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 温かい身体はまだ動きそうな姿である。

 ルージュは彼女のローブを身体から離してから、丁寧に横たわらせる。そして、そのローブを誰の目にも触れられないように覆い被せた。

「エリーゼル、ありがとう……。あとで必ず、君のところに戻ってくるよ」

 ルージュはそう告げると、立ち上がってリージュと共に城の中へと入っていく。

 涙が出そうになるのを堪えながら、今は目の前のことを必死に考える。

 城の中はやけに静かで、兵士の姿が一人も見当たらない。

 不審に思いながらも、二人はどんどん進んでいく。

 階段へ辿り着くと、勢いよく駆け上がる。目指す場所は、王のいる場所である玉座の間であった。

 二人は階段を一気に駆け上がり、玉座の間のある階へと到着する。

 ひんやりとした空気が流れ込んでいる。二人は気のせいかと互いを見るが、どうやら本当に寒いようであった。

 それは玉座の間へと近付くにつれ、より感じるものとなっていった。
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