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「その程度の力で、どうにかなると思っているのですか」

 軽く息を吐くように何かを吐き出していく。すると、氷が襲い掛かるような風が二人に向かって吹いていく。

 思わず両手で顔を覆うが、一瞬相手から目を離してしまった次の瞬間、氷の刃が二人の方へと向かってきた。

「しまっ……」

「はぁっ!!」

 そのとき、聞き覚えのある少女の声が響き渡る。

 声と同時に上から大量の水が降り注ぎ、氷の刃を床に落としていった。

「ルージュ、リージュ、無事か!?」

 後ろを振り返ると、レン、ポール、キール、ディオン、ファナ、ルビスの姿がそこにあった。

 ファナ以外の手には、何かしらの武器が持たれ、ファナは術を操っていたようで両手を宙に向かって伸ばしていた。
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