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庭で見たリディアーヌ
しおりを挟む「伯爵、この度はうちの息子がとんでもないことを言ってリディアーヌ嬢を傷つけてしまったこと誠に申し訳ございませんでした」
父と頭を下げる。リディアーヌはいないのか……。この場にはリディアーヌの両親と私と父上の四人。
側で控えるメイドや侍従は人数に入れないでおく。
「ディータ殿にそこまで嫌われていたとは娘もさぞ驚いた事でしょう」
怒っているようには見えないけど、大人しすぎる? よな。
「伯爵、リディアーヌは学園を休んでいるようですが体調はいかがですか?」
「おや? ディータ殿は娘が気になるのですか? お優しい事ですが、気になさらずとも結構! それと娘の名前を呼ぶのはやめていただこう。親しい間柄ならまだしも君は赤の他人だ」
「いえ、その……リデ、いえ、今日は彼女に謝りにきました、」
「謝る? 何をだい? 婚約破棄をしたことかい? 娘の教室での愚行の事かい?」
愚行? あれは……正義だ! あれをしたことによってリディアーヌの本心がわかったのだから
「おれ、いえ私はあの婚約破棄をしたことにより彼女の本心がわかったのです。悲しみに暮れる彼女の心を癒しにきました」
辛そうに胸に手を当てて、彼女の両親に向き合った。
「君が何を言っているのか理解が出来ない。自分を過大評価しているのではないか? 娘を傷つけた。しかも衆人の前で……それを愚行と言わずなんと言うのだ?」
「ですから、またこの前とおなじ状況で、婚約破棄の破棄をするつもりです。彼女も喜ぶことでしょう」
ロマンス小説でも、純愛ゆえの元サヤと言うのは人気があるしな。
私が悪かったと謝り、ここは俺が悪者になろうではないか。
「……理解が出来ない、悪いが帰ってくれ。ディータ殿に問題があっての婚約解消だ、伯爵違うかね?」
「おっしゃる通り愚息に問題があります。リディアーヌ嬢の今後に傷がつかないように、誠心誠意力を尽くします。慰謝料は提示された額をお支払い致します。この度は申し訳なかった」
「伯爵家と揉める気はないから、こちらの意向を汲んでくれたことに感謝する」
「いやいや、父上、伯爵私はリディアーヌと、」
「うるさい、黙らんかっ! お前の愚考に対してこんなに妥協して受け入れてもらえるなんて事はないんだっ!」
「……よく考えてみると、婚約破棄をすること自体が間違えだったのではないかと思い始めました」
リディアーヌは美しいし、家柄も悪くない。こうやって夫人を見ていると年齢を重ねていってもリディアーヌは変わらず美しいのだろうと思った。
周りでも婚約破棄をした同級生が何人もいた。第三王子も真実の愛とやらを求めて、婚約破棄をした。男爵家の養女だった。
全部が過去形……? いた? だった?
その後ってどうなったんだっけ?
……第三王子は王籍から抜けた。いや出されたのだった!
……侯爵家の子息は? 廃嫡と……なった!
……これは、やばい流れになってきているのではないか?
「うふふ。ディータ様は面白い方なのね。娘はディータ様の意見を尊重して婚約の解消を受け入れるのだそうでわすわ。伯爵とも話は纏まりましたので、お帰りくださいな」
夫人何にこりと笑う顔がリディアーヌに似ている。
「お客様がお帰りよー」
ぞろぞろと使用人たちが現れて帰り支度をさせられた。
「伯爵、ディータ殿はそれでは気をつけて」
伯爵夫妻に見送られ部屋から出されてしまった。
まだ話の途中なのに失礼な家だな! まずはリディアーヌと話をせねばならんのに!
エントランスへ向かう廊下は庭に面していた。今日は晴れていて心地のいい日だ。
そういえばこの庭をじっくり見るのは初めてかもしれない。
リディアーヌへご機嫌伺いの時に、庭でのお茶を勧められたが、虫も嫌いだし、日に焼けたくないし、外で飲食をする事がどうも好きではないので断り屋内でのお茶に変更させた事があった。
こうやってみると悪くない庭だ。季節の花が咲き誇り心地よい風が吹く。香りも良い。
そう思い庭を見ているとパラソルが立ててあり、テーブルセットが用意されていた。
なんだ? メイド達が頭を下げ出した。
すると男女が仲良さそうにパラソルの下の椅子に腰をかけた。
男は女性を座らせたあと、正面に座った。
女性の顔がよくみえないが、レースのワンピースを着て髪を緩めの編み込みにし後毛がふわっとしていて、見るからに色気があり可愛らしい女性でいる事が分かる。
男の顔は見た事がある。伯爵家の嫡男フリードだ。
完璧にエスコートをする姿を見てフリード殿の婚約者なのか? と思い注視した。
楽しそうな笑い声が聞こえて来る。仲が良いようだ。フリード殿もとても楽しげで見ていて少し羨ましく思った。
美女とは後ろ姿を見ただけでも分かるものだ! とハウトゥー本に書いてあった。後ろ姿に全てが出るらしいのだ。
どこのご令嬢だろうか? レースのワンピースが女性らしさを際立てていた。
風が悪戯に吹き、令嬢のハンカチがこちらに飛んできた。
拾おうと足を踏み入れると、令嬢がこちらに顔を向けた。
「リ、リディアーヌか!!」
美しく可憐だ
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