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 コンコンッ──


 ノックの音と共に目が覚めたルージュ。目の前にはリージュがまだ寝ており、ゆっくりと起こさないように動く。

 身一つで立ち上がり、閉じられていた扉を開けると、男が二人立っていた。片方は誰にでも好かれそうな笑顔、もう一方はやけに不機嫌そうな表情であった。

「おはよう。俺は流星りゅうせい、三月の兄なんだ」

「俺は光輝こうき。三月の弟だ」

「あ、三月はしばらくしたら来るから安心してね。頼まれて来たんだ」

「あぁ……よろしく。俺はルージュだ」

 手を差し出そうとしたところで、二人の手は料理で塞がっていることに気付いた。
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