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「何か事情があるようね。でも、二人にはやってもらいたいことがあるの。それが終わったら、えぇと、ワード国に送ってあげるわ」

「……何かをやってもらうには別のことをやれっていうのか。仕方がない。で、それは何だ?」

「それは明日教えるわ。今は夜だからもう休んで。あなたたち、とても疲れて見えるから。あっ、部屋はここを使っていいわよ。それじゃ」

 ヒラヒラと手を振りながら、三月は部屋から去っていった。

 嵐のように過ぎ去っていった彼女に、二人はしばらく呆然としていた。

「はぁぁぁ」

 盛大な溜め息とともに、リージュは目の前にある二つのベッドの片方に横たわる。

「いつまでやるか分からないことをよく引き受けたもんだな」
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