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「落ち着いて。そんなにいっぺんに言われても困るわ。とりあえず、私は三月みつきよ」

「三月、あんたはシムカとは一体どんな関係なんだ?」

「どんな……うーん。やり取りしている国の一つ、かしら? ここは、ごく僅かな国としかやり取りしていない、極東の閉鎖的な島国だから。誰かを、しかもこんなクローゼットの中に送るなんて、シムカちゃんらしいわね」

「そうか……。教えてくれてありがとう。俺はリージュだ。隣で倒れてるのは双子の兄のルージュだ。俺たちはワード国の王子で、シムカからは勝手にここへ送られただけだ」

「そう、よろしくね」

 三月はリージュに対してニコリと微笑み、その場でしゃがみ込む。倒れたままの二人に手を差し伸べる。

「怪我はないかしら?」

「あぁ。この程度問題ない」

「いてて……勝手に話を進めるな。ここがどこか分かったとしても、俺たちは早く戻らないといけないんだぞ」
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