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「王子であるお二人の命令でも、そういうわけにはいきません。王の言葉は絶対なのです。それが分かりませんか?」

 カイルは話しながら剣を抜き、刃を二人の方へと向ける。

「王に逆らえば命はないのですよ?」

「っ……」

「ルージュ、リージュ、俺も手を貸そう」

「あんたは怪我しないように守ってろ! ルージュ、行くぞ」

 リージュがキールに向かって怒鳴るのを合図に、ルージュも剣を手にする。

 それと同時に、カイルたちの方へ向かって走り出した。

 カイルただ一人が動かず、兵士たちは二人へ向かっていった。

 剣を交え、激しい音を響かせる。キールのときに見せた動きよりも非常に速く、圧倒的な力で兵士たちを倒していく。
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