされて歩いているとブラッドとマドレーヌ様に見つかってしまいます。


 ブラッドはやれやれと言う顔をしていたけど、良かったね。と言ってくれました
 マドレーヌ様も祝福をしてくださりました。果たしてこれで良かったのか…分かりません。
 だって最低ですもん。この人殿下



 私の閉じ込めたつもりの気持ちを、こじ開けてきた殿下に対して遠慮をするのを少しやめようと思いました。




 オーウェン様とのお茶会の日になり、公爵邸へと向かう。オーウェン様とはどれくらい会っていなかったのだろうとぼんやり考えていたところ

「六年と十八日です」


 またノーマン執事に心を読まれたようです

「怖いから!なんで分かるのよっ!」
「単純だから、大体は…」


「お嬢様の行動は私の手帳にみっしり書いてありますからね、殿下と初めて手を繋いだ日も書いておきますか?」


 ペンと手帳を持っている
 なんで知っているのか、不思議でならない

「ばかっ!」
 ふんっ!そっぽを向けた


「ばかとは愚か者の事ですね?私には当てはまらないので、その言葉お返しします」

 もう話しません。口論にならないのだから
 でもおかげで変な緊張も無くなりました……


 公爵家に着くとオーウェン様自ら出迎えてくださいました。

「カテリーナよく来たね、ノーマンも久しぶりだな」

 ノーマンは執事らしく頭を下げた。

「本日はお招きいただきありがとうございます」
「堅苦しい挨拶は抜きにして、お茶にしよう」


 私は椅子に掛けて、ノーマンは少し離れて後ろに立っている。
 領地での話を聞いたり学園の話をしたり、和やかに時間は流れた。

「カテリーナ、殿下と婚約するんだって?」
 本題に入ったようです

 はいと頷きます。


「私のおかげだね。おめでとう祝福するよ」
「ありがとうございました」

「幸せになれ。もし辛いことがあったら必ず言ってくれ。力になるから」

 優しく微笑んでくださりました


 筆頭貴族ですもの。力はございますね。心強い味方が出来ました。
 もし結婚しても離婚したくなったら、お父様とオーウェン様に力になってもらいます


 お茶を飲みすぎたようです……少し席を離れる事になりました




 カテリーナが席を離れている間はノーマンとオーウェンの二人になった。

「オーウェン様はお嬢様の事、」
 ノーマンが言いかけたところで制された


「みなまで言うな!もう少し早く帰ってくれば、運命は変えれたかもしれないのにな…遅かったか」
 はぁっとため息を吐くオーウェン


「残念でしたね。お嬢様のデビュタントの時に貴方が居たら、どうなっていたでしょう?」

「歳が離れているが為に踏ん切りがつかなくてな、ちょっと長く離れすぎた。この前の夜会で、カテリーナを欲しいと思ったが遅かったなぁ……カテリーナは殿下には勿体ないよな……」
「マドレーヌ様のことを責めないでくださいね」


「当たり前だろ!可愛い妹だぞ、マドレーヌは殿下とは友人だと言うしな、ったく」


「私はお嬢様が楽しく健やかに過ごしていただけるなら、殿下でもブラッド様でも、貴方でも誰でも良いんです」

「凄いな、達観して……お前こそカテリーナの事を好きなんだろう?」


「好きと言う感情とは違いますよ。私にとってとても大事な方、我が主です」

「嫌がらせをまだ続けているのか?」

「もちろん。お嬢様が望んだのですから」

「カテリーナの子供の時の話だろう?」

「一生一緒にいる代わりに、嫌がらせをしても許すと言ったので、心苦しく思いながらも、続けています。お嬢様がご結婚され、一人前になったら、ちゃんとお仕えします」


「変な主従関係だな…」




 そっか。ノーマンにそんな事を言ったんですね…子供の頃のことなのにとても申し訳なく思いました。
 そっと帰ってきた事で、顔を出しにくくなってしまいました。

 今日のお茶会の報告の為に、殿下に会いに行く事になりました。

 今から王宮に向かいます









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