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 ルージュは自分たちのものを持ってきてくれたのだろうと思い、二人を部屋の中に通す。まだ寝ているリージュの存在は気にせずにいた。

 そんな姿を見ながら、二人はテーブルに持っていたものを置いていった。

「もう一人もいたのか。そのうち三月が来るだろうから、それまでに食べていてくれるとありがたい」

「承知した」

 短いやり取りを終え、流星だけが手を振りながら去っていった。

「リージュ」

 再び視線をベッドに横たわっているリージュに向けて呼び掛けるが、起きる気配はなかった。

 溜め息を付きながら、汚れたままの自身の姿を見る。このままでいるのもどうかと思い、部屋の入り口の方を見る。

 もう一つ何か部屋があるようで、そこの扉を開ける。そこには浴室があった。

 これでようやく綺麗にできる、と思いながらルージュは入っていった。
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